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第四部
何がどうあろうと負けは負けです
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こうして対ゴヘノヘ用決戦兵器二号機にはブグルが、ゴヘノヘ神輿にはダイガが乗ることが決まりました。
正直、ゴヘノヘ神輿が負けることは事前に決まっていることですので、そういう意味でもゴヘノヘ神輿に乗るのは不本意でしょう。
けれども、そう決まってしまった以上は、ダイガも覚悟を決めます。
彼らはそうなんです。決まってしまったことについてそれを誰かの所為にして不満を口にしない。『負けたのは自分が弱かったから』だと考えることができる。
まあそれは、実際にジャッジが分かりやすくて誤審が少ないというのもあるからでしょうね。
『相手がギブアップするか勝負を続けられなくなるか』
というのが基本ですし。『意識を失った』なんてなったら、それが数秒で回復したとしてもその数秒の内にとどめを刺されますから。本気の殺し合いでは。
ましてやゴヘノヘ相手に意識を失ったりしたら、仲間が助けてくれなければ確実に死にます。
実際にあれと対峙したことのある私には実感できてしまいます。意識を失ったわけでもないのに動けなくて危うく死ぬところでしたから。
地球人にはいるでしょう? 完全に負けた後でも往生際悪く文句を言う人が。しかも、誤審でも何でもない、確実な敗北さえ認めない人が。
どうしてそんな人がいるんでしょうね。自分の信じる神様が自身の勝利を約束してくれたからですか? でもその『神様が勝利を約束してくれた』というのは、誰が、どうやって、立証してくれるんですか?
何がどうあろうと負けは負けです。戦場ではそれこそ言い訳なんかできません。死ねば言い訳のしようもありませんからね。
そういうことなんです。
猪人達はそれを分かっている。
負けたことを悔やんで次に勝つために努力するのは構いません。生きているならそれもできます。だけど、敗北そのものをなかったことにしようとするのは、情けないですよ。
でもまあ、祭そのものは楽しめばいいでしょう。屋台も充実してて、私も、仕事を終えたメイミィやラレアトと一緒に堪能しました。特に美味しいものを食べ歩くのはいいですね。
「やっぱビア樽じゃねえか」
お腹いっぱい美味しいものを楽しむと、伍長がまたそんなことを。
「う、うっさい! お祭くらい遠慮なく楽しんだっていいでしょ!」
言い返す私を、メイミィとラレアトも笑顔で見守ってくれてます。これもただの<じゃれ合い>だって分かってくれてるんですね。震電も、私の声の調子を察してか、怯えたりしませんし。
正直、ゴヘノヘ神輿が負けることは事前に決まっていることですので、そういう意味でもゴヘノヘ神輿に乗るのは不本意でしょう。
けれども、そう決まってしまった以上は、ダイガも覚悟を決めます。
彼らはそうなんです。決まってしまったことについてそれを誰かの所為にして不満を口にしない。『負けたのは自分が弱かったから』だと考えることができる。
まあそれは、実際にジャッジが分かりやすくて誤審が少ないというのもあるからでしょうね。
『相手がギブアップするか勝負を続けられなくなるか』
というのが基本ですし。『意識を失った』なんてなったら、それが数秒で回復したとしてもその数秒の内にとどめを刺されますから。本気の殺し合いでは。
ましてやゴヘノヘ相手に意識を失ったりしたら、仲間が助けてくれなければ確実に死にます。
実際にあれと対峙したことのある私には実感できてしまいます。意識を失ったわけでもないのに動けなくて危うく死ぬところでしたから。
地球人にはいるでしょう? 完全に負けた後でも往生際悪く文句を言う人が。しかも、誤審でも何でもない、確実な敗北さえ認めない人が。
どうしてそんな人がいるんでしょうね。自分の信じる神様が自身の勝利を約束してくれたからですか? でもその『神様が勝利を約束してくれた』というのは、誰が、どうやって、立証してくれるんですか?
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お腹いっぱい美味しいものを楽しむと、伍長がまたそんなことを。
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言い返す私を、メイミィとラレアトも笑顔で見守ってくれてます。これもただの<じゃれ合い>だって分かってくれてるんですね。震電も、私の声の調子を察してか、怯えたりしませんし。
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