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貴重な資源
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「状況終了。警戒レベルを第一段階に戻す」
私がメイミィと顔を合わせたところに、少佐が戻ってきてそう告げました。獣蟲の対応が終了したという意味ですね。
「よかった。もう大丈夫だよ。メイミィ」
少佐の言葉を受けて私がメイミィに言うと、彼女もホッとした様子で、
「ウン…」
と応えました。
「それじゃ続けてで申し訳ないが、彼女を送り届けてくれないか? ビアンカ」
少佐に指示され、私は、
「はい!」
と応じます。このくらいなら私も全然問題ありませんし。
「じゃ、家の近くまで送るよ」
「アリガトウ」
普段は流暢に話すことができる彼女ですが、咄嗟の時や緊張してる時などは、上手く話せないこともあります。今回もこうして獣蟲に遭遇したことでたどたどしくなってしまってるのでしょう。そんなメイミィと一緒に店を出たところで、
「お、ごくろうさん」
相堂伍長と鉢合わせます。思いっきり戦えたことですっきりしたような笑顔でした。
その彼の肩には、獣蟲の姿。倒したそれを捕獲して持ち帰ったのです。加工して<商品>にするために。
危険な外敵でもある獣蟲ですが、同時に貴重な資源でもあります。
その強靭な外皮は、私達や獣人達が身に着ける防具の部品になったり、綺麗な部分はアクセサリーになったり、肉は燻製にして保存食にしたり、丈夫な腱も防具を作るための紐代わりに使われます。
体液はバンゴ達<まじない師>が呪いをする時の材料にもなりますね。基本、無駄にすることはありません。
「……」
さすがにメイミィは獣蟲の死体に怯えますが、私と一緒だからなんとか大丈夫なようです。
しっかりとしがみつく彼女を伴って、オイルランプを手にして、私はすっかり暗くなった森へと入っていきました。
ちなみにこのオイルランプも、獣蟲の<目>の部分を使って作られています。火と熱に強く、さすがに精度の高いガラスには劣るとは言えそれなりの透明度もあるので、ちょうどいいんですよね。
これも<よろずや>の商品の一つです。それまでは焚き火と松明で灯りを取っていた獣人達も、格段に使い勝手のいいこれを今では重宝してくれています。
なお、メイミィは自分達の食料となる野草の採取中に獣蟲に遭遇してしまったようですね。
獣蟲に襲われそうになりながらも彼女はしっかりとバッグに野草を詰めていました。それを大事そうに抱えながら、私と一緒に夜道を歩きます。
彼女にとっては大切な家族を養うための食料ですから、慌てていたってそうそう手放すこともできないのでしょう。
こうして今度はメイミィを集落まで送り届け、ようやく今日の仕事を終えたのでした。
私がメイミィと顔を合わせたところに、少佐が戻ってきてそう告げました。獣蟲の対応が終了したという意味ですね。
「よかった。もう大丈夫だよ。メイミィ」
少佐の言葉を受けて私がメイミィに言うと、彼女もホッとした様子で、
「ウン…」
と応えました。
「それじゃ続けてで申し訳ないが、彼女を送り届けてくれないか? ビアンカ」
少佐に指示され、私は、
「はい!」
と応じます。このくらいなら私も全然問題ありませんし。
「じゃ、家の近くまで送るよ」
「アリガトウ」
普段は流暢に話すことができる彼女ですが、咄嗟の時や緊張してる時などは、上手く話せないこともあります。今回もこうして獣蟲に遭遇したことでたどたどしくなってしまってるのでしょう。そんなメイミィと一緒に店を出たところで、
「お、ごくろうさん」
相堂伍長と鉢合わせます。思いっきり戦えたことですっきりしたような笑顔でした。
その彼の肩には、獣蟲の姿。倒したそれを捕獲して持ち帰ったのです。加工して<商品>にするために。
危険な外敵でもある獣蟲ですが、同時に貴重な資源でもあります。
その強靭な外皮は、私達や獣人達が身に着ける防具の部品になったり、綺麗な部分はアクセサリーになったり、肉は燻製にして保存食にしたり、丈夫な腱も防具を作るための紐代わりに使われます。
体液はバンゴ達<まじない師>が呪いをする時の材料にもなりますね。基本、無駄にすることはありません。
「……」
さすがにメイミィは獣蟲の死体に怯えますが、私と一緒だからなんとか大丈夫なようです。
しっかりとしがみつく彼女を伴って、オイルランプを手にして、私はすっかり暗くなった森へと入っていきました。
ちなみにこのオイルランプも、獣蟲の<目>の部分を使って作られています。火と熱に強く、さすがに精度の高いガラスには劣るとは言えそれなりの透明度もあるので、ちょうどいいんですよね。
これも<よろずや>の商品の一つです。それまでは焚き火と松明で灯りを取っていた獣人達も、格段に使い勝手のいいこれを今では重宝してくれています。
なお、メイミィは自分達の食料となる野草の採取中に獣蟲に遭遇してしまったようですね。
獣蟲に襲われそうになりながらも彼女はしっかりとバッグに野草を詰めていました。それを大事そうに抱えながら、私と一緒に夜道を歩きます。
彼女にとっては大切な家族を養うための食料ですから、慌てていたってそうそう手放すこともできないのでしょう。
こうして今度はメイミィを集落まで送り届け、ようやく今日の仕事を終えたのでした。
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