154 / 255
フライ返し
しおりを挟む
沙奈子ちゃんと石生蔵さんがホットケーキ作りをしている一方、それを見守ってた星谷さんのことも私はちらっと様子を窺ったりした。
すると彼女の表情は、それまでの圧を感じるものから、どことなく穏やかで柔らかくて、微笑んでさえ見えるものになってた気がした。まるで、お母さんが娘の成長を喜んでるみたいな…?。
そう言えばあの大希くんっていう男の子に対しては、見てる方が恥ずかしくなるくらいにデレッデレで甘々の顔だった。彼のことが好きで好きでたまらないっていうのしか見て取れないくらいの。
今のこの凛とした雰囲気を纏った姿とあのデレデレの姿とじゃ同一人物とは思えないくらいだけど、でもどちらも彼女の姿なんだろうなとは感じた。
同時に、山下さんに対してはすごく冷静で、淡々としてて、彼に対する感情みたいなものはまったく見てとれなかった。だから彼女は、あくまで石生蔵さんの保護者として付き添ってるだけで、山下さんのことは別に何とも思ってないのかなっていう印象だったかな。
もちろんそういうのを隠してる可能性が無いとは言えなくても、大希くんに対して見せてたあの姿に比べても冷静すぎる。そこまでしっかり隠さないといけない理由もない気がする。
なんてことを考えてる間にもホットケーキは焼けて、いよいよひっくり返すタイミングが来たみたいだった。ある意味ではホットケーキ作りにおいて一番の難関であり成否を左右する大事な一瞬だ。
ひっくり返すのは沙奈子ちゃんじゃなくて、いきなり石生蔵さんに任せることにしたみたい。
フライ返しを手にした石生蔵さんがホットケーキを少しだけ持ち上げてフライパンの縁に添わせるようにして、えいやって感じで躊躇うことなくひっくり返した。もっとおっかなびっくりな感じでするのかと予想してたのに、彼女は思い切ってそうしてた。
そうかあ、思い切りのいい子なんだ。って感じた。
そしてホットケーキは見事にフライパンの中に納まって、その瞬間!、
「やった!」
って思わず声を上げてしまってた。
私と玲那だけじゃなく、山下さんや星谷さんまで同じように「やった!」って声を上げてた。
「やったーっ!」
石生蔵さん自身も嬉しそうに声を上げて万歳してた。そして焼けた面を見て「おいしそーっ!」って。
その姿に、私達は無意識のうちに拍手をしてた。山下さんや星谷さんももちろん、沙奈子ちゃんまで。
この時はまだ彼女の境遇をしっかり詳しくは知らなかったけど、それを知れば当然のことだと今なら感じるな。
すると彼女の表情は、それまでの圧を感じるものから、どことなく穏やかで柔らかくて、微笑んでさえ見えるものになってた気がした。まるで、お母さんが娘の成長を喜んでるみたいな…?。
そう言えばあの大希くんっていう男の子に対しては、見てる方が恥ずかしくなるくらいにデレッデレで甘々の顔だった。彼のことが好きで好きでたまらないっていうのしか見て取れないくらいの。
今のこの凛とした雰囲気を纏った姿とあのデレデレの姿とじゃ同一人物とは思えないくらいだけど、でもどちらも彼女の姿なんだろうなとは感じた。
同時に、山下さんに対してはすごく冷静で、淡々としてて、彼に対する感情みたいなものはまったく見てとれなかった。だから彼女は、あくまで石生蔵さんの保護者として付き添ってるだけで、山下さんのことは別に何とも思ってないのかなっていう印象だったかな。
もちろんそういうのを隠してる可能性が無いとは言えなくても、大希くんに対して見せてたあの姿に比べても冷静すぎる。そこまでしっかり隠さないといけない理由もない気がする。
なんてことを考えてる間にもホットケーキは焼けて、いよいよひっくり返すタイミングが来たみたいだった。ある意味ではホットケーキ作りにおいて一番の難関であり成否を左右する大事な一瞬だ。
ひっくり返すのは沙奈子ちゃんじゃなくて、いきなり石生蔵さんに任せることにしたみたい。
フライ返しを手にした石生蔵さんがホットケーキを少しだけ持ち上げてフライパンの縁に添わせるようにして、えいやって感じで躊躇うことなくひっくり返した。もっとおっかなびっくりな感じでするのかと予想してたのに、彼女は思い切ってそうしてた。
そうかあ、思い切りのいい子なんだ。って感じた。
そしてホットケーキは見事にフライパンの中に納まって、その瞬間!、
「やった!」
って思わず声を上げてしまってた。
私と玲那だけじゃなく、山下さんや星谷さんまで同じように「やった!」って声を上げてた。
「やったーっ!」
石生蔵さん自身も嬉しそうに声を上げて万歳してた。そして焼けた面を見て「おいしそーっ!」って。
その姿に、私達は無意識のうちに拍手をしてた。山下さんや星谷さんももちろん、沙奈子ちゃんまで。
この時はまだ彼女の境遇をしっかり詳しくは知らなかったけど、それを知れば当然のことだと今なら感じるな。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる