349 / 404
第四部
救う価値なし
しおりを挟む
『救う価値なし』
軍人が市民のことをそんな風に思ってると知られたら、それこそ大炎上だったでしょう。特に、
<日がな一日、他者を罵り続けてる人達>
は、
『絶好のサンドバッグを見付けた』
とばかりに攻撃してくるに違いありません。また、日頃から軍などに対して抗議行動をしているような<活動家>達も好機とばかりに、
『やはり軍人なんてこんなものだ!』
と生き生きするでしょうね。
こんな人達のために犠牲になるとか、納得できますか? 少なくとも私は納得なんかできませんよ。ロボットはそんな人達でも無条件に守ってくれますけどね。
でも、<人間>には無理です。だから、
『世界のために犠牲になれ!』
と言われた方がそれに反発したって、親しい人が、
『こんな世界を救うために犠牲に差し出すなんて嫌だ』
って考えて行動したって、何にも不思議じゃないです。
ゆえに、
『他者に対して攻撃的に振る舞わない』
というのは、自分自身の安全保障上、意味のあることなんです。特に、理不尽に他者に攻撃的に振る舞うのは、間違いなく自分自身にとって不利に働く。
なるほど、自分と同じように考える人の尻馬に乗って誰かを罵るのは、気分が高揚するかもしれません。自分が正しいことをしているような気分になれるかもしれません。でもそんなものは、ただの幻です。なんの実態もなければ寄る辺もない、ただの<熱狂>でしかないんです。
冷めれば何も残らない。いえ、<残るもの>はありますか。
『理不尽に誰かを攻撃した』
という事実が残ります。そしてその行いを見ていた人が。
理不尽に誰かを攻撃するような人が、信頼されるわけないじゃないですか。自分はそんな人を信頼できるんですか? 自分と同じ考えでやってた相手のことは、その時点では信頼できても、何か他のことで意見が対立した時、その相手は確実に敵に回って攻撃してきますよ? 当たり前じゃないですか。敵認定されたんなら。
『敵はとにかく叩けばいい』
って考えてるのなら。
自分のやったことが自分に返ってくるなんて、普通のことですよ?
<誰かを理不尽に攻撃できる人間>
なんて、どうやって信頼すればいいんですか? いつ自分に牙を剥いてくるかも分からないのに。
私は、自分の両親を見ていてつくづくそれを実感しました。あの人達は、自身に都合のいい相手には愛想よくしてても、自身に都合の悪い相手には攻撃的なんです。そして、一瞬で掌を返してくる。
昨日まで親しくしていた相手を今日は激しく罵ってる。
こんな人、どこを信頼したらいいんですか?
軍人が市民のことをそんな風に思ってると知られたら、それこそ大炎上だったでしょう。特に、
<日がな一日、他者を罵り続けてる人達>
は、
『絶好のサンドバッグを見付けた』
とばかりに攻撃してくるに違いありません。また、日頃から軍などに対して抗議行動をしているような<活動家>達も好機とばかりに、
『やはり軍人なんてこんなものだ!』
と生き生きするでしょうね。
こんな人達のために犠牲になるとか、納得できますか? 少なくとも私は納得なんかできませんよ。ロボットはそんな人達でも無条件に守ってくれますけどね。
でも、<人間>には無理です。だから、
『世界のために犠牲になれ!』
と言われた方がそれに反発したって、親しい人が、
『こんな世界を救うために犠牲に差し出すなんて嫌だ』
って考えて行動したって、何にも不思議じゃないです。
ゆえに、
『他者に対して攻撃的に振る舞わない』
というのは、自分自身の安全保障上、意味のあることなんです。特に、理不尽に他者に攻撃的に振る舞うのは、間違いなく自分自身にとって不利に働く。
なるほど、自分と同じように考える人の尻馬に乗って誰かを罵るのは、気分が高揚するかもしれません。自分が正しいことをしているような気分になれるかもしれません。でもそんなものは、ただの幻です。なんの実態もなければ寄る辺もない、ただの<熱狂>でしかないんです。
冷めれば何も残らない。いえ、<残るもの>はありますか。
『理不尽に誰かを攻撃した』
という事実が残ります。そしてその行いを見ていた人が。
理不尽に誰かを攻撃するような人が、信頼されるわけないじゃないですか。自分はそんな人を信頼できるんですか? 自分と同じ考えでやってた相手のことは、その時点では信頼できても、何か他のことで意見が対立した時、その相手は確実に敵に回って攻撃してきますよ? 当たり前じゃないですか。敵認定されたんなら。
『敵はとにかく叩けばいい』
って考えてるのなら。
自分のやったことが自分に返ってくるなんて、普通のことですよ?
<誰かを理不尽に攻撃できる人間>
なんて、どうやって信頼すればいいんですか? いつ自分に牙を剥いてくるかも分からないのに。
私は、自分の両親を見ていてつくづくそれを実感しました。あの人達は、自身に都合のいい相手には愛想よくしてても、自身に都合の悪い相手には攻撃的なんです。そして、一瞬で掌を返してくる。
昨日まで親しくしていた相手を今日は激しく罵ってる。
こんな人、どこを信頼したらいいんですか?
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説

