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第二部
自分のミスや過ちを省みられない人に
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世の中には、相手を怒鳴って威嚇して、時には暴力を振るって従わせることこそが正しいと考える方もいますが、本気でそれがそれが正しいと思ってるのでしょうか? 自分がそれをされて嬉しいのでしょうか?
パワハラ上司から受けるストレスを解消するためにわざわざ給料の中から代金を払って酒を飲み、あまつさえ泥酔して道端に嘔吐したり他人に迷惑を掛けたり、そんな社会が本当に正しいのですか?
ここでも飲酒の習慣はありますが、概ね、楽しげに飲んでいますよね。お酒を飲むにしても、そういう形で楽しめる方がいいと思いませんか?
ここはまだ、そういう形で楽しいお酒を楽しめる世界なんです。それを、わざわざ仕事で得た給料で仕事のストレスを解消するなどというマッチポンプをしなければならないような社会にするというのは、<悪>ではありませんか?
私達は、ここにかつての地球人の悪しき習慣を再現するつもりはないんです。
だから、怒鳴って殴って従属を求めるようなことは推奨しません。
それだけの話です。
伍長がブオゴ達とやってることは、ただの<レクリエーション>。相手を服従させることが目的ではないんです。
というのは私も分かってるんですが、やっぱりああいうのは苦手です。クレアやトームやフロイは怖がってますし。
さりとて、あれ自体が猪人達にとってのレクリエーションでもあるので、それを私達が強引にやめさせるというのも違うのでしょう。
何より、猪人達は暴力で他の獣人達を迫害してるわけでもありません。
かつては鼠人達や兎人達を捕食していたのも、あくまで生きるために必要だったというだけのこと。それを責めるつもりもない。
私達にそれを責める資格もありません。
それを改めて胸に刻みつつ、私はゆったりとお風呂で寛ぎました。明日以降も、するべきことは山ほどあります。
それに備えて心と体を休めるのも、立派な役目。必要な時に必要なパフォーマンスを発揮できないでは意味がありません。
少佐もそれを徹底しています。だからこそ信頼できる。
そこに、
「おい! ビア樽! あとどれくらい掛かる?」
デリカシーの欠片もない伍長の声。
「もうすぐ上がります!」
ついそう声を上げてしまいましたが、本当は好ましくはないんですよね。ただ、これも結局はレクリエーションみたいなものなので、あまり四角四面に捉える必要もないのでしょう。大事なのは、正当化しないこと。
自分のミスや過ちを省みられない人に冷静な判断ができるはずもありませんから。
パワハラ上司から受けるストレスを解消するためにわざわざ給料の中から代金を払って酒を飲み、あまつさえ泥酔して道端に嘔吐したり他人に迷惑を掛けたり、そんな社会が本当に正しいのですか?
ここでも飲酒の習慣はありますが、概ね、楽しげに飲んでいますよね。お酒を飲むにしても、そういう形で楽しめる方がいいと思いませんか?
ここはまだ、そういう形で楽しいお酒を楽しめる世界なんです。それを、わざわざ仕事で得た給料で仕事のストレスを解消するなどというマッチポンプをしなければならないような社会にするというのは、<悪>ではありませんか?
私達は、ここにかつての地球人の悪しき習慣を再現するつもりはないんです。
だから、怒鳴って殴って従属を求めるようなことは推奨しません。
それだけの話です。
伍長がブオゴ達とやってることは、ただの<レクリエーション>。相手を服従させることが目的ではないんです。
というのは私も分かってるんですが、やっぱりああいうのは苦手です。クレアやトームやフロイは怖がってますし。
さりとて、あれ自体が猪人達にとってのレクリエーションでもあるので、それを私達が強引にやめさせるというのも違うのでしょう。
何より、猪人達は暴力で他の獣人達を迫害してるわけでもありません。
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それを改めて胸に刻みつつ、私はゆったりとお風呂で寛ぎました。明日以降も、するべきことは山ほどあります。
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「おい! ビア樽! あとどれくらい掛かる?」
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「もうすぐ上がります!」
ついそう声を上げてしまいましたが、本当は好ましくはないんですよね。ただ、これも結局はレクリエーションみたいなものなので、あまり四角四面に捉える必要もないのでしょう。大事なのは、正当化しないこと。
自分のミスや過ちを省みられない人に冷静な判断ができるはずもありませんから。
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