獣人のよろずやさん

京衛武百十

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第四部

道理に沿った仕上がりになる

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<対ゴヘノヘ用決戦兵器二号機>の建造にしてもそうです。きちんと道理に沿った設計を行い、道理に沿った手順を踏んで組み上げていけば、その道理に沿った仕上がりになる。途中で手を抜けば手を抜いただけのものにしかならないし、筋の通らない工程を経ればそれに見合ったものにしかならない。

当たり前じゃないですか。子供を育てるのだって、

『子供は人間じゃない』

という道理に合わない考えを前提にいくら方法論だけをいじっても、土台がそもそもできてないところに砲台を置くようなもので、傾いたりずれたりするたびにその場しのぎの応急処置で誤魔化すしかなくなる。それをどんなご立派な理屈で繕おうとしても、御託が増えるだけで本質には届かない。

子供は人間で、<経験が不足している未熟な人間>として相応の対応すれば済む話をわざわざややこしく混乱させているだけでしかないんですよ。『子供を躾けて人間にする』なんていうのは。

『人間として接して良好な関係を築く』

というのは、相手を敬い尊重することでしか成立しませんよね? 相手を欺き恫喝し強要して成立させた人間関係なんて、力関係が逆転するだけで崩壊するじゃないですか。

それを裏付ける事例なんて無数にあるのに、どうしてまだ『相手を人間として接する』ことができないんですか? そんなに甘えたいんですか?

ましてや相手は、悪辣な価値観の下でそれを学び習熟してきた<悪辣な人間>というわけでもない、<経験が不足している未熟なだけの人間>ですよ? 子供が吐く嘘や誤魔化し程度で欺かれたりするほど物事が見えてないんですか? 子供の嘘はその場限りの口から出まかせがほとんどで、それをいかにも事実のように見せかけるための欺瞞工作だってまともにできてないでしょう? それすら見抜けない大人って、どんな人生経験を積んできたんですか? 子供の嘘くらい軽々と上回ってみせてこそ大人なんじゃないですか?

それ以前に、子供に嘘を吐かせるという自体がそもそもおかしいですよね。嘘なんか吐けばリスクを負うことになる。どうして子供がわざわざそんなリスクを負わなきゃいけないんですか? それを負わなきゃいけない理由があるからじゃないんですか? なんでそんな理由ができてるんですか?

他者を騙して何を得ようとしてるんですか? 子供が。

震電には伍長や私達を騙して得なくちゃいけないものなんてないですよ? 嘘を吐くことで気を引こうとしなくても伍長はちゃんと震電を見てますし。

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