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第三部
笑って死ねりゃそれでいい
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クローンの件については以前もお話ししたと思いますので詳細は省きますが、とにかく、どれほど法律で禁止されようともクローンを作りそれに自身の人格や記憶を植え付ける形で<永遠の命>を得ようと考える者は後を絶たず、毎年のように摘発されて逮捕される者が出ていました。
その中で、人格や記憶の移植まで成功した例も、あったのだと言います。公式には認められていないそうですが。公式にそれが成功したとなると、それこそ模倣犯が増えるという判断だったのでしょうね。
で、そんな<成功例>については、それこそ一般の社会から隔離された場所で、事実上の軟禁生活を送ることになるそうです。それを実現するために、原則、クローンには人権は認められない。認められないものの、クローン元の人間とはまったくの<別人>として、人間として生きるための教育を施された上で新たに市民権を与えられることはある。
加えて、人格と記憶の移植が成功してしまった事例については、
『クローン元の人間と同一ではない』
という解釈で、人権も与えられず死ぬまで<保護>という名の軟禁生活を送る。
実は、先にお話しした、
<AI排斥主義者達が自分達の理想の世界を築こうとして頓挫し、総合政府によって封鎖されたスペースコロニー>
が、そういうクローンの幽閉場所だという<噂>は、ありましたね。公式には絶対に認められず、あくまで<いわく付き物件>として総合政府の管理下に置かれて、
<AIやロボットの開発に使われる試験場>
だとはされていましたが。
まあその辺は真偽不明の<都市伝説>の類なので別に重要でもありません。いずれにせよ、私達は私達なんです。そして、クレアはクレア。私達の仲間として一緒に暮らしています。
で、よろずやに戻ると、伍長は早速、クレアにも手伝ってもらって、獣蟲の解体を始めました。もうすっかり慣れた作業なので、実に手際よくバラバラにしていきます。そして、獣蟲の臓器などを摘まんではその場で食べてしまうんです。しかも、
「ほらよ」
クレアに向かって差し出すと、彼女も嬉しそうに
「ウン♡」
受け取って躊躇なく食べてしまいます。
いやいや本当に、<寄生虫>とか心配しないんでしょうか? 取り敢えずここまでは無事だったものの、ここから先もとは限らないのに。
確かに、猪人達も獣蟲を捕らえると同じように食べてしまうそうですが。
いやはや、<野生>ということなんでしょうね。
「人間、どうやったって死ぬ時は死ぬ。要はてめえで納得できる人生を送れたかどうかが大事だろ。俺は別に長生きしたいとか思わねえ。好きなもん食って惚れた女を抱いて、笑って死ねりゃそれでいい」
だそうです。
その中で、人格や記憶の移植まで成功した例も、あったのだと言います。公式には認められていないそうですが。公式にそれが成功したとなると、それこそ模倣犯が増えるという判断だったのでしょうね。
で、そんな<成功例>については、それこそ一般の社会から隔離された場所で、事実上の軟禁生活を送ることになるそうです。それを実現するために、原則、クローンには人権は認められない。認められないものの、クローン元の人間とはまったくの<別人>として、人間として生きるための教育を施された上で新たに市民権を与えられることはある。
加えて、人格と記憶の移植が成功してしまった事例については、
『クローン元の人間と同一ではない』
という解釈で、人権も与えられず死ぬまで<保護>という名の軟禁生活を送る。
実は、先にお話しした、
<AI排斥主義者達が自分達の理想の世界を築こうとして頓挫し、総合政府によって封鎖されたスペースコロニー>
が、そういうクローンの幽閉場所だという<噂>は、ありましたね。公式には絶対に認められず、あくまで<いわく付き物件>として総合政府の管理下に置かれて、
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だとはされていましたが。
まあその辺は真偽不明の<都市伝説>の類なので別に重要でもありません。いずれにせよ、私達は私達なんです。そして、クレアはクレア。私達の仲間として一緒に暮らしています。
で、よろずやに戻ると、伍長は早速、クレアにも手伝ってもらって、獣蟲の解体を始めました。もうすっかり慣れた作業なので、実に手際よくバラバラにしていきます。そして、獣蟲の臓器などを摘まんではその場で食べてしまうんです。しかも、
「ほらよ」
クレアに向かって差し出すと、彼女も嬉しそうに
「ウン♡」
受け取って躊躇なく食べてしまいます。
いやいや本当に、<寄生虫>とか心配しないんでしょうか? 取り敢えずここまでは無事だったものの、ここから先もとは限らないのに。
確かに、猪人達も獣蟲を捕らえると同じように食べてしまうそうですが。
いやはや、<野生>ということなんでしょうね。
「人間、どうやったって死ぬ時は死ぬ。要はてめえで納得できる人生を送れたかどうかが大事だろ。俺は別に長生きしたいとか思わねえ。好きなもん食って惚れた女を抱いて、笑って死ねりゃそれでいい」
だそうです。
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