45 / 404
竪穴式住居
しおりを挟む
これらの推測を立証するための手段が今の私達にはありませんので想像の域を出ないものでしかありませんが、正直、立証する必要性も今は感じていません。
私も少佐も、そして相堂伍長も、今、自分達の目の前にある事実を基にただ日々を過ごすだけです。
現実を拒んでもその先に待っているのは破綻だけですから。
クラレスが現実を受け止められずに精神を破綻させたように。
その後、クラレスも現実を受け入れられたことで精神の安定を取り戻し、穏やかに暮らせるようになりました。
そんなことを思い出しつつ、日が暮れ始めた森の中を、ラレアトと一緒に歩きます。
獣人達は、種族ごとに小さな集落を作って生活しています。
この周囲には、猪人、山羊人、兎人、山猫人の他にもいくつかの種族がそれぞれ集落を作っているようですね。
また、メイミィとラレアトは、共に兎人ではありながらも厳密には別の種族であるように、実は結構、複雑なようで。
そうこうしているうちにラレアト達の集落に到着し、
「マタ~♡」
「またね♡」
仲間のところに戻っていく彼女に手を振りました。
ラレアト達は、主食となる植物を求めて季節により居留地を転々とする方の兎人だということもあってか、家は、深さ一メートルほどの穴に植物を編み上げて作った屋根を被せた、いわゆる<竪穴式住居>と呼ばれるものの一種で、その中でも比較的簡易なタイプなのだと思われます。
穴を掘るのはやはり<兎>としての性質があるということでしょうか。
もう少しすると次の居留地に移動することになるはずです。基本的に場所は決まっているものの離れている間に家は傷んでしまうので、その度に作り直すとのこと。それもあってすぐに作れるタイプなのでしょう。
一方、メイミィ達の種族の方は、基本的に一年に亘って収穫が見込まれる植物を主食としていることもあって一箇所に定住しています。だから住居ももう少し手の込んだ造りでしたね。
なお、ラレアトは、私達人間の感覚で言うと子供のようにも見えるものの、実際に年齢もまだ十歳を過ぎたところであるものの、彼らの間ではすでに<若者>とか<青年>といったカテゴリになるらしく、必ずしも親の庇護の下にいるわけじゃないので、一人で出掛けるのも普通のようでした。
だから本来ならこうやって送り届ける必要もなかったのですが、その一方でまだまだ子供っぽさは抜けない時期でもあるので、甘えたくなる時もあるようですね。
私も少佐も、そして相堂伍長も、今、自分達の目の前にある事実を基にただ日々を過ごすだけです。
現実を拒んでもその先に待っているのは破綻だけですから。
クラレスが現実を受け止められずに精神を破綻させたように。
その後、クラレスも現実を受け入れられたことで精神の安定を取り戻し、穏やかに暮らせるようになりました。
そんなことを思い出しつつ、日が暮れ始めた森の中を、ラレアトと一緒に歩きます。
獣人達は、種族ごとに小さな集落を作って生活しています。
この周囲には、猪人、山羊人、兎人、山猫人の他にもいくつかの種族がそれぞれ集落を作っているようですね。
また、メイミィとラレアトは、共に兎人ではありながらも厳密には別の種族であるように、実は結構、複雑なようで。
そうこうしているうちにラレアト達の集落に到着し、
「マタ~♡」
「またね♡」
仲間のところに戻っていく彼女に手を振りました。
ラレアト達は、主食となる植物を求めて季節により居留地を転々とする方の兎人だということもあってか、家は、深さ一メートルほどの穴に植物を編み上げて作った屋根を被せた、いわゆる<竪穴式住居>と呼ばれるものの一種で、その中でも比較的簡易なタイプなのだと思われます。
穴を掘るのはやはり<兎>としての性質があるということでしょうか。
もう少しすると次の居留地に移動することになるはずです。基本的に場所は決まっているものの離れている間に家は傷んでしまうので、その度に作り直すとのこと。それもあってすぐに作れるタイプなのでしょう。
一方、メイミィ達の種族の方は、基本的に一年に亘って収穫が見込まれる植物を主食としていることもあって一箇所に定住しています。だから住居ももう少し手の込んだ造りでしたね。
なお、ラレアトは、私達人間の感覚で言うと子供のようにも見えるものの、実際に年齢もまだ十歳を過ぎたところであるものの、彼らの間ではすでに<若者>とか<青年>といったカテゴリになるらしく、必ずしも親の庇護の下にいるわけじゃないので、一人で出掛けるのも普通のようでした。
だから本来ならこうやって送り届ける必要もなかったのですが、その一方でまだまだ子供っぽさは抜けない時期でもあるので、甘えたくなる時もあるようですね。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
聖女の地位も婚約者も全て差し上げます〜LV∞の聖女は冒険者になるらしい〜
みおな
ファンタジー
ティアラ・クリムゾンは伯爵家の令嬢であり、シンクレア王国の筆頭聖女である。
そして、王太子殿下の婚約者でもあった。
だが王太子は公爵令嬢と浮気をした挙句、ティアラのことを偽聖女と冤罪を突きつけ、婚約破棄を宣言する。
「聖女の地位も婚約者も全て差し上げます。ごきげんよう」
父親にも蔑ろにされていたティアラは、そのまま王宮から飛び出して家にも帰らず冒険者を目指すことにする。
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
新国家サナリア王国は、超大国ガルナズン帝国の使者からの宣告により、国家存亡の危機に陥る。
アーリア大陸を二分している超大国との戦いは、全滅覚悟の死の戦争である。
だからこそ、サナリア王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るために、サナリア王が判断した人物。
それが第一王子である【フュン・メイダルフィア】だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことが出来ないだろうと、彼は帝国の人質となってしまったのだ。
