異世界転移したロボ娘が、バッテリーが尽きるまでの一ヶ月で世界を救っちゃう物語

京衛武百十

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レイラ

報告

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<ルデニオン>に戻る途中、やはり、街がデモニューマを襲撃を受けていたため、往路の時と同じように、撃破してみせた。その間、静香には休憩してもらうことにして。

だから、静香が休憩できるだけの時間を掛けて、丁寧にデモニューマを撃破していく。しかも今回、街に侵入したものを撃破した後は、街の外周から二キロの範囲を索敵。その場にいたデモニューマもすべて撃破してみせた。

「大丈夫?」

「問題ありません。すべて順調です」

静香とスマホを通じてそうやり取りしながら。

こうしてデモニューマを掃討した後は、河に入って返り血を洗い流し、再び静香を乗せて出発する。

街を防衛していた兵士達は、どうやらレイラがまた現れたらしいということしか分からないまま、唖然とするしかできなかった。



そんなこんなで、<ルデニオン>に到着した時には、昼前になっていた。それでも、七日間の予定だったものが四日で帰ってこれたのだ。<魔王>なるものがもっと組織的にデモニューマを指揮していたのであれば、その組織の概要、編成、指揮系統や通信手段、その他諸々を詳細に確認する必要があったので余裕を持ったスケジュールを考えていたもののそうではなかったので、早く帰ってこれたのである。

「レイラ様!?」

「レイラ様、随分とお早く……」

「もしや、<エジェレネイカ山>まで辿り着けなかったのですか!?」

警備の兵士達が口々に話し掛ける中、

「いえ、偵察は滞りなく終了しました。非常に順調に終えられたので、一刻も早く情報をお伝えするために予定を繰り上げて帰還したのです」

と告げ、慌てて駆け付けた迎えの馬車に静香と共に乗り、報告のために王宮へと向かった。

途中、兵士達と激しい鍛錬を行っているエギナの姿を見掛けたり、新型の<いしゆみ>の訓練を行っている兵士達の様子を見たりもしつつ、まずは国王に詳細を報告しなければならないとそちらを優先する。

「以上、<魔王>なるものの詳細を確認、私めであれば撃破も可能と判断。改めて魔王討伐の準備を行うために帰還いたしました」

静香には控室で待っていてもらい、国王に報告を行ったレイラは、

「大儀であった」

と労う国王に深く頭を下げたのち、軍の幹部らと情報を共有。<ルデニオン>の防衛体制の見直しと<新型弩砲>や<新型いしゆみ>の製造状況の確認を行った。



それらを終えてようやく、<屋敷>へと帰る。

「レイラ様!?」

「レイラ様ぁ~っ!」

思いがけず予定より早く帰ってきた彼女に、シェイナとパティリエカが縋りついたのだった。

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