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第二部
自分の生を
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夜は更けて、獣人達の作業後の余興も、いよいよ<酔っ払い同士のじゃれあい>的なグダグダ感で熱も冷めていき、酔い潰れた者も出てくると、家に帰る者、その場で完全に寝てしまう者、様々となって、自然と<お開き>となります。
その中で、私達は仮にも<責任者>として酔い潰れてしまうわけにもいかず自制していましたが、伍長だけはブオゴとの酒飲み勝負で共に酔い潰れてしまい、しかもクレアも彼に付き合って酔い潰れてしまって。
「まったくもう……」
私は呆れて溜め息を吐きながら、少佐に手伝ってもらってクレアを抱き上げて背負いました。伍長はこのまま放っておきます。猪人と互角の勝負をする彼に狼藉を働こうとするような<命知らず>は、ここにはいませんからね。
でも、クレアだけは念の為、よろずやに連れ帰ります。
ちなみに、よろずやの方は、当面の間、<開店休業状態>です。一応、ノーラのことでここには顔を出し難いトームと、<ゴヘノヘ戦>の際に敵前逃亡してやっぱり顔を出し難いフロイに任せていますけど、実は、特に需要の高い商品についてはここに持ってきて、臨時の<出店>という形で対応してたりも。
レミニィのための<ホコの実>などは欠かせませんからね。獣人達も、それぞれ、商品になる物品を持ち寄ってくれるので、思った以上に本格的な営業になっていたり。これについては、クレアに店番を任せるということで。
本当に、充実した毎日です。地球人の社会のように、生活や生命を保障するためのインフラもない、はっきり言って<死>が身近な世界ではありつつも、なんとも満たされた気分。獣人同士のケンカやいざこざがあっても、殴り合ってへとへとになって酒を飲めば肩を組んで笑い合ってたり。
なんか、いい。なんかいいです。『命を敬う』ということが自然とできる。地球人社会のように便利でなくても、ここには、生きる上で必要な最低限のものは揃ってる。
もちろん、医療などは、<まじない師>のお祈り頼みだったりという面もあったりもしつつ、
『なんか、まあ、それでもいいか』
って思わせられてしまうんですよね。<命の実感>が濃密だからでしょうか。『自分は生きている』という感覚がすごく身近で、<生きるための努力>がダイレクトに効いているのが分かってしまって、不思議と満たされる気がする。
この<祭の準備>も、結局はその一環ということでしょうか。
無論、だからって『いつ死んでもいい』とは思いません。少佐と添い遂げるまでは、彼の子を生んで家庭を築いて幸せな毎日を送って、子供や孫や彼に看取られながら穏やかに最後を迎えるまでは、死んでも死に切れない。
え?
『それは大往生ってもんだろ!』
ですって? はい、その通りですね。
地球人の社会には戻れなくても、地球人でさえなくなっても、私は私。自分の生を精一杯生きたいですから。
その中で、私達は仮にも<責任者>として酔い潰れてしまうわけにもいかず自制していましたが、伍長だけはブオゴとの酒飲み勝負で共に酔い潰れてしまい、しかもクレアも彼に付き合って酔い潰れてしまって。
「まったくもう……」
私は呆れて溜め息を吐きながら、少佐に手伝ってもらってクレアを抱き上げて背負いました。伍長はこのまま放っておきます。猪人と互角の勝負をする彼に狼藉を働こうとするような<命知らず>は、ここにはいませんからね。
でも、クレアだけは念の為、よろずやに連れ帰ります。
ちなみに、よろずやの方は、当面の間、<開店休業状態>です。一応、ノーラのことでここには顔を出し難いトームと、<ゴヘノヘ戦>の際に敵前逃亡してやっぱり顔を出し難いフロイに任せていますけど、実は、特に需要の高い商品についてはここに持ってきて、臨時の<出店>という形で対応してたりも。
レミニィのための<ホコの実>などは欠かせませんからね。獣人達も、それぞれ、商品になる物品を持ち寄ってくれるので、思った以上に本格的な営業になっていたり。これについては、クレアに店番を任せるということで。
本当に、充実した毎日です。地球人の社会のように、生活や生命を保障するためのインフラもない、はっきり言って<死>が身近な世界ではありつつも、なんとも満たされた気分。獣人同士のケンカやいざこざがあっても、殴り合ってへとへとになって酒を飲めば肩を組んで笑い合ってたり。
なんか、いい。なんかいいです。『命を敬う』ということが自然とできる。地球人社会のように便利でなくても、ここには、生きる上で必要な最低限のものは揃ってる。
もちろん、医療などは、<まじない師>のお祈り頼みだったりという面もあったりもしつつ、
『なんか、まあ、それでもいいか』
って思わせられてしまうんですよね。<命の実感>が濃密だからでしょうか。『自分は生きている』という感覚がすごく身近で、<生きるための努力>がダイレクトに効いているのが分かってしまって、不思議と満たされる気がする。
この<祭の準備>も、結局はその一環ということでしょうか。
無論、だからって『いつ死んでもいい』とは思いません。少佐と添い遂げるまでは、彼の子を生んで家庭を築いて幸せな毎日を送って、子供や孫や彼に看取られながら穏やかに最後を迎えるまでは、死んでも死に切れない。
え?
『それは大往生ってもんだろ!』
ですって? はい、その通りですね。
地球人の社会には戻れなくても、地球人でさえなくなっても、私は私。自分の生を精一杯生きたいですから。
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