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第四部
たくさんのことを学びたいと
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私は、そういう親を嫌だと思うから、自分はそういう親にはなりたくないと思うから、震電に対しても、そういう親がするようなことをしたくないんです。
震電の<親>は伍長ですけど、私だって力になろうと思います。他でもない私がそうしたいんです。たとえ尊敬できない親を持った私でも、それ以外では素晴らしい出会いにも恵まれました。大学の教授や、看護師時代の先輩、訓練兵時代の教官。皆さん、私の両親が教えてくれなかったことを教えてくれました。それを震電にも伝えたい。
他者を敬うこと。他者に信頼される自分であることが結局は自分自身にとっても利になること。そして、他者に厳しい人間は実際には自分に甘いだけだということ。
本来なら親が教えるべきことを、私の両親は教えてくれませんでした。
当然ですね、子供を、自身の体裁を取り繕うための道具としか思ってないんですから。そんな面倒臭いことをいちいち教えたくなかったんでしょう。
あの人達は、猫にとってはよい飼い主だったみたいですから、子供なんか作らずに猫だけ飼ってればよかったんでしょうね。
なのに子供なんか作った結果、その子供は、自分達が蔑んでいた軍人になって、挙句、地球から遠く離れた未知の惑星で得体の知れない何かに取り込まれて人間としての生涯を終えたんですから、実に無意味でした。
まあ、老後はロボットが世話してくれるから心配ないでしょうけどね。
ロボットが発展する以前は、老後の世話をさせるために子供を作ったという親もいたそうですが、おかしな話です。だってそうでしょう? 野生の生き物で年老いた親の世話をするようなのが、どれだけいます? 子世帯がそんなことにリソースを割かれてたら社会の損失じゃないですか。
だけど、世の中には、子供から見て『恩を返したい』と思える親もいたでしょうから、すすんでそうしたい人はすればよかったでしょう。でも私は、あの両親の老後の面倒なんて見たいとも思いません。
それをロボットが肩代わりしてくれるんですから、子供にとってはもちろん、素人に過ぎない子供の世話になるよりよっぽど手厚い世話をしてもらえますし、親自身にとってもその方がいいでしょう?
とにかく、<親の体裁を取り繕うための道具>や、<老後の世話係>としか子供を見ない親に、私はなりたくありません。
そのために、震電と伍長からたくさんのことを学びたいと私も思います。
いずれ少佐の子供を育てる時のために。
<震電の親>をやってる時の伍長は本当に参考になります。怒らず、焦らず、具体的な対処を心掛ける、<当たり前の親>としての参考に。
震電の<親>は伍長ですけど、私だって力になろうと思います。他でもない私がそうしたいんです。たとえ尊敬できない親を持った私でも、それ以外では素晴らしい出会いにも恵まれました。大学の教授や、看護師時代の先輩、訓練兵時代の教官。皆さん、私の両親が教えてくれなかったことを教えてくれました。それを震電にも伝えたい。
他者を敬うこと。他者に信頼される自分であることが結局は自分自身にとっても利になること。そして、他者に厳しい人間は実際には自分に甘いだけだということ。
本来なら親が教えるべきことを、私の両親は教えてくれませんでした。
当然ですね、子供を、自身の体裁を取り繕うための道具としか思ってないんですから。そんな面倒臭いことをいちいち教えたくなかったんでしょう。
あの人達は、猫にとってはよい飼い主だったみたいですから、子供なんか作らずに猫だけ飼ってればよかったんでしょうね。
なのに子供なんか作った結果、その子供は、自分達が蔑んでいた軍人になって、挙句、地球から遠く離れた未知の惑星で得体の知れない何かに取り込まれて人間としての生涯を終えたんですから、実に無意味でした。
まあ、老後はロボットが世話してくれるから心配ないでしょうけどね。
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それをロボットが肩代わりしてくれるんですから、子供にとってはもちろん、素人に過ぎない子供の世話になるよりよっぽど手厚い世話をしてもらえますし、親自身にとってもその方がいいでしょう?
とにかく、<親の体裁を取り繕うための道具>や、<老後の世話係>としか子供を見ない親に、私はなりたくありません。
そのために、震電と伍長からたくさんのことを学びたいと私も思います。
いずれ少佐の子供を育てる時のために。
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