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幸せだからこそ
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『沙奈子は幸せすぎておねしょをするようになったんじゃないかって…』
そう言った彼の話に、私と玲那はしっかりと耳を傾けた。大事なことを話してくれてるんだと思ったから。
「それを聞いて、僕は本当にほっとしたよ。沙奈子が幸せだから逆におねしょをするようになってしまったんだったら、むしろ喜ぶべきじゃないかって。
おねしょは確かに困ったことだけど、精神的なものだったら、成長とともにいつかは治るって。ぼくはただ、それを信じて待ってればいいんだって」
彼の言葉に、私は胸の中がホワっとなるのを感じてた。彼の優しさが、彼の懐の深さが表れてるって思えたから。
そんな彼を、沙奈子ちゃんが見上げてた。
「私、お父さん大好き。お父さんとずっといっしょにいたい。お父さんといっしょじゃなきゃヤダ……」
縋るみたいにして言った彼女の言葉は、共感しかなかった。沙奈子ちゃんがそう言うのは当然だと思った。すると彼も、彼女をそっと抱き締めて応えた。
「僕も、沙奈子が大好きだよ。愛してる」
『愛してる』
ともすれば嘘くさくて恥ずかしいだけのそのフレーズが彼の口から自然にこぼれたことで、私は胸がいっぱいになってしまった。ぶわって込み上げるものが我慢できなくて、溢れそうになってしまった。また泣いてしまいそうになってるのが恥ずかしいのに抑え切れない。
それと同時に、言葉も…。
「そうですよね。幸せ過ぎて沙奈子ちゃん自身がびっくりしてしまったんですよね。私もそう思います。
大丈夫ですよ。私も、小学校の高学年までおねしょしてたっていう人に会ったことあります。その人も辛いことがあって夜尿症になってしまってて、でも自然に治ったって言ってました。沙奈子ちゃんもきっと大丈夫です…!」
私に続いて玲那も、
「そうですそうです。私なんて、お酒の飲み過ぎで大人になってからおねしょしましたから!」
と前のめりになって力説してた。
……?。
…て、あれ…?。そこまでぶっちゃけてよかったの、玲那…?。
言ってしまってから数瞬経って、自分が何を口走ったのか気付いてしまったらしくて、玲那の顔がみるみる真っ赤になっていくのが分かった。
「ごめんなさい!、このことはどうか内密に~!」
とか何とか言いながら、殆ど土下座みたいにして彼女は平伏してた。耳まで真っ赤にして。
そんな玲那に山下さんは苦笑しつつ言ってくれる。
「大丈夫、誰にも言わないよ。言う相手もいないし」
つくづく彼の優しさが沁みた。沙奈子ちゃんが幸せすぎておねしょするようになったって言うのなら、それも当然かもしれない。
そう言った彼の話に、私と玲那はしっかりと耳を傾けた。大事なことを話してくれてるんだと思ったから。
「それを聞いて、僕は本当にほっとしたよ。沙奈子が幸せだから逆におねしょをするようになってしまったんだったら、むしろ喜ぶべきじゃないかって。
おねしょは確かに困ったことだけど、精神的なものだったら、成長とともにいつかは治るって。ぼくはただ、それを信じて待ってればいいんだって」
彼の言葉に、私は胸の中がホワっとなるのを感じてた。彼の優しさが、彼の懐の深さが表れてるって思えたから。
そんな彼を、沙奈子ちゃんが見上げてた。
「私、お父さん大好き。お父さんとずっといっしょにいたい。お父さんといっしょじゃなきゃヤダ……」
縋るみたいにして言った彼女の言葉は、共感しかなかった。沙奈子ちゃんがそう言うのは当然だと思った。すると彼も、彼女をそっと抱き締めて応えた。
「僕も、沙奈子が大好きだよ。愛してる」
『愛してる』
ともすれば嘘くさくて恥ずかしいだけのそのフレーズが彼の口から自然にこぼれたことで、私は胸がいっぱいになってしまった。ぶわって込み上げるものが我慢できなくて、溢れそうになってしまった。また泣いてしまいそうになってるのが恥ずかしいのに抑え切れない。
それと同時に、言葉も…。
「そうですよね。幸せ過ぎて沙奈子ちゃん自身がびっくりしてしまったんですよね。私もそう思います。
大丈夫ですよ。私も、小学校の高学年までおねしょしてたっていう人に会ったことあります。その人も辛いことがあって夜尿症になってしまってて、でも自然に治ったって言ってました。沙奈子ちゃんもきっと大丈夫です…!」
私に続いて玲那も、
「そうですそうです。私なんて、お酒の飲み過ぎで大人になってからおねしょしましたから!」
と前のめりになって力説してた。
……?。
…て、あれ…?。そこまでぶっちゃけてよかったの、玲那…?。
言ってしまってから数瞬経って、自分が何を口走ったのか気付いてしまったらしくて、玲那の顔がみるみる真っ赤になっていくのが分かった。
「ごめんなさい!、このことはどうか内密に~!」
とか何とか言いながら、殆ど土下座みたいにして彼女は平伏してた。耳まで真っ赤にして。
そんな玲那に山下さんは苦笑しつつ言ってくれる。
「大丈夫、誰にも言わないよ。言う相手もいないし」
つくづく彼の優しさが沁みた。沙奈子ちゃんが幸せすぎておねしょするようになったって言うのなら、それも当然かもしれない。
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