異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」

異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

伝説の魔術師の弟子になれたけど、収納魔法だけで満足です
カタナヅキ
ファンタジー
※弟子「究極魔法とかいいので収納魔法だけ教えて」師匠「Σ(゚Д゚)エー」
数十年前に異世界から召喚された人間が存在した。その人間は世界中のあらゆる魔法を習得し、伝説の魔術師と謳われた。だが、彼は全ての魔法を覚えた途端に人々の前から姿を消す。
ある日に一人の少年が山奥に暮らす老人の元に尋ねた。この老人こそが伝説の魔術師その人であり、少年は彼に弟子入りを志願する。老人は寿命を終える前に自分が覚えた魔法を少年に託し、伝説の魔術師の称号を彼に受け継いでほしいと思った。
「よし、収納魔法はちゃんと覚えたな?では、次の魔法を……」
「あ、そういうのいいんで」
「えっ!?」
異空間に物体を取り込む「収納魔法」を覚えると、魔術師の弟子は師の元から離れて旅立つ――
――後にこの少年は「収納魔導士」なる渾名を付けられることになる。

眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。
ゆう
ファンタジー
目が覚めたら森の中。
森をさ迷い、助けられ、森の奥の魔素の多い『森の聖域』の隣村『クルーラ』で暮らすことになるオルガ。
『クルーラ』で暮らしながら、いろんな魔道具に驚き、文字の書き方を教えてもらいながら、少しづつ村に馴染んでいく。
そんな『クルーラ』の収入源は、『森の聖域』の果実や薬草などで作られた魔法薬。『森の聖域』周辺で採取された木で作られた、魔法の原書や魔方陣の本、契約書の用紙として使われている、魔力を含んだ紙『魔力紙(マリョクシ)』。
オルガは勉強するため毎日通っていた村長ヒナキの店で、不要な『魔力紙』が入った収納箱を見つける。
記憶は無いのに、なんとなく手が覚えていて、その『魔力紙』を折り始め、魔力を込めることによって、新たな活用法を見いだしていく。
そして皆の役立つものに…。
手軽に日常生活に使えて、普及するために…。
『クルーラ』と『聖域』で、いろんな魔道具や魔法に出会い、のんびりスローライフをしながら、『魔紙(マシ)』を折って、役立てます。
オルガの『折り魔紙(オリマシ)』の話。
◇森の聖域◇
三年後、『クルーラ』に慣れてきたオルガが、魔法を練習したり、『森の聖域』に入り、お手伝いする話。
◇熊族の町ベイエル◇
オルガが、ベイエルに行って、アレクの家族と買い物したり、勉強したり、果樹園の手伝いをする話。
*****
『神の宿り木』(こっちはBL )と同じ世界の、数年後の『森の聖域』の隣村クラークからの話です。
なので、ちょいちょい『神の宿り木』のメンバーが出てきます。

異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!

愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する
清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。
たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。
神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。
悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
時々おまけのお話を更新しています。
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる