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第二部
これからが本番です!
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こうして櫓が完成し、いよいよ本来の目的の<ゴヘノヘ御輿>の建造に取り掛かります。
それに向けた獣人達の顔も、楽しげで、かつ、気合が漲っているのが分かりました。
「ビアンカ~♡」
ニャルソだけは相変わらずですが。
「しっ! しっ!!」
敢えて邪険にするのに、彼にはまったく通じません。
「つれないなぁ~。僕はこんなにも君を愛しているのにさ」
とか、抜け抜けと言ってきます。
少佐がそんなニャルソの振る舞いを真に受けないことだけが救いです。こんなことで少佐が私と彼の関係を邪推するようなことがあったら、私は冷静ではいられないかもしれません。少佐なら大丈夫なのは分かっているんですが、それでも、ね。
物語的にはそういう形で<イベント>が生じた方が面白いのかもしれないにしても、当事者にとってはたまったものではないです。
一方、
「お前みたいなののどこがいいんだろうな…」
クレアと並んだ伍長が、呆れたように言いました。
『ホントに、あなたって人は、どうしてそう……!』
思わず拳を握り締めてしまいますが、我慢我慢。
彼にとってはこれも私との<レクリエーション>の一つでしかないのは分かってるんです。分かってるんですけどね……!
そんな私達にはお構いなしで、それぞれの部族の<まじない師>達による<安全祈願の祈祷>も滞りなく終わり、
「では! これより<ゴヘノヘ御輿>の建造に取り掛かる!」
少佐の号令。
「おおーっ!!」
獣人達の雄叫びと共に、作業が開始されます。
<部品>については、ここまでの間にほぼ揃っていました。後は、実際に組み上げていって、その都度、不具合などを確かめて調整していくだけです。
ただし、<対ゴヘノヘ用決戦兵器の演習用の的>として十分なものを作り上げないといけないのですから、櫓を作るのとはわけが違うのも事実。いくら<対ゴヘノヘ用決戦兵器を作り上げた経験>があるといっても、簡単に済ますことはできません。
大人がようやく抱えられるような丸太を、猪人達が次々と櫓の中へと運び込み、台座に設置します。<ゴヘノヘ御輿>の基本フレームとなる部分です。
ロボットも重機もない、あるのは木製のクレーンだけというここで、猪人達がいなかったらこの作業だけでも何日も要したでしょうね。
ブオゴも、さすがに伍長との<レクリエーション>そっちのけで、率先して力を発揮してくれました。
兎人や鼠人達は、隣の作業場で、残りの<部品>の仕上げに余念がありません。
そこに、メイミィ、レミニィ、ラレアトの姿も。それぞれの職人達に食事や水を配る仕事をしてくれているんです。
さあ、これからが本番です!
それに向けた獣人達の顔も、楽しげで、かつ、気合が漲っているのが分かりました。
「ビアンカ~♡」
ニャルソだけは相変わらずですが。
「しっ! しっ!!」
敢えて邪険にするのに、彼にはまったく通じません。
「つれないなぁ~。僕はこんなにも君を愛しているのにさ」
とか、抜け抜けと言ってきます。
少佐がそんなニャルソの振る舞いを真に受けないことだけが救いです。こんなことで少佐が私と彼の関係を邪推するようなことがあったら、私は冷静ではいられないかもしれません。少佐なら大丈夫なのは分かっているんですが、それでも、ね。
物語的にはそういう形で<イベント>が生じた方が面白いのかもしれないにしても、当事者にとってはたまったものではないです。
一方、
「お前みたいなののどこがいいんだろうな…」
クレアと並んだ伍長が、呆れたように言いました。
『ホントに、あなたって人は、どうしてそう……!』
思わず拳を握り締めてしまいますが、我慢我慢。
彼にとってはこれも私との<レクリエーション>の一つでしかないのは分かってるんです。分かってるんですけどね……!
そんな私達にはお構いなしで、それぞれの部族の<まじない師>達による<安全祈願の祈祷>も滞りなく終わり、
「では! これより<ゴヘノヘ御輿>の建造に取り掛かる!」
少佐の号令。
「おおーっ!!」
獣人達の雄叫びと共に、作業が開始されます。
<部品>については、ここまでの間にほぼ揃っていました。後は、実際に組み上げていって、その都度、不具合などを確かめて調整していくだけです。
ただし、<対ゴヘノヘ用決戦兵器の演習用の的>として十分なものを作り上げないといけないのですから、櫓を作るのとはわけが違うのも事実。いくら<対ゴヘノヘ用決戦兵器を作り上げた経験>があるといっても、簡単に済ますことはできません。
大人がようやく抱えられるような丸太を、猪人達が次々と櫓の中へと運び込み、台座に設置します。<ゴヘノヘ御輿>の基本フレームとなる部分です。
ロボットも重機もない、あるのは木製のクレーンだけというここで、猪人達がいなかったらこの作業だけでも何日も要したでしょうね。
ブオゴも、さすがに伍長との<レクリエーション>そっちのけで、率先して力を発揮してくれました。
兎人や鼠人達は、隣の作業場で、残りの<部品>の仕上げに余念がありません。
そこに、メイミィ、レミニィ、ラレアトの姿も。それぞれの職人達に食事や水を配る仕事をしてくれているんです。
さあ、これからが本番です!
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