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第三部
恋愛物語
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恋愛もののフィクションなら、ここがクライマックスになるところでしょう。正直、私にとってはクライマックスなのは事実です。お互いの気持ちを確かめ合って関係が深まれば<恋愛物語>はそこで終わるのが定石なのは私だって分かります。最高にハッピーな気分で終われば見ている側も楽しいのでしょう。
でも、ここでの生活がこれで終わるわけじゃありません。私自身にとっても<区切りの一つ>でしかないんです。むしろ、ここからが本番と言える。
地球人の社会でも、実際にはそこからがスタートですよね。決してゴールじゃない。付き合い始めても、その関係が一生続く例はむしろ少数派でしょうね。
健康寿命が百七十年を超えた地球人の社会では、文字通り、
『一生を同じ相手と添い遂げる』
カップルは、一パーセント代に過ぎないというデータもあります。なぜなら、二十歳から付き合い始めてもそこから百五十年以上の時間があるんです。百五十年も同じ人と付き合い続けることができる人が、果たしてどれだけいるのでしょう?
まあ、少佐が相手なら、私はそれぐらい余裕で付き合える気がしますけど……
だけど、私の周囲でも、永遠の愛を誓った熱烈なカップルが十年ともたずに破局した例は枚挙に暇もありません。それが現実なんです。そして、共に現実と向き合える相手でなければ、長い時間を一緒に過ごすことは難しい。
最初の頃の熱烈な気持ちは、いつか必ず冷めます。二十年三十年のレベルでさえ、その気持ちを持ち続けられるカップルはほとんどいない。なのに人は、<永遠の愛>を誓う。
こう言っては何ですが、実に滑稽ですよね。私も、自称<友達>という人達がそうやって盛り上がって、でも愛が覚めて別れていく様を見ていて、
『バカみたい……』
と思っていたりもしました。
なので私自身、少佐への<想い>は、届かなかったからこそ今まで持ち続けられたのかもしれないと思うことはあります。それがこうして届いてしまったら、私はそれを本当に抱き続けることができるんでしょうか?
持ち続けられると思う。持ち続けられると思いたい。でも、断定はできない。それもまた事実。
だからこそ、今からそれを確かめようと思います。少佐への想いを、私はどこまで持ち続けることができるか……
そう考えれば、やっぱりこれはゴールなんかじゃありませんね。スタートです。
「少佐、よろしくお願いします…!」
私が頭を下げると、
「まだ僕のことを<遥偉>とは呼んでくれないんだね」
少佐は苦笑いを浮かべたのでした。
でも、ここでの生活がこれで終わるわけじゃありません。私自身にとっても<区切りの一つ>でしかないんです。むしろ、ここからが本番と言える。
地球人の社会でも、実際にはそこからがスタートですよね。決してゴールじゃない。付き合い始めても、その関係が一生続く例はむしろ少数派でしょうね。
健康寿命が百七十年を超えた地球人の社会では、文字通り、
『一生を同じ相手と添い遂げる』
カップルは、一パーセント代に過ぎないというデータもあります。なぜなら、二十歳から付き合い始めてもそこから百五十年以上の時間があるんです。百五十年も同じ人と付き合い続けることができる人が、果たしてどれだけいるのでしょう?
まあ、少佐が相手なら、私はそれぐらい余裕で付き合える気がしますけど……
だけど、私の周囲でも、永遠の愛を誓った熱烈なカップルが十年ともたずに破局した例は枚挙に暇もありません。それが現実なんです。そして、共に現実と向き合える相手でなければ、長い時間を一緒に過ごすことは難しい。
最初の頃の熱烈な気持ちは、いつか必ず冷めます。二十年三十年のレベルでさえ、その気持ちを持ち続けられるカップルはほとんどいない。なのに人は、<永遠の愛>を誓う。
こう言っては何ですが、実に滑稽ですよね。私も、自称<友達>という人達がそうやって盛り上がって、でも愛が覚めて別れていく様を見ていて、
『バカみたい……』
と思っていたりもしました。
なので私自身、少佐への<想い>は、届かなかったからこそ今まで持ち続けられたのかもしれないと思うことはあります。それがこうして届いてしまったら、私はそれを本当に抱き続けることができるんでしょうか?
持ち続けられると思う。持ち続けられると思いたい。でも、断定はできない。それもまた事実。
だからこそ、今からそれを確かめようと思います。少佐への想いを、私はどこまで持ち続けることができるか……
そう考えれば、やっぱりこれはゴールなんかじゃありませんね。スタートです。
「少佐、よろしくお願いします…!」
私が頭を下げると、
「まだ僕のことを<遥偉>とは呼んでくれないんだね」
少佐は苦笑いを浮かべたのでした。
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