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第二部
他人任せに
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私がそんなことを考えている間にも<祭>の準備は着々と進みました。
もちろん、初めてのことなのでそれなりに混乱があったことも事実です。組み立ての手順を間違えてクレーンの一つが倒壊したりもしました。
でも、全体で見ると、初めてにしては順調だったと言って差し支えないと感じるんです。
獣人達は皆、それぞれ、楽しげに、それでいて勤勉に、自分の役目を果たそうとしてくれました。
山猫人などは、正直、不真面目そうに見えつつも、それ自体が彼らの<習性>ですので、こちらの感覚を一方的に押し付けても上手くはいきません。彼らを<無知で愚かな蛮族>と捉えるのは、私達地球人側の<思い上がり>なのです。
『それぞれが違う』
ということを認めなかったことで何が起こったか、私達は知っています。それを知りながら対処しないのは、<怠惰>以外の何物でもないでしょう。そんなことでどうして彼ら獣人達を<無知で愚かな蛮族>と蔑めるのでしょうか?
『知りながら、分かっていながら、なのに何もしない』
そんな行いの方がよっぽど<愚か>ではありませんか?
こんなことを言ってると、
『説教臭い!』
と言われるでしょうね。しかし、私はこうも思うのです。
『生きるために必要なことを論じるのを『説教臭い』と軽んじること自体が、怠惰なのではないか?』
と。
考えたくない方は考えなくてもいいのかも知れませんが、しかし、人類全体がそれでいいとお考えでしょうか? 人類の行く末を誰か任せにしてそれで自分はただ遊興にふけっている。
それで本当にいいのでしょうか?
『他人任せにする』
のであれば、その他人が、自分のあずかり知らないところで勝手に重要なことを決めてしまっても、文句は言えないと思いますよ?
ですが、ここまで言っても、自分では考えようとせず他人任せにしようとする人はいるでしょう。いえ、『います』。それは紛れもない現実です。人間社会を治める立場の人間は、その事実も認めた上で運営しなければいけません。
社会を維持するためのリソースが十分でなかった頃ならそういう怠惰な人間達は『切り捨てる』という選択もあったとしても、それが十分に確保されている現在では許されません。
なにより、
<『理由さえあれば人を殺してもいい』という概念>
を否定しているのですから、切り捨てられれば生きていけないことが分かっていて切り捨てることはできません。そもそも、AIがそれを許さないでしょう。
とはいえ、
<他人が、自分のあずかり知らないところで勝手に重要なことを決めてしまうリスク>
が消えないのも事実でしょうね。
ここが、将来、どういう社会を築いていくかは私達には分かりませんが、それぞれの<習性>は尊重しつつ、重要なことはしっかりと自分達で決めていってくださればと思う次第です。
もちろん、初めてのことなのでそれなりに混乱があったことも事実です。組み立ての手順を間違えてクレーンの一つが倒壊したりもしました。
でも、全体で見ると、初めてにしては順調だったと言って差し支えないと感じるんです。
獣人達は皆、それぞれ、楽しげに、それでいて勤勉に、自分の役目を果たそうとしてくれました。
山猫人などは、正直、不真面目そうに見えつつも、それ自体が彼らの<習性>ですので、こちらの感覚を一方的に押し付けても上手くはいきません。彼らを<無知で愚かな蛮族>と捉えるのは、私達地球人側の<思い上がり>なのです。
『それぞれが違う』
ということを認めなかったことで何が起こったか、私達は知っています。それを知りながら対処しないのは、<怠惰>以外の何物でもないでしょう。そんなことでどうして彼ら獣人達を<無知で愚かな蛮族>と蔑めるのでしょうか?
『知りながら、分かっていながら、なのに何もしない』
そんな行いの方がよっぽど<愚か>ではありませんか?
こんなことを言ってると、
『説教臭い!』
と言われるでしょうね。しかし、私はこうも思うのです。
『生きるために必要なことを論じるのを『説教臭い』と軽んじること自体が、怠惰なのではないか?』
と。
考えたくない方は考えなくてもいいのかも知れませんが、しかし、人類全体がそれでいいとお考えでしょうか? 人類の行く末を誰か任せにしてそれで自分はただ遊興にふけっている。
それで本当にいいのでしょうか?
『他人任せにする』
のであれば、その他人が、自分のあずかり知らないところで勝手に重要なことを決めてしまっても、文句は言えないと思いますよ?
ですが、ここまで言っても、自分では考えようとせず他人任せにしようとする人はいるでしょう。いえ、『います』。それは紛れもない現実です。人間社会を治める立場の人間は、その事実も認めた上で運営しなければいけません。
社会を維持するためのリソースが十分でなかった頃ならそういう怠惰な人間達は『切り捨てる』という選択もあったとしても、それが十分に確保されている現在では許されません。
なにより、
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とはいえ、
<他人が、自分のあずかり知らないところで勝手に重要なことを決めてしまうリスク>
が消えないのも事実でしょうね。
ここが、将来、どういう社会を築いていくかは私達には分かりませんが、それぞれの<習性>は尊重しつつ、重要なことはしっかりと自分達で決めていってくださればと思う次第です。
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