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第四部
快楽だけは得て、責任は負わない
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子供が親に対して、
『生んでくれなんて頼んでない!』
的な厳しい反発を見せた時には、
『酷いことを言う!』
と憤るのに、親が子供に対して、
『生むんじゃなかった』
的な発言をすることについては、
『親だって人間なんだから仕方ない』
と擁護したりもしますよね? でも私は、ここで暮らしてリータやメイミィやラレアトや震電と接してきたからこそ、それがただの<甘え>だとしか感じないんです。
こんな厳しい世界に本人の承諾なく送り出したのは、まぎれもなく親の側の勝手ですよ? 子供の側がそれを望んだんじゃありません。なのに、
『生むんじゃなかった』
『お前なんか私の子じゃない!』
とか、何を言ってるんですか? 自らの行為の責任さえ負えないんですか? そんな人間が<大人>だなんて、よく思い上がれますね? 確かに人間である以上は、心折れる時だってあるでしょう。でもそれは、子供の側だって同じじゃないですか。子供だって人間なんですから心折れることだってあります。その事実を認めることもできない大人なんて、何なんですか?
だったらそもそも<親>になんてならなければいい。親になるような行為なんてしなければいい。
違いますか?
『快楽だけは得て、責任は負わない』
そんな<甘ったれ>が大人とか、笑わせないでください。
ですが同時に、親だって確かに完璧ではいられません。震電のような子供を育てるノウハウもないのに、
『お前が生んだ子供なんだからお前が責任をもって育てろ!』
と一方的に言うだけでは問題は解決しません。だから伍長は、自ら震電を引き取った。自分ならそれができるから。それができる環境を確保できているから。
それが、私や少佐の協力も込みではあっても、私も少佐も望んでそれをしてるんです。伍長は、私や少佐からそれだけの信頼を得る振る舞いをしてきています。それをせずに一方的に協力を得ようとすればなるほど相手にもしてもらえないでしょうが、伍長はそうじゃありません。
私のことを『ビア樽』と呼んだりデリカシーのない振る舞いをするのはちょっとあれですけど、でも、それを差し引いても彼はしっかりと自らの務めは果たしてくれてます。信頼に値する人なんです。
自身が周囲から信頼を勝ち得ていない、自身の力が及ばない部分については力を貸してくれるような味方を確保できていない人間が、
『そんなことできるはずがない!』
などと口にしたって、それは自分の努力が足りない所為じゃないんですか? 他人の所為にしないでください。
『生んでくれなんて頼んでない!』
的な厳しい反発を見せた時には、
『酷いことを言う!』
と憤るのに、親が子供に対して、
『生むんじゃなかった』
的な発言をすることについては、
『親だって人間なんだから仕方ない』
と擁護したりもしますよね? でも私は、ここで暮らしてリータやメイミィやラレアトや震電と接してきたからこそ、それがただの<甘え>だとしか感じないんです。
こんな厳しい世界に本人の承諾なく送り出したのは、まぎれもなく親の側の勝手ですよ? 子供の側がそれを望んだんじゃありません。なのに、
『生むんじゃなかった』
『お前なんか私の子じゃない!』
とか、何を言ってるんですか? 自らの行為の責任さえ負えないんですか? そんな人間が<大人>だなんて、よく思い上がれますね? 確かに人間である以上は、心折れる時だってあるでしょう。でもそれは、子供の側だって同じじゃないですか。子供だって人間なんですから心折れることだってあります。その事実を認めることもできない大人なんて、何なんですか?
だったらそもそも<親>になんてならなければいい。親になるような行為なんてしなければいい。
違いますか?
『快楽だけは得て、責任は負わない』
そんな<甘ったれ>が大人とか、笑わせないでください。
ですが同時に、親だって確かに完璧ではいられません。震電のような子供を育てるノウハウもないのに、
『お前が生んだ子供なんだからお前が責任をもって育てろ!』
と一方的に言うだけでは問題は解決しません。だから伍長は、自ら震電を引き取った。自分ならそれができるから。それができる環境を確保できているから。
それが、私や少佐の協力も込みではあっても、私も少佐も望んでそれをしてるんです。伍長は、私や少佐からそれだけの信頼を得る振る舞いをしてきています。それをせずに一方的に協力を得ようとすればなるほど相手にもしてもらえないでしょうが、伍長はそうじゃありません。
私のことを『ビア樽』と呼んだりデリカシーのない振る舞いをするのはちょっとあれですけど、でも、それを差し引いても彼はしっかりと自らの務めは果たしてくれてます。信頼に値する人なんです。
自身が周囲から信頼を勝ち得ていない、自身の力が及ばない部分については力を貸してくれるような味方を確保できていない人間が、
『そんなことできるはずがない!』
などと口にしたって、それは自分の努力が足りない所為じゃないんですか? 他人の所為にしないでください。
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