JC邪神の超常的な日常

京衛武百十

文字の大きさ
上 下
485 / 562
最終章

プラズマ

しおりを挟む
そのままガンシップは地上に向かって急降下し、やがて火柱となって消えた。墜落し、爆発炎上したのだ。そしてホゥブルネェフ共の黒雲は、こちらに向かって押し寄せた。ええい、鬱陶しい!

私は髪を巨大な口にして周りにいた化生共を食らってエネルギーに変え、空中に跳び上がり、ホゥブルネェフ共目掛けて直径数十メートルのバカでかいプラズマの火球を放ってやった。

プラズマ自体は数万度、そこから放たれる熱線だけで半径数百メートル内の生物はもれなく焼け死ぬレベルだ。数万匹はいた奴らは見る間に炎に包まれ、プラズマに触れた奴はそれこそ一瞬で蒸発して消え失せた。これだと地上にいた人間もただでは済まんが、ここまで来たらもう構ってはいられん。

プラズマの火球とそれに焼かれるホゥブルネェフ共の炎により、まるで太陽が現れたかのように周囲が明るく照らされた。これを目撃した人間共はさぞかし肝を冷やしただろう。貴様らの武器ではこれほどの威力を持つものは限られてるからな。

しかも、まだ戦車による砲撃は続いていたが、私の結界に阻まれてただの花火のように夜を彩るだけでしかない。

この間にも、ナハトムと私の影共により、化生共は片付けられていく。

だが出し物はまだこれで終わりではなかった。

「む…?」

今度は地響きを立てて地面が揺れる。地下を巨大な何かが移動しているのが分かった。それが通り過ぎたらしい部分は大きく陥没していく。

『ふん、あれか…』

私には思い当たるものがあった。地面を突き破り現れたそれは、私の予測通りのものだった。ケネリクラヌェイアレの女王だ。見た目はバカでかいモグラだが、こいつも飛び切り狂暴な奴だ。しかも兵隊共を私達に殺されて激しく興奮している。

こいつは目が見えないので、ぶちキレると周囲の振動を感知して取り敢えず動くものには何でも襲い掛かる。鋭い鉤爪の付いたシャベルのような手を振り回し、周りにいた化生共もお構いなしに薙ぎ払う。まるで癇癪を起こした駄々っ子だ。手が付けられんな。

なので、一切の手加減はなしだ。遊びもなしだ。鼻っ柱に拳をくれてやり、同時にこいつそのものを激しく振動させてやる。すると一瞬で巨大な体が炎に包まれた。こいつの体自体を超振動させて温度を上げ、内部をプラズマ化させてやったのだ。こうすれば後は自分の内側からこんがりと焼かれるという訳だ。

ギビルキニュイヌの女王含め、自身の肉体を自ら超振動させることで普通の生物では不可能な運動能力を得ているタイプの奴はそれをコントロールできるので通じん攻撃方法だが、

単体で出てきたならもう少しゆっくり相手してやっても良かったんだが、いかんせん今回は数が多い。図体がデカいだけの雑魚など丁寧に相手してやる時間はないのだ。

しおりを挟む

処理中です...