獣人のよろずやさん

京衛武百十

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第四部

欠かせないスタッフ

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そうしてこの日、

「<対ゴヘノヘ用決戦兵器二号機>、完成です!!」

少佐が壇上でそう告げました。前回の<ゴヘノヘ祭>から一年近く。設計だけでその八割を費やしましたけど、だからこそ、一見しただけで明らかに出来が違うものがそこに姿を現したのでした。

となれば早速、二度目の<ゴヘノヘ祭>の準備です。

もっとも、<対ゴヘノヘ用決戦兵器二号機>がおおむね組み上がった時点から祭りの準備も並行して進めていたので、すぐにでも祭を始められる状態になってますけど。

かつて料理対決を行ったレギラとボゼルスに至っては、<対ゴヘノヘ用決戦兵器二号機>の建造中もずっと屋台を出していて、しかもその間にそれぞれ自分が使いやすいように改造していったことで、もはや<出店>や<屋台>ではなく。普通の<店舗>のようになってますね。

これについては私達も、二人の料理の腕を認めたからこそ、いえ、私達だけでなく多くの獣人達が認めたからこそ、それはもう、二人の<店>としてそこで営業することが承諾されたんです。

さらには二人だけでなく、他にも何軒かの店ができています。そちらも同様に営業を承諾しました。

とは言え、やはりまだ貨幣制度は存在ませんので、食材との物々交換という形ですけどね。

ただ、<物々交換>自体は徐々に定着しつつあります。現状では必ず何か物品を持ってきてくれるわけではないものの、そうですね、印象としては七割ほどが<対価>を用意してくれるようになっている感じですか。特に<子供>は順応性が高いからか、ほぼ全員、何らかの<対価>を支払ってくれますね。むしろ、まだ馴染みがないそれなりの年齢がいった大人の方が支払ってくれないことが多いです。

まあこれも、今の時点ではあまり煩く言っても仕方ないでしょう。元々そういう習慣がなかったのですから。それにそういう大人でも、何回目かからは用意してくれるようになる人も多い。

こうして徐々に物々交換の習慣が浸透し、根付いていくんでしょう。今の子供達が大人になればそれこそ。

そうなってくると今度は、出納すいとうを管理しなければいけなくなってきますから、その辺りの処理について学んでいただくことになるでしょうね。それについてはすでにタムテルが一歩先んじています。彼女にはよろずやの在庫管理を一任していて、お客が持ってくる様々な物品を商品化するための管理を行ってくれているんです。

メイミィやトームやフロイと共に、今ではよろずやに欠かせないスタッフということですね。

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