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第四部
二十年ばかり定職に就かず
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カレッジを卒業後、早々に家を出て看護師になった私でしたが、両親はそんな私に対して、
「看護師みたいな低俗な仕事をさせるためにカレッジに通わせたんじゃない」
とことあるごとに口にして、とにかく苛立たせました。だから先にも触れたとおり、私の養育にかかってであろう金額に熨斗を付けて返済してやったんです。
それは看護師時代だけでは終わらず、軍に入隊した以降まで掛かりましたけど。
実を言うと、看護師を辞めてから軍に入るまで二十年ばかり定職に就かずふらふらしていた時期もあったんですけどね。
老化抑制技術の進歩により、地球人類の<健康寿命>は百五十年を超えていました。健康寿命は事実上の<老化抑制処置の効果時間>でもありましたから、百五十年は、健康に働けるわけです。なので、いくつもの職を経験するのは普通のことでした。私のように看護師をした後に、なんと女優になった人もいます。私は芸能界には興味はなかったので目指すことはありませんでしたが、スカウトされたこともあったりしたんですよね。自慢じゃありませんけど。
ただ、あまりに長い人生をどう過ごせばいいのか分からなくなって、いろいろ迷ってた時期であったことは間違いないと思います。看護師をしていた時も、
『これを後、百二十年も続けるのか……』
って考えたら眩暈がしたり。で、耐えられなくなって看護師を辞めて、まあ、<自分探し>みたいなことをしてたわけです。その間については、両親に知られたらそれこそ何を言われるか分からなかったので、ずっと看護師をしてるってことにしてましたけど。
でも家に帰ったりするとそれがバレるので、あちこちを転々としてましたね。スペースコロニーや、月や、火星とかを。
だけど二十年も経つと今度はそんなウジウジした自分が嫌になって、それこそもう半ばヤケクソで軍に志願したんです。自分を変えたくて。
訓練中も何度も『もう辞めよう』『明日辞めよう』『今すぐ脱走しよう』と考えたりしましたが、その度に私を嘲る両親の顔が浮かんで、『あれよりはマシ』と思い直し、晴れて正規の軍人になれたわけです。さすがに自分自身も鍛えられた気がしてましたし。
で、軍人になってしばらくして少佐と出逢って、一目で恋に落ちて、そこから先は少佐と一緒にいたくて続けてた感じですね。その間、テロリストとの戦闘や紛争地帯への派兵も経験し、何度も死ぬ思いもして、実際、死んでもおかしくない負傷もして、その時に少佐に応急処置してもらったりして、一層、少佐への想いを募らせたりして……
……あれ? 話がメチャクチャ逸れてますね。
「看護師みたいな低俗な仕事をさせるためにカレッジに通わせたんじゃない」
とことあるごとに口にして、とにかく苛立たせました。だから先にも触れたとおり、私の養育にかかってであろう金額に熨斗を付けて返済してやったんです。
それは看護師時代だけでは終わらず、軍に入隊した以降まで掛かりましたけど。
実を言うと、看護師を辞めてから軍に入るまで二十年ばかり定職に就かずふらふらしていた時期もあったんですけどね。
老化抑制技術の進歩により、地球人類の<健康寿命>は百五十年を超えていました。健康寿命は事実上の<老化抑制処置の効果時間>でもありましたから、百五十年は、健康に働けるわけです。なので、いくつもの職を経験するのは普通のことでした。私のように看護師をした後に、なんと女優になった人もいます。私は芸能界には興味はなかったので目指すことはありませんでしたが、スカウトされたこともあったりしたんですよね。自慢じゃありませんけど。
ただ、あまりに長い人生をどう過ごせばいいのか分からなくなって、いろいろ迷ってた時期であったことは間違いないと思います。看護師をしていた時も、
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でも家に帰ったりするとそれがバレるので、あちこちを転々としてましたね。スペースコロニーや、月や、火星とかを。
だけど二十年も経つと今度はそんなウジウジした自分が嫌になって、それこそもう半ばヤケクソで軍に志願したんです。自分を変えたくて。
訓練中も何度も『もう辞めよう』『明日辞めよう』『今すぐ脱走しよう』と考えたりしましたが、その度に私を嘲る両親の顔が浮かんで、『あれよりはマシ』と思い直し、晴れて正規の軍人になれたわけです。さすがに自分自身も鍛えられた気がしてましたし。
で、軍人になってしばらくして少佐と出逢って、一目で恋に落ちて、そこから先は少佐と一緒にいたくて続けてた感じですね。その間、テロリストとの戦闘や紛争地帯への派兵も経験し、何度も死ぬ思いもして、実際、死んでもおかしくない負傷もして、その時に少佐に応急処置してもらったりして、一層、少佐への想いを募らせたりして……
……あれ? 話がメチャクチャ逸れてますね。
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