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いよいよ今日
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翌日は文化の日で休みだったから何となくそわそわした気分を感じながらも一日を過ごして、さらに翌日金曜日。
いよいよ今日だ。
「いよいよ今日ですね」
お昼休みに達さんが向かいに座ると、私はさっそく声を上げてしまった。すると玲那が隣でニヤニヤと嬉しそうに笑ってた。
なによ、その目は…!。
なんてことを考えてると彼が、
「それで、絵…山田さんはいつまでいることになるのかな?」
って訊いてくる。また『絵里奈』って言いかけたのが分かって顔が熱くなるのを感じてしまった。それでも何とか気を取り直して、
「月曜日の朝まで、いるつもりですよ」
と返す。すると彼が軽く驚いた感じの表情になって訊き返してくれた。
「でも、人形のこととか大丈夫なのかな?」
私達だけじゃなくて志緒里のことも気にかけてくれるなんて…。
とはその時思ったけど、よくよく考えてみたら志緒里のことを気にかけてる私のことを案じてくれたんだなって後になって分かった。
まあでもそれはさておき、この時の私はニッコニコで、
「はい、だから志緒里も一緒にということで」
なんて上機嫌で応えてた。
そんな私に彼は、
「じゃあ、人形のことはいいとして、お風呂とか着替えとかはどうする?。あの部屋、見ての通りそういうの全く考えられてないから」
って。
そう、彼の部屋は、それがあったんだ。私の部屋も脱衣所なんて洗濯機を入れたらロクに身動きも取れないようなものだけど一応はあるのに比べ、彼の部屋はドアを開けたら部屋の奥まで殆ど丸見えのワンルーム。脱衣所さえない。だから着替えとかは、場合によっては彼がいるところですることになる。
さらに顔が熱くなるのを感じながら、私は言った。
「沙奈子ちゃんの家に行くんですから、その辺りはもう分ってます。玲那からも聞いてます。大丈夫です。私が合わせます。覚悟してます…!」
うん、そうなんだ。覚悟はしてる。ちゃんとした…!。彼にだったら見られても平気…!。
たぶん……。
そしたら玲那がすっごくニヤニヤしながら、
「そうそう。私達がお邪魔するんだもん。気を遣わせちゃダメだよね」
だって。
なにおう!?
あなたがそれ言う!?。泣きながら彼に縋りついたり、『ぎゅってして』とか言ってたりしてたっていうあなたが!?。
ふ~んだ!。
だけど…。
だけど、なんだかいいな、この感じ。どんどん近くなっていってる。私と玲那の空間に、彼がすごく自然に存在してるんだ……。
いよいよ今日だ。
「いよいよ今日ですね」
お昼休みに達さんが向かいに座ると、私はさっそく声を上げてしまった。すると玲那が隣でニヤニヤと嬉しそうに笑ってた。
なによ、その目は…!。
なんてことを考えてると彼が、
「それで、絵…山田さんはいつまでいることになるのかな?」
って訊いてくる。また『絵里奈』って言いかけたのが分かって顔が熱くなるのを感じてしまった。それでも何とか気を取り直して、
「月曜日の朝まで、いるつもりですよ」
と返す。すると彼が軽く驚いた感じの表情になって訊き返してくれた。
「でも、人形のこととか大丈夫なのかな?」
私達だけじゃなくて志緒里のことも気にかけてくれるなんて…。
とはその時思ったけど、よくよく考えてみたら志緒里のことを気にかけてる私のことを案じてくれたんだなって後になって分かった。
まあでもそれはさておき、この時の私はニッコニコで、
「はい、だから志緒里も一緒にということで」
なんて上機嫌で応えてた。
そんな私に彼は、
「じゃあ、人形のことはいいとして、お風呂とか着替えとかはどうする?。あの部屋、見ての通りそういうの全く考えられてないから」
って。
そう、彼の部屋は、それがあったんだ。私の部屋も脱衣所なんて洗濯機を入れたらロクに身動きも取れないようなものだけど一応はあるのに比べ、彼の部屋はドアを開けたら部屋の奥まで殆ど丸見えのワンルーム。脱衣所さえない。だから着替えとかは、場合によっては彼がいるところですることになる。
さらに顔が熱くなるのを感じながら、私は言った。
「沙奈子ちゃんの家に行くんですから、その辺りはもう分ってます。玲那からも聞いてます。大丈夫です。私が合わせます。覚悟してます…!」
うん、そうなんだ。覚悟はしてる。ちゃんとした…!。彼にだったら見られても平気…!。
たぶん……。
そしたら玲那がすっごくニヤニヤしながら、
「そうそう。私達がお邪魔するんだもん。気を遣わせちゃダメだよね」
だって。
なにおう!?
あなたがそれ言う!?。泣きながら彼に縋りついたり、『ぎゅってして』とか言ってたりしてたっていうあなたが!?。
ふ~んだ!。
だけど…。
だけど、なんだかいいな、この感じ。どんどん近くなっていってる。私と玲那の空間に、彼がすごく自然に存在してるんだ……。
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