JC邪神の超常的な日常

京衛武百十

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夏休みの章

正直、どうでもいい

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ここのところも何だかんだとあったが、正直、大したことでもなく、ただの賑やかしで終わっているというのが実感だな。

私にちょっかいをかけているらしい奴の尻尾も掴めんし。

まあ、これらの賑やかし自体が<ちょっかい>の一部分であるという可能性も否定はできないが。

そもそも、<スーパーケモケモ大戦ブラックΣ>での私の最初の推測でも分かるとおり、実は明確な確証があって言ってるわけではないただの思い付きということも多いのだ。

だから、あの一件が貴志騨一成きしだかずしげの妄想であるという推測が大外れだったというようなことも往々にしてある。

本音で言えば、その辺りの推測など当たってようが外れてようがどうでもいいのだ。

私にとっては暇潰しになりさえすればな。

以前にも言ったが、死ねないというのは、存外、つまらんものだぞ。人間に生まれ変わるようになり何度も生と死を繰り返すようになってますますそれを実感した。

死があればこそ生が輝くのだ。死がなければそもそも生きているとは言えん。

だから私は、生きてはいない。

生きていない者は生きている者を本当には理解できん。生命を作り出すことができても、それは理解しているとは言わん。

と、私は思う。

何てことを考えているのは、今、暇だからだ。

なので、山下沙奈やましたさなに付き合って、警察の事情聴取に応じている。と言っても、もちろん私は意識を繋げているだけだが。

山下沙奈は、自分がされてきたことを克明に女性警官に語って聞かせた。

その描写があまりに生々しく緻密なので、女性警官の方が精神的に疲弊しているのが分かる。山下沙奈が経験したことを頭の中で追体験している状態だな。場合によってはPTSDすら発症しかねんやつだ。

たまりかねて、

「じゃ、じゃあ、山下さん。少し休憩しましょうか」

と、女性警官の方が音を上げて休憩を申し出てしまう始末だった。

『どうだ。疲れたか?』

意識を繋げた状態で私が問い掛けると、山下沙奈は、

『いえ、大丈夫です。先輩がついててくれるから』

などと殊勝なことを口にした(もちろん意識の中でだが)。

既にこいつにとって私は崇拝の対象のようだ。

まあ、崇拝されることには慣れているから今さら何とも思わんが、人間というのはそうやって弱い己を支えようとするのだな。

それがまた面白くもある。

そういう部分を利用されることも多いというのに、懲りん奴らだ。

古今、洋の東西を問わず信仰心を利用されて破滅した事例などそれこそ枚挙に暇もない。

にも拘らず肥土透ひどとおるの母親のようにまんまとハマる。

まったく。いつになったらそういうのがなくなるのかね。

ま、私にとっては、正直、どうでもいい話だがな。

どちらかと言えば利用する側だし。

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