しかし、この人質がきっかけとなり、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
他サイトにも書いています。
こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。
小説だけを読める形にしています。
ダンジョンが出現して世界が変わっても、俺は準備万端で世界を生き抜く
ごま塩風味
ファンタジー
人間不信になり。
人里離れた温泉旅館を買い取り。
宝くじで当たったお金でスローライフを送るつもりがダンジョンを見付けてしまう、しかし主人公はしらなかった。
世界中にダンジョンが出現して要る事を、そして近いうちに世界がモンスターで溢れる事を、しかし主人公は知ってしまった。
だが主人公はボッチで誰にも告げず。
主人公は一人でサバイバルをしようと決意する中、人と出会い。
宝くじのお金を使い着々と準備をしていく。
主人公は生き残れるのか。
主人公は誰も助け無いのか。世界がモンスターで溢れる世界はどうなるのか。
タイトルを変更しました
異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜
はくまい
ファンタジー
ひょんなことから異世界へと転生した少女、江西奏は、全く知らない場所で目が覚めた。
目の前には小さなお家と、周囲には森が広がっている。
家の中には一通の手紙。そこにはこの世界を救ってほしいということが書かれていた。
この世界は十人の魔女によって支配されていて、奏は最後に召喚されたのだが、宛先に奏の名前ではなく、別の人の名前が書かれていて……。
「人違いじゃないかー!」
……奏の叫びももう神には届かない。
家の外、柵の向こう側では聞いたこともないような獣の叫ぶ声も響く世界。
戻る手だてもないまま、奏はこの家の中で使えそうなものを探していく。
植物に愛された奏の異世界新生活が、始まろうとしていた。
千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜
君影 ルナ
ファンタジー
伝説の魔女は孤独だった。魔法の才能がありすぎたからだ。
「次の人生は……人に囲まれたいのぅ……」
そう言って死んでいった伝説の魔女が次に目覚めた時には赤ちゃんになっていた!?
これは転生なのだと気がついた伝説の魔女の生まれ変わり、レタアちゃんは決めた。今度こそ孤独死しない!と。
魔法の才能がありすぎて孤独になったのだから、今度は出来損ないを演じる必要があると考えたレタアちゃん。しかし、出来損ないを演じすぎて家を追い出されてしまう。
「あれ、またワシひとりぼっちなのか!? それは不味い! どうにかせねば!」
これは魔法の天才が出来損ないを演じながら今世の目標「孤独死しない」を達成するために奮闘するお話。
──
※なろう、ノベプラ、カクヨムにも重複投稿し始めました。
※書き溜めているわけでもないので、不定期且つのんびりペースで投稿します。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
スキル【海】ってなんですか?
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
スキル【海】ってなんですか?〜使えないユニークスキルを貰った筈が、海どころか他人のアイテムボックスにまでつながってたので、商人として成り上がるつもりが、勇者と聖女の鍵を握るスキルとして追われています〜
※書籍化準備中。
※情報の海が解禁してからがある意味本番です。
我が家は代々優秀な魔法使いを排出していた侯爵家。僕はそこの長男で、期待されて挑んだ鑑定。
だけど僕が貰ったスキルは、謎のユニークスキル──〈海〉だった。
期待ハズレとして、婚約も破棄され、弟が家を継ぐことになった。
家を継げる子ども以外は平民として放逐という、貴族の取り決めにより、僕は父さまの弟である、元冒険者の叔父さんの家で、平民として暮らすことになった。
……まあ、そもそも貴族なんて向いてないと思っていたし、僕が好きだったのは、幼なじみで我が家のメイドの娘のミーニャだったから、むしろ有り難いかも。
それに〈海〉があれば、食べるのには困らないよね!僕のところは近くに海がない国だから、魚を売って暮らすのもいいな。
スキルで手に入れたものは、ちゃんと説明もしてくれるから、なんの魚だとか毒があるとか、そういうことも分かるしね!
だけどこのスキル、単純に海につながってたわけじゃなかった。
生命の海は思った通りの効果だったけど。
──時空の海、って、なんだろう?
階段を降りると、光る扉と灰色の扉。
灰色の扉を開いたら、そこは最近亡くなったばかりの、僕のお祖父さまのアイテムボックスの中だった。
アイテムボックスは持ち主が死ぬと、中に入れたものが取り出せなくなると聞いていたけれど……。ここにつながってたなんて!?
灰色の扉はすべて死んだ人のアイテムボックスにつながっている。階段を降りれば降りるほど、大昔に死んだ人のアイテムボックスにつながる扉に通じる。
そうだ!この力を使って、僕は古物商を始めよう!だけど、えっと……、伝説の武器だとか、ドラゴンの素材って……。
おまけに精霊の宿るアイテムって……。
なんでこんなものまで入ってるの!?
失われし伝説の武器を手にした者が次世代の勇者って……。ムリムリムリ!
そっとしておこう……。
仲間と協力しながら、商人として成り上がってみせる!
そう思っていたんだけど……。
どうやら僕のスキルが、勇者と聖女が現れる鍵を握っているらしくて?
そんな時、スキルが新たに進化する。
──情報の海って、なんなの!?
元婚約者も追いかけてきて、いったい僕、どうなっちゃうの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる