獣人のよろずやさん

第四部

育児でも同じじゃないんですか？

仕事が上手くいかなかった時に、自分の対処が適切でなかったから上手くいかなかった場合に、それを他の誰かの所為にしてていいんですか？　顧客の所為にしててそれで問題が解決するんですか？

それと同じことです、子供は人間ですよ？　人間扱いしなかったことでそれで反発を招いたのなら、それを＜子供の所為＞にしててどうして上手くいくと思えるんですか？　子供が適切な対処をしなかったことで何かに失敗した時、

『それは自分のやり方がマズかっただけだ。他人の所為にするな』

とか言ったりするんじゃないんですか？　だったら親の側も、自分のやり方がマズかったことで上手くいかなかったのなら子供の所為にするのはおかしいじゃないですか。

仕事で失敗した時に自分以外の誰かの所為にしてていいんですか？　そうじゃないと思うのなら、育児でも同じじゃないんですか？　

あ、もしかして、

『育児よりも仕事の方が大変だ！』

って主張するのは、仕事が上手くいかなくても誰かの所為のできないけれど、育児が上手くいかない時には子供の所為にしてしまえるから楽だとでも思ってるんですか？

だとしたら本当に卑劣ですね。もしそう考えているなら心底軽蔑します。

そうじゃないというのなら、『子供は人間じゃない』なんて事実じゃないことを前提にしてるから上手くいかないのを＜子供の所為＞にしちゃいけないと思うんですけどね？

＜親子関係＞だってただの＜人間関係の一つ＞ですよ？　人間関係の築き方を分かってるのなら、子供相手でもその応用に過ぎないはずですけど？　

＜経験が絶対的に不足しているから大人みたいには上手くできないだけの人間＞

なんですから、それを前提にした上で人間として接すればいいだけじゃないですか。私は、リータやメイミィやラレアトや震電と接してきて、それを学ぶことができました。子供は人間です。人間以外の何ものでもないんです。人間として扱わなきゃ上手くいかなくて当然です。

いい歳をした大人がどうしてそんなことも分からないんですか？　何のための人生経験ですか？　もし、自分の親からそれを学んでなかったとしても、だからってできないことを＜親の所為＞にしちゃいけないんでしょう？　だったら自分も親の所為にせずにやれるようにならなきゃダメなんじゃないですか？　『親の所為にするな！』と言うんだったら。

伍長も、必ずしも両親との関係は良好ではなかったそうですけど、だからって両親の所為にせずに、きちんと震電の親をしてますよ。