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レイラ
新形弩砲
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「すげえ…こいつは前のとは全然違う」
「ああ、バカスカ撃てるぜ……!」
城壁の上では、兵士達がそんな会話をしながら砲撃を行っていた。配備された新型弩砲の扱いやすさに感嘆しているのだ。
従来の大型弩砲でもこれまで対処はしてきたものの、次弾の装填にどうしても手間取る上、焦って事故を起こす者も少なくなかった。なのにレイラが開発した新型弩砲は、扱いやすさそのものが格段に上がっていて、それだけ確実に操作でき、焦る必要もなくなったのである。
もっとも、レイラが実際に行ったのは『弩砲の精度を上げることで操作性と命中精度を向上させる』だけの小改造であり、人間達だけでも時間を掛ければ到達できる程度のものでしかない。いずれは達成できたものを、少しばかり早めただけなのだ。それほど、元々の大型弩砲の方も、兵器としての完成度は、決して低くなかった。
そしてそれは、携帯用の<弩>の改良にも活かされることになる。
剣や槍ではどうしても高い練度が求められるが、<弩>なら操作に慣れさえすれば素人でもそれなりに使えるだろう。
攻撃力が上がればそれだけ兵士を前に出し、早い段階での迎撃が可能になる。事実、すでに、城壁での守りが主体だったこれまでの戦術を改め、賤民達の街を囲む柵に兵士を配し、<改良型弩>にて迎撃する案が、人間達の方から出されていた。しかもそれを実現するための軍の編成も着々と進んでいる。
これは同時に、兵士の増員も求められるため、新たに募集が行われることになるだろう。賤民らに対しても、兵士の募集が予定されていた。
予算の関係上、際限なく増やすことはできなくても、賤民達にとっても、<臣民>として召し上げられる機会が増えることにもなるわけだ。
また、<王都ルデニオン>でのそれを基に、他の街や地域、何より耕作地の防衛力の増強も行われていくことになる。
軍議の中で得られた情報として、デモニューマは人間の多いところを攻撃する傾向にあり、人間が少ない農村部などではデモニューマの出現頻度そのものが低かった。だから、現れればその度に犠牲は出るものの、現時点でも対応はできているとも言えた。
しかも、ルデニオンより東側では、それこそ数えるほどしか目撃例がない。
もっとも、それさえ、ルデニオンが陥落すればデモニューマはさらに東へと浸出していくであろうから、その道すがら蹂躙されるであろうことは確実と見られているが。
なお、<ベル・ルデニオーラ>としては、ルデニオンより西にも当然、いくつかの街や集落はあり、そちらは当然、ルデニオン以上にデモニューマの攻撃を受けている状態だった。
ゆえに、製造される新形弩砲の内の何割かをそちらに配備するための準備も進められている。
「ああ、バカスカ撃てるぜ……!」
城壁の上では、兵士達がそんな会話をしながら砲撃を行っていた。配備された新型弩砲の扱いやすさに感嘆しているのだ。
従来の大型弩砲でもこれまで対処はしてきたものの、次弾の装填にどうしても手間取る上、焦って事故を起こす者も少なくなかった。なのにレイラが開発した新型弩砲は、扱いやすさそのものが格段に上がっていて、それだけ確実に操作でき、焦る必要もなくなったのである。
もっとも、レイラが実際に行ったのは『弩砲の精度を上げることで操作性と命中精度を向上させる』だけの小改造であり、人間達だけでも時間を掛ければ到達できる程度のものでしかない。いずれは達成できたものを、少しばかり早めただけなのだ。それほど、元々の大型弩砲の方も、兵器としての完成度は、決して低くなかった。
そしてそれは、携帯用の<弩>の改良にも活かされることになる。
剣や槍ではどうしても高い練度が求められるが、<弩>なら操作に慣れさえすれば素人でもそれなりに使えるだろう。
攻撃力が上がればそれだけ兵士を前に出し、早い段階での迎撃が可能になる。事実、すでに、城壁での守りが主体だったこれまでの戦術を改め、賤民達の街を囲む柵に兵士を配し、<改良型弩>にて迎撃する案が、人間達の方から出されていた。しかもそれを実現するための軍の編成も着々と進んでいる。
これは同時に、兵士の増員も求められるため、新たに募集が行われることになるだろう。賤民らに対しても、兵士の募集が予定されていた。
予算の関係上、際限なく増やすことはできなくても、賤民達にとっても、<臣民>として召し上げられる機会が増えることにもなるわけだ。
また、<王都ルデニオン>でのそれを基に、他の街や地域、何より耕作地の防衛力の増強も行われていくことになる。
軍議の中で得られた情報として、デモニューマは人間の多いところを攻撃する傾向にあり、人間が少ない農村部などではデモニューマの出現頻度そのものが低かった。だから、現れればその度に犠牲は出るものの、現時点でも対応はできているとも言えた。
しかも、ルデニオンより東側では、それこそ数えるほどしか目撃例がない。
もっとも、それさえ、ルデニオンが陥落すればデモニューマはさらに東へと浸出していくであろうから、その道すがら蹂躙されるであろうことは確実と見られているが。
なお、<ベル・ルデニオーラ>としては、ルデニオンより西にも当然、いくつかの街や集落はあり、そちらは当然、ルデニオン以上にデモニューマの攻撃を受けている状態だった。
ゆえに、製造される新形弩砲の内の何割かをそちらに配備するための準備も進められている。
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