獣人のよろずやさん

京衛武百十

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第三部

ラレアトの主張

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こうして、決してメイミィ自身にとっては納得のいく形ではなかったとしても、とにかくよろずやの一員として働いてくれることになりました。

それに続いて、祭の準備も、もうすぐ完了です。すると、ラレアトが、

「モウスグ、オマツリ、オワッチャウ! ビアンカ、ト、イッショ、ニ、イラレナイ!」

言いながら、私に詰め寄ってきました。

「そうだね。でも、会うだけならいつでも会えるよ」

私はなるべく穏やかに応えました。でも彼女は、

「イヤダ! ビアンカ、ト、イッショ、ニ、イタイ!」

駄々っ子のように頭を振りながら拳を振りながら抗議します。もっとも、こうなることは十分に予測できていたので、すでに少佐とも話し合った上で、

「分かった。じゃあ、ラレアトもよろずやで働く?」

と尋ねました。すると彼女は、

「ウン!」

とても嬉しそうに前のめりになって二つ返事で。

そんなこんなで、今度はラレアトの集落に行き、承諾をもらうことに。だけど、

「ダメ、ダ。オマエ、ハ、ワタシタチ、ノ、ナカマ。ワタシタチ、ハ、イッショ。カッテ、ハ、ユルサナイ」

ラレアトの集落のおさは、そうきっぱりと断言しました。メイミィの両親とは正反対の反応です。

「ナンデ!?」

問い掛けるラレアトに、おさは、

「ワタシタチ、マツリ、オワルト、ツギ、ノ、バショ、イク。ラレアト、イッショ、ニ、イク」

祭が終わると共に集落全体で主食の<コミン>を求めて移動することは決定事項であり、ラレアトも仲間である以上は一緒に行かないといけないと告げたんです。

「イヤダ! ワタシ、ビアンカ、ト、イッショ、イイ!」

ラレアトも引き下がろうとしません。けれどおさは、

「コミン、スグ、トレナク、ナル。ラレアト、コミン、タベラレナイ。ソレ、ヨクナイ。ワタシタチ、ラレアト、ミステナイ」

真っ直ぐに彼女を見つめて諭すように言います。

彼女の集落では、同じ兎人とじんでありつつメイミィ達とは違って、主食の<コミン>を食べなければ自分達は健全でいられないと信じられていました。

もっとも、生物的にほぼ違いのないメイミィ達がコミンだけでなく他の植物も主食にしていても何も問題がないことから、そんなに影響はないように私達には思えます。

ただその一方で、地球人でも、人種により体質的に適さない食べ物というのは事実ありますので、もしかするとコミン以外のものを多く食べるというのは負担になるのでは?という可能性も確かに否定はできません。するとラレアトは言ったんです。

「コミン、ジャナイモノ、タベテ、ヘイキ、ダッタ! ワタシ、ズット、コミン、ジャナイモノ、タベテタ!」

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