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『ヒロ坊く~ん、千早さ~ん』
と猫撫で声を上げた大学生っぽい女の子は、沙奈子ちゃんの友達の女の子と抱き合ってた。その様子に呆気にとられてると、
「こんにちは」
って、高校生くらいの女の子が頭を下げながら挨拶してくれた。私達ももちろん「こんにちは」って応える。ちょっと戸惑いながらだけど。
そんな私達の視線に気付いたのか、男の子(?)が、
「この人、ピカちゃんっていうの。僕の勉強見てくれてる人だよ」
と紹介してくれた。
あ、『僕』ってことはやっぱり男の子かなとか思いつつ、『そうか、家庭教師をしてる子なんだ』と、大学生らしき女の子のことを認識してた。
ただ、山下さんも私や玲那と変わらないくらいに戸惑ってる様子だったから、どうやら彼も初めて会う子みたいだな。
なんてことを思ってると、その女の子がすっと姿勢を正して真っ直ぐに立って、私達を見詰めてきた。まるで別人みたいに凛としてる。
「初めまして。私は、大希くんの家庭教師をしています、星谷美嘉と申します」
すごく丁寧な言葉遣いで、声も決して大きくないのに、何とも言えない圧力を感じる子だった。
迫力と言うかオーラと言うか、とにかく落ち着いてて静かなのに圧倒されるの。しかも沙奈子ちゃんは、それに怯えてしまったのか、私の後ろに隠れてた。
それとは対照的に、大希くんって呼ばれた男の子は自慢そうに笑ってるし、沙奈子ちゃんと大希くんの友達らしい女の子は甘えるみたいにその<星谷美嘉>っていうこに抱きついてるしで、ますます混乱してしまった。
そんな私達をよそに、大希くんが沙奈子ちゃんを指さして言った。
「ピカちゃん、この子が山下さん。僕と石生蔵さんの友達だよ」
そうか、やっぱり顔を合わせるのは初めてなんだ。すると、『ピカちゃん』と呼ばれた星谷美嘉さんはその場にしゃがみ込んで沙奈子ちゃんの視線に合わせるようにして、
「初めまして、山下さん」
と、穏やかな笑みを浮かべながら柔らかい感じで言った。
あ…、なるほど、小さい子にはそういう感じにもなれるのね。それでようやく、大希くんや、彼女に抱きついてる女の子(石生蔵さん?)の様子に合点がいった。
それでもまだ呆気にとられた感じの私達の後ろで、最初の競技が始まってた。
そうなるとさすがに父兄とかの立場の人間がこんな風に話し込んでるのも憚られて、沙奈子ちゃんや大希くん達には席に着いてもらって、私達は競技を見ることになった。
でもどうしても気になってると、玲那が山下さんの耳元に顔を寄せて訊いてしまってた。
「え、と、あの女の子、石生蔵さんって子の親戚のお姉さんか何かですか?」
と猫撫で声を上げた大学生っぽい女の子は、沙奈子ちゃんの友達の女の子と抱き合ってた。その様子に呆気にとられてると、
「こんにちは」
って、高校生くらいの女の子が頭を下げながら挨拶してくれた。私達ももちろん「こんにちは」って応える。ちょっと戸惑いながらだけど。
そんな私達の視線に気付いたのか、男の子(?)が、
「この人、ピカちゃんっていうの。僕の勉強見てくれてる人だよ」
と紹介してくれた。
あ、『僕』ってことはやっぱり男の子かなとか思いつつ、『そうか、家庭教師をしてる子なんだ』と、大学生らしき女の子のことを認識してた。
ただ、山下さんも私や玲那と変わらないくらいに戸惑ってる様子だったから、どうやら彼も初めて会う子みたいだな。
なんてことを思ってると、その女の子がすっと姿勢を正して真っ直ぐに立って、私達を見詰めてきた。まるで別人みたいに凛としてる。
「初めまして。私は、大希くんの家庭教師をしています、星谷美嘉と申します」
すごく丁寧な言葉遣いで、声も決して大きくないのに、何とも言えない圧力を感じる子だった。
迫力と言うかオーラと言うか、とにかく落ち着いてて静かなのに圧倒されるの。しかも沙奈子ちゃんは、それに怯えてしまったのか、私の後ろに隠れてた。
それとは対照的に、大希くんって呼ばれた男の子は自慢そうに笑ってるし、沙奈子ちゃんと大希くんの友達らしい女の子は甘えるみたいにその<星谷美嘉>っていうこに抱きついてるしで、ますます混乱してしまった。
そんな私達をよそに、大希くんが沙奈子ちゃんを指さして言った。
「ピカちゃん、この子が山下さん。僕と石生蔵さんの友達だよ」
そうか、やっぱり顔を合わせるのは初めてなんだ。すると、『ピカちゃん』と呼ばれた星谷美嘉さんはその場にしゃがみ込んで沙奈子ちゃんの視線に合わせるようにして、
「初めまして、山下さん」
と、穏やかな笑みを浮かべながら柔らかい感じで言った。
あ…、なるほど、小さい子にはそういう感じにもなれるのね。それでようやく、大希くんや、彼女に抱きついてる女の子(石生蔵さん?)の様子に合点がいった。
それでもまだ呆気にとられた感じの私達の後ろで、最初の競技が始まってた。
そうなるとさすがに父兄とかの立場の人間がこんな風に話し込んでるのも憚られて、沙奈子ちゃんや大希くん達には席に着いてもらって、私達は競技を見ることになった。
でもどうしても気になってると、玲那が山下さんの耳元に顔を寄せて訊いてしまってた。
「え、と、あの女の子、石生蔵さんって子の親戚のお姉さんか何かですか?」
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