絵里奈の独白

京衛武百十

文字の大きさ
上 下
194 / 255

日記

しおりを挟む
ぬいぐるみを机に並べた後、沙奈子ちゃんは日記を書いてた。学校の宿題だった。

『今日は、お父さんとお母さんとれいなおねえちゃんと私とで水ぞくかんへ行きました。さいしょにイルカさんを見ました。イルカさんのジャンプはすごく高くてびっくりしました。ボールとかとばすのもすごくじょうずですごいと思いました。イルカさんのあとは、ヘビさんとかおおさんしょううおさんとか見ました。かわいかったです。ちょうちんあんこうさんもかわいかったです。水ぞくかんのパンやさんでイルカさんのパンをかいました。かわいそうでたべられないと思いましたけど、たべたらすごくおいしかったです。ペンギンさんとアザラシさんもオットセイさんもかわいかったです』

って感じの、本当に楽しかったのが伝わってくる日記だった。それからなんと、勉強もちゃんとしてた。すごいなあ。

夕食はお鍋にした。実は昨日、あれば便利ということでカセットコンロも買ってきてたのだった。さっそくそれが役に立った。

コタツに入って四人で囲むお鍋は、本当に美味しかった。みんなでお鍋をつつくというのがすごくよかった。特に、沙奈子ちゃんと玲那が楽しそうだったのが胸にズンってきた。それだけで何だか込み上げてきちゃう。

夕食の後片付けを私と沙奈子ちゃんとでした。彼女は何も言わなくても当たり前に手伝ってくれた。彼も手伝おうとしてくれたけど、さすがにキッチンが狭いから鍋とカセットコンロの片付けだけしてもらった。

それからお風呂。また、沙奈子ちゃんは私と一緒に入ってくれた。嬉しい。

ちなみに私と沙奈子ちゃんがお風呂に入ってる間、玲那はまた彼の膝に座ってたけど、昨日みたいな気持ちにはならなかった。もうこれでいいかって正直思えた。玲那にとっては『お父さん』だもんね。いっぱい、甘えさせてもらって。

お風呂の後はドレス作り。疲れてるかなと思ったのに沙奈子ちゃんの意欲はぜんぜん衰えてなかった。

それでも、九時を過ぎた頃、沙奈子ちゃんが大きな欠伸をした。さすがに疲れが出たんだと思った。

まだ時間は早かったけど、なんとなくもういいかっていう気分になって、みんなで寝ることになった。九時半だけど。でも、それでよかった。沙奈子ちゃんの生活パターンに合わせたかったから。

やっぱり私の胸に顔をうずめる彼女を抱いてると、すぐに寝息を立て始めた。その様子に、思わず三人で笑顔になる。だけど彼にくっついてた玲那もあっという間に眠ってしまったみたい。

そして私と彼も、不思議とすんなり眠れてしまったのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

処理中です...