182 / 404
第二部
これからが本番です!
しおりを挟む
こうして櫓が完成し、いよいよ本来の目的の<ゴヘノヘ御輿>の建造に取り掛かります。
それに向けた獣人達の顔も、楽しげで、かつ、気合が漲っているのが分かりました。
「ビアンカ~♡」
ニャルソだけは相変わらずですが。
「しっ! しっ!!」
敢えて邪険にするのに、彼にはまったく通じません。
「つれないなぁ~。僕はこんなにも君を愛しているのにさ」
とか、抜け抜けと言ってきます。
少佐がそんなニャルソの振る舞いを真に受けないことだけが救いです。こんなことで少佐が私と彼の関係を邪推するようなことがあったら、私は冷静ではいられないかもしれません。少佐なら大丈夫なのは分かっているんですが、それでも、ね。
物語的にはそういう形で<イベント>が生じた方が面白いのかもしれないにしても、当事者にとってはたまったものではないです。
一方、
「お前みたいなののどこがいいんだろうな…」
クレアと並んだ伍長が、呆れたように言いました。
『ホントに、あなたって人は、どうしてそう……!』
思わず拳を握り締めてしまいますが、我慢我慢。
彼にとってはこれも私との<レクリエーション>の一つでしかないのは分かってるんです。分かってるんですけどね……!
そんな私達にはお構いなしで、それぞれの部族の<まじない師>達による<安全祈願の祈祷>も滞りなく終わり、
「では! これより<ゴヘノヘ御輿>の建造に取り掛かる!」
少佐の号令。
「おおーっ!!」
獣人達の雄叫びと共に、作業が開始されます。
<部品>については、ここまでの間にほぼ揃っていました。後は、実際に組み上げていって、その都度、不具合などを確かめて調整していくだけです。
ただし、<対ゴヘノヘ用決戦兵器の演習用の的>として十分なものを作り上げないといけないのですから、櫓を作るのとはわけが違うのも事実。いくら<対ゴヘノヘ用決戦兵器を作り上げた経験>があるといっても、簡単に済ますことはできません。
大人がようやく抱えられるような丸太を、猪人達が次々と櫓の中へと運び込み、台座に設置します。<ゴヘノヘ御輿>の基本フレームとなる部分です。
ロボットも重機もない、あるのは木製のクレーンだけというここで、猪人達がいなかったらこの作業だけでも何日も要したでしょうね。
ブオゴも、さすがに伍長との<レクリエーション>そっちのけで、率先して力を発揮してくれました。
兎人や鼠人達は、隣の作業場で、残りの<部品>の仕上げに余念がありません。
そこに、メイミィ、レミニィ、ラレアトの姿も。それぞれの職人達に食事や水を配る仕事をしてくれているんです。
さあ、これからが本番です!
それに向けた獣人達の顔も、楽しげで、かつ、気合が漲っているのが分かりました。
「ビアンカ~♡」
ニャルソだけは相変わらずですが。
「しっ! しっ!!」
敢えて邪険にするのに、彼にはまったく通じません。
「つれないなぁ~。僕はこんなにも君を愛しているのにさ」
とか、抜け抜けと言ってきます。
少佐がそんなニャルソの振る舞いを真に受けないことだけが救いです。こんなことで少佐が私と彼の関係を邪推するようなことがあったら、私は冷静ではいられないかもしれません。少佐なら大丈夫なのは分かっているんですが、それでも、ね。
物語的にはそういう形で<イベント>が生じた方が面白いのかもしれないにしても、当事者にとってはたまったものではないです。
一方、
「お前みたいなののどこがいいんだろうな…」
クレアと並んだ伍長が、呆れたように言いました。
『ホントに、あなたって人は、どうしてそう……!』
思わず拳を握り締めてしまいますが、我慢我慢。
彼にとってはこれも私との<レクリエーション>の一つでしかないのは分かってるんです。分かってるんですけどね……!
そんな私達にはお構いなしで、それぞれの部族の<まじない師>達による<安全祈願の祈祷>も滞りなく終わり、
「では! これより<ゴヘノヘ御輿>の建造に取り掛かる!」
少佐の号令。
「おおーっ!!」
獣人達の雄叫びと共に、作業が開始されます。
<部品>については、ここまでの間にほぼ揃っていました。後は、実際に組み上げていって、その都度、不具合などを確かめて調整していくだけです。
ただし、<対ゴヘノヘ用決戦兵器の演習用の的>として十分なものを作り上げないといけないのですから、櫓を作るのとはわけが違うのも事実。いくら<対ゴヘノヘ用決戦兵器を作り上げた経験>があるといっても、簡単に済ますことはできません。
大人がようやく抱えられるような丸太を、猪人達が次々と櫓の中へと運び込み、台座に設置します。<ゴヘノヘ御輿>の基本フレームとなる部分です。
ロボットも重機もない、あるのは木製のクレーンだけというここで、猪人達がいなかったらこの作業だけでも何日も要したでしょうね。
ブオゴも、さすがに伍長との<レクリエーション>そっちのけで、率先して力を発揮してくれました。
兎人や鼠人達は、隣の作業場で、残りの<部品>の仕上げに余念がありません。
そこに、メイミィ、レミニィ、ラレアトの姿も。それぞれの職人達に食事や水を配る仕事をしてくれているんです。
さあ、これからが本番です!
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。



転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる