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ほのぼのの章
現実の一部分
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世の多くの人は、自身にとって何も不都合なことが起こらないことを平和や平穏だと考えているかもしれないが、そのようなことはおそらくフィクションの中にしか存在しないし、そしてそのフィクションでさえ、現実の一部分でしかないのである。
故に、フィクションそのものが、常に自身にとって都合のいいものでは有り得ない。
自分にとって都合のいいフィクションしか存在しない現実など、有り得ないのだ。
アオは言う。
「よく、
『フィクションを読んだり見たりする時にわざわざ現実と同じような嫌なものを見たい奴なんていないだろ』
みたいなことを言うのがいるが、それ、ただの<逃避>だからな?
『クソな現実に疲れてるからこそフィクションに癒しを求めるんだ』
などと、それのどこが現実を受け止められているというんだ。
そうやって現実を受け止められないからこそ、ちょっと気に入らないことがあるだけで他人に罵詈雑言をぶつけずにいられなくなる。
現実を受け止められていれば、些細な『気にらないこと』など、どうということもないのではないのか?
こう言うと、
『フィクションに癒しを求めて何が悪い!?』
とか言うのも出るだろう。
別に、癒しを求めるのが悪いと言ってるのではない。
『フィクションでさえ、現実の一部でしかないという現実』
から目を背けてるからおかしなことになるんだと言いたいだけだ。
自分を癒してくれるフィクションを求めるのは構わない。何を目的にフィクションに触れようとするかは個人の自由だろう。
だが、提供されるすべてのフィクションが自分に都合のいいものでないと許せないなどというのは、甘えが過ぎるというだけでしかないんだ。
何のために<選択の自由>というものがあると思ってるんだ。世に溢れる無数のフィクションの中から自身の好みに合うものを選択できるのに、なぜわざわざ好みに合わないものを見て文句を言うのだ?
誰がお前にそうすることを強要した? 誰もしとらんだろう?
にも拘らず、
『嫌なものを見せられた自分は被害者だ』
と言わんばかりにゴネまくるのがいる。
だが、冷静になって考えてみるんだな。別に強要されたわけでもないものを自ら選択して見ておいて被害者面するその様が、他人の目からはどう見えるかということを。
そんなことをする人間の<内面>などロクなものじゃないと、自ら証明してみせているではないか。
そのようなことをしておいて、
『他人は自分の内面を見てくれない』
などと、どの口が言うのやら。その<内面>が思いっ切り透けて見えているではないか」
そんなアオの姿を思い出しながら、さくらは、エンディミオンとの暮らしを楽しんでいる自分を改めて自覚するのだった。
故に、フィクションそのものが、常に自身にとって都合のいいものでは有り得ない。
自分にとって都合のいいフィクションしか存在しない現実など、有り得ないのだ。
アオは言う。
「よく、
『フィクションを読んだり見たりする時にわざわざ現実と同じような嫌なものを見たい奴なんていないだろ』
みたいなことを言うのがいるが、それ、ただの<逃避>だからな?
『クソな現実に疲れてるからこそフィクションに癒しを求めるんだ』
などと、それのどこが現実を受け止められているというんだ。
そうやって現実を受け止められないからこそ、ちょっと気に入らないことがあるだけで他人に罵詈雑言をぶつけずにいられなくなる。
現実を受け止められていれば、些細な『気にらないこと』など、どうということもないのではないのか?
こう言うと、
『フィクションに癒しを求めて何が悪い!?』
とか言うのも出るだろう。
別に、癒しを求めるのが悪いと言ってるのではない。
『フィクションでさえ、現実の一部でしかないという現実』
から目を背けてるからおかしなことになるんだと言いたいだけだ。
自分を癒してくれるフィクションを求めるのは構わない。何を目的にフィクションに触れようとするかは個人の自由だろう。
だが、提供されるすべてのフィクションが自分に都合のいいものでないと許せないなどというのは、甘えが過ぎるというだけでしかないんだ。
何のために<選択の自由>というものがあると思ってるんだ。世に溢れる無数のフィクションの中から自身の好みに合うものを選択できるのに、なぜわざわざ好みに合わないものを見て文句を言うのだ?
誰がお前にそうすることを強要した? 誰もしとらんだろう?
にも拘らず、
『嫌なものを見せられた自分は被害者だ』
と言わんばかりにゴネまくるのがいる。
だが、冷静になって考えてみるんだな。別に強要されたわけでもないものを自ら選択して見ておいて被害者面するその様が、他人の目からはどう見えるかということを。
そんなことをする人間の<内面>などロクなものじゃないと、自ら証明してみせているではないか。
そのようなことをしておいて、
『他人は自分の内面を見てくれない』
などと、どの口が言うのやら。その<内面>が思いっ切り透けて見えているではないか」
そんなアオの姿を思い出しながら、さくらは、エンディミオンとの暮らしを楽しんでいる自分を改めて自覚するのだった。
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