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家憑き童子の章
お互いの呼吸
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寝ている洸を抱いたまま帰宅したさくらは、エンディミオンに鍵を開けてもらって家に入った。
昨日は、
『片付けは明日以降』
と言ったものの、今日は洸をアオのところに朝から連れて行ってそのままだったので、結局、ほとんど何もできていない。だからリビングは荷物に埋もれたままだ。
仕方ないのでソファーにタオルケットを敷いてもらって洸を寝かせ、さらにタオルケットを掛けてもらった。寒さはまだそれほどでもないので、これで十分だろう。
それにしてもよく眠っている。野生の狼だとこんなに眠りこけていて大丈夫なのかと思うが、危険が迫れば叩き起こされるだろうから、子供のうちは別にいいのかもしれない。
洸はアオとミハエルがお風呂にも入れてくれてるのでもういいとして、さくらとエンディミオンだけでお風呂に入った。
「ありがとう。助かってる」
体を洗いながらさくらはエンディミオンに言った。カバンを持ってくれたり家の鍵を開けてくれたりしたことについてだった。
「別に…気にするな……」
隣で体を洗いながら、不愛想に応える彼に、さくらは微笑んでしまう。いつも通りの彼だからだ。
エンディミオンは体を洗うと早々に出ていってしまったが、さくらは湯船に浸かってゆっくりと体を寛がせた。
それから上がると、洸とエンディミオンの姿がリビングにない。
『あれ…?』
と思いながらリビングの照明を消して三階の寝室へ行くと、昨日と同じ位置に洸が寝かされていて、エンディミオンは寝室のテレビを見ていた。リビングのそれに比べるとずっと小さいが、寝室にもテレビが設置されていたのである。
「ありがとう」
洸を起こさないようにさくらは小さな声で礼を言った。洸をベッドまで運んでくれたことについてだった。しかし彼は、
「ああ……」
とやはり素っ気ない。
それからさくらはドライヤーで髪を乾かし、ドレッサーの前でスキンケアを行い、ようやくベッドに横になった。
するとエンディミオンもテレビを消して、おもむろにベッドに入ってくる。
「おやすみ」
「…おやすみ」
最後に挨拶を交わして、二人は就寝した。
まるで長年連れ添った老夫婦のようにお互いの呼吸が分かっているやり取りだったと言えるかもしれない。
それから眠りに落ちたさくらは、再び夢を見た。
『あ…これは夢だな…』
と自然と思えた。
まるで昨日の夢の続きのように、今度はあの住居兼工房らしき家の居間にさくらはいた。
そこでは、やはりエリカというあの少女と、秋生という青年とが、朝食らしき食事を摂っているところなのだった。
昨日は、
『片付けは明日以降』
と言ったものの、今日は洸をアオのところに朝から連れて行ってそのままだったので、結局、ほとんど何もできていない。だからリビングは荷物に埋もれたままだ。
仕方ないのでソファーにタオルケットを敷いてもらって洸を寝かせ、さらにタオルケットを掛けてもらった。寒さはまだそれほどでもないので、これで十分だろう。
それにしてもよく眠っている。野生の狼だとこんなに眠りこけていて大丈夫なのかと思うが、危険が迫れば叩き起こされるだろうから、子供のうちは別にいいのかもしれない。
洸はアオとミハエルがお風呂にも入れてくれてるのでもういいとして、さくらとエンディミオンだけでお風呂に入った。
「ありがとう。助かってる」
体を洗いながらさくらはエンディミオンに言った。カバンを持ってくれたり家の鍵を開けてくれたりしたことについてだった。
「別に…気にするな……」
隣で体を洗いながら、不愛想に応える彼に、さくらは微笑んでしまう。いつも通りの彼だからだ。
エンディミオンは体を洗うと早々に出ていってしまったが、さくらは湯船に浸かってゆっくりと体を寛がせた。
それから上がると、洸とエンディミオンの姿がリビングにない。
『あれ…?』
と思いながらリビングの照明を消して三階の寝室へ行くと、昨日と同じ位置に洸が寝かされていて、エンディミオンは寝室のテレビを見ていた。リビングのそれに比べるとずっと小さいが、寝室にもテレビが設置されていたのである。
「ありがとう」
洸を起こさないようにさくらは小さな声で礼を言った。洸をベッドまで運んでくれたことについてだった。しかし彼は、
「ああ……」
とやはり素っ気ない。
それからさくらはドライヤーで髪を乾かし、ドレッサーの前でスキンケアを行い、ようやくベッドに横になった。
するとエンディミオンもテレビを消して、おもむろにベッドに入ってくる。
「おやすみ」
「…おやすみ」
最後に挨拶を交わして、二人は就寝した。
まるで長年連れ添った老夫婦のようにお互いの呼吸が分かっているやり取りだったと言えるかもしれない。
それから眠りに落ちたさくらは、再び夢を見た。
『あ…これは夢だな…』
と自然と思えた。
まるで昨日の夢の続きのように、今度はあの住居兼工房らしき家の居間にさくらはいた。
そこでは、やはりエリカというあの少女と、秋生という青年とが、朝食らしき食事を摂っているところなのだった。
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