異世界転移したロボ娘が、バッテリーが尽きるまでの一ヶ月で世界を救っちゃう物語

京衛武百十

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レイラ

飛来

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だが、そうして群議を行っているその真っ最中に、

カーン! カーン! 

と甲高い金属音。

「デモニューマか!!」

部屋にいた者達に緊張が走る。襲撃を知らせる鐘の音であった。そこに、

「デモニューマです! 西南の方角より飛来! 鳥型、二!!」

駆け込んできて、そう告げる兵士が。監視の兵士らからの伝令だった。

エギナは剣を掴んで真っ先に部屋を飛び出していった。それに続いて、次々と剣を手に部屋を出て行く者達をパティリエカとシェイナが見送る。さらにレイラも。

「シェイナはここで待ってていただけますか?」

「はい……」

さすがにここまでで少し慣れたこともあって、シェイナも聞き分けてくれた。それでも、なるべく早く戻らなければとレイラは思う。加えて、城壁の外の人々も犠牲にはできない。

なので、王宮を出た瞬間、

『危機対応モード。最大稼動』

<危機対応モード>を起動。その瞬間、時速二百キロを超える速度で走り、跳躍。家々の屋根を足場に僅か三十秒で城壁の上に着地、準備されていた大型弩砲の投擲体の予備を手に取り、野球の投球フォームで、投げ…いや、『撃ち出し』た。

『着弾まで、一、ゼロ

空中にいた、翼竜を思わせる巨大な羽を広げたデモニューマの頭部が、爆ぜる。

秒速五百メートルを超える速度で撃ち出された金属製の投擲体は、完全に<大砲の砲弾>と化していた。

これにより、賎民達の町を囲う<木の塀>に辿り着く前に一体を撃破。

続けて二発目を放つも、一発目で仲間がやられたのを見ていて危険を察したか、二体目は頭を振って投擲体を躱してみせた。そしてそのまま、賎民達の町の上空へと侵入する。

けれど、レイラは慌てない。

投擲体を手に城壁から飛び降り、逃げ惑う人々の隙間を縫うようにしてデモニューマ目掛けて疾走。

逃げ遅れた子供目掛けて急降下してくるデモニューマに再び投擲体を撃ち出す。

しかしこれも頭を逸らして躱された。ただ、デモニューマの方も体勢が崩れたからか体を翻し、上昇に転じる。改めて体勢を整えてから人間を狙うつもりなのだろう。

もっとも、レイラがそれを許すはずもないが。

真下に辿り着いた彼女は、再度降下を始めようとしたデモニューマ目掛けて、三発目を撃ち出す。

今度は、真上に目掛けて放つために体をほとんど地面と水平になるまで傾けて腰を回転させ、投擲体を放った。

なのに、デモニューマは三度それを躱してみせた。が、それはレイラの<陽動>だった。それにより意識をそちらに向けさせ、かつ、降下中に体勢を崩すことにより自由に動けなくするための。

いつの間にか彼女の体は十数メートルの高さにまで飛び上がり、そのまま右足をデモニューマの頭に叩きつけたのだった。

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