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第三部
実食
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「オイシソウ♡ タベテイイ?」
自分の前に出された<真っ赤な野菜スープ>に、ラレアトが声を上げます。すると、
「イイゾ」
「サキに、タベろ」
レギラだけでなくボゼルスまでそう言いました。『双方の料理が揃ってから実食』という感覚がないからでしょうね。その辺も彼らがいいのであれば私が口出しすることじゃありません。
「ワーイ♡」
ラレアトが子供のように嬉しそうに木を加工して作られた匙を手にして、スープを掬い、「フーッ、フーッ」と息を吹きかけ冷まし、口へと運びました。
「ン! オイシイ~ッ♡」
途端に、ラレアトの感嘆の声。すると彼女は、続けて具だくさんのスープを掬い、モリモリと食べ始めたんです。
その姿がまた可愛らしくて、私も思わず頬が緩みます。
ただ、今回の野菜スープ(厳密には野菜として栽培されているものが材料じゃないので、<野草スープ>と称するのが正しいかもしれませんが)は、残念ながら私達地球人類では消化できない物が多く使われていたので、私は試食できませんが。
しかし、ラレアトの様子を見ていれば、彼女にとっては紛れもなく美味しいものだったんだと分かりますね。ただ、口の周りの毛に赤いスープがつくとまるで血のように見えるのがちょっとあれですが。
そうして一気に食べてしまった時、
「コッチも、デきた」
ボゼルスが声を上げて、トイラを包んだ葉の上を指でつまんで、皿に乗せました。そして、ラレアトの前に置いて葉を開くと、瞬間、ほわっと湯気が立ち上り、同時に、なんとも言えない香りが。
「え…?」
私も思わず声を上げてしまいました。トイラに火を通して食べるのは私達もしていましたが、私達が調理した時よりももっとずっと香りが強かったんです。だからつい、匂いをかぐような仕草をしてしまって。
「このハに、ツツんでヤクと、いいニオイが、する」
ボゼルスが説明してくれました。それは、私達がこれまで利用したことのない葉でした。ボゼルス自身が持ち込んだものだったんです。
「へえ!」
彼が独自に気付いたそれに、私も感心してしまいます。しかも、
「イイニオイ……」
苦手なトイラを出されて難しい表情をしていたラレアトまで、鼻を近付けてふんふんと匂いをかぎます。
さらに、香りだけじゃなく、葉に包まれた状態で蒸し焼きにされたトイラは、まるで鍋で煮たみたいに濡れていて、ゆらゆらと湯気の中で揺らめいていて、本当に美味しそうでした。加えて、見た目にも柔らかそうにトロけているので、別のものにさえ見えます。
「ウ~、チョットダケ……」
完全に彼女の知っているトイラとは違うものになったそれに、ラレアトも興味をそそられたのか、木の匙を近付けていったのでした。
自分の前に出された<真っ赤な野菜スープ>に、ラレアトが声を上げます。すると、
「イイゾ」
「サキに、タベろ」
レギラだけでなくボゼルスまでそう言いました。『双方の料理が揃ってから実食』という感覚がないからでしょうね。その辺も彼らがいいのであれば私が口出しすることじゃありません。
「ワーイ♡」
ラレアトが子供のように嬉しそうに木を加工して作られた匙を手にして、スープを掬い、「フーッ、フーッ」と息を吹きかけ冷まし、口へと運びました。
「ン! オイシイ~ッ♡」
途端に、ラレアトの感嘆の声。すると彼女は、続けて具だくさんのスープを掬い、モリモリと食べ始めたんです。
その姿がまた可愛らしくて、私も思わず頬が緩みます。
ただ、今回の野菜スープ(厳密には野菜として栽培されているものが材料じゃないので、<野草スープ>と称するのが正しいかもしれませんが)は、残念ながら私達地球人類では消化できない物が多く使われていたので、私は試食できませんが。
しかし、ラレアトの様子を見ていれば、彼女にとっては紛れもなく美味しいものだったんだと分かりますね。ただ、口の周りの毛に赤いスープがつくとまるで血のように見えるのがちょっとあれですが。
そうして一気に食べてしまった時、
「コッチも、デきた」
ボゼルスが声を上げて、トイラを包んだ葉の上を指でつまんで、皿に乗せました。そして、ラレアトの前に置いて葉を開くと、瞬間、ほわっと湯気が立ち上り、同時に、なんとも言えない香りが。
「え…?」
私も思わず声を上げてしまいました。トイラに火を通して食べるのは私達もしていましたが、私達が調理した時よりももっとずっと香りが強かったんです。だからつい、匂いをかぐような仕草をしてしまって。
「このハに、ツツんでヤクと、いいニオイが、する」
ボゼルスが説明してくれました。それは、私達がこれまで利用したことのない葉でした。ボゼルス自身が持ち込んだものだったんです。
「へえ!」
彼が独自に気付いたそれに、私も感心してしまいます。しかも、
「イイニオイ……」
苦手なトイラを出されて難しい表情をしていたラレアトまで、鼻を近付けてふんふんと匂いをかぎます。
さらに、香りだけじゃなく、葉に包まれた状態で蒸し焼きにされたトイラは、まるで鍋で煮たみたいに濡れていて、ゆらゆらと湯気の中で揺らめいていて、本当に美味しそうでした。加えて、見た目にも柔らかそうにトロけているので、別のものにさえ見えます。
「ウ~、チョットダケ……」
完全に彼女の知っているトイラとは違うものになったそれに、ラレアトも興味をそそられたのか、木の匙を近付けていったのでした。
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