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セレブさん…?
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『石生蔵さんって子の親戚のお姉さんか何かですか?』
玲那がそう訊くと山下さんは、
「いえ、あの子は、沙奈子の友達の大希くんの家庭教師をしてる子で、大希くんのお姉さんのイチコさんと同級生らしいんだけどそれがいろいろあって石生蔵さんに懐かれて、お姉さん的な感じになってるみたいで。ちょうど、沙奈子にとっての伊藤さんと山田さんと同じって感じかな」
って言われて、私も玲那も、「あ、なるほど」って納得できてた。
ただ、あとで知ったんだけど、あの星谷美嘉って子と一緒にいたのが<イチコさん>で、しかも高校生だって分かった時にはまた驚いてしまったり。とても高校生に見えなかったから。
確かに見た目だけなら高校生でもおかしくなくても、あの落ち着きぶりは私の周りにはいないタイプだったし。高校の時にいた<落ち着いた大人っぽい子>ともまた違う感じで。
あんな人もいるんだな~っていうのが正直な感想だった。
まあそれはさて置いて、競技は順調に進んで、担任らしい教師の女性が沙奈子ちゃん達を呼びに来た。
沙奈子ちゃんは私達に手を振ってくれて、大希くんと石生蔵さんも、星谷さん達に「いってきま~す!」って元気に手を振りながら、沙奈子ちゃんと一緒に走っていった。その様子に、ちゃんと友達がいるんだなって感じてホッとした。
そうして私達と、星谷さんとその友達らしい女の子が残されて、友達らしい女の子が星谷さんに、
「あれ?。そう言えばピカ、写真とか撮らなくていいの?。うちはお父さんがカメラ持ってくるはずだからいいけど」
って話し掛けるのが聞こえた。すると星谷さんは親指をぐっと突き出してニヤリと笑う感じで応えてた。
「その辺は抜かりありません。プロのカメラマンに依頼済みです。ほら、そこ」
と指さした先には、すごい望遠レンズを付けたカメラを構えた男の人が立っていた。
…はい……?。
その人のことは目立ってたから気付いてたけど、あんまりにも本格的な感じだったからきっと学校が依頼したカメラマンなんだろうな~って思ってた。それが星谷さんが個人的に依頼したプロのカメラマンって、マジ……?。
「個人で、自分の家族じゃない子の写真を撮るためにプロのカメラマンに依頼するって、彼女、何者でしょう?」
つい山下さんにそんな風に尋ねてしまった。でも彼も、「さあ…?」って感じで戸惑ってるだけだった。
う~ん。身なりもひょっとしたらブランドもの?って感じの服装だし、ひょっとしてすごいセレブだとか……?。
なんてとりとめのない思考が頭の中をぐるぐるしてると、
「まあ、いいんじゃないかな。僕たちは沙奈子を見に来ただけだから、気にしない方向で」
って山下さんが。だから私も玲那も、
「そうですね。沙奈子ちゃんを見てればいいですよね」
と応えるしかなかったのだった。
玲那がそう訊くと山下さんは、
「いえ、あの子は、沙奈子の友達の大希くんの家庭教師をしてる子で、大希くんのお姉さんのイチコさんと同級生らしいんだけどそれがいろいろあって石生蔵さんに懐かれて、お姉さん的な感じになってるみたいで。ちょうど、沙奈子にとっての伊藤さんと山田さんと同じって感じかな」
って言われて、私も玲那も、「あ、なるほど」って納得できてた。
ただ、あとで知ったんだけど、あの星谷美嘉って子と一緒にいたのが<イチコさん>で、しかも高校生だって分かった時にはまた驚いてしまったり。とても高校生に見えなかったから。
確かに見た目だけなら高校生でもおかしくなくても、あの落ち着きぶりは私の周りにはいないタイプだったし。高校の時にいた<落ち着いた大人っぽい子>ともまた違う感じで。
あんな人もいるんだな~っていうのが正直な感想だった。
まあそれはさて置いて、競技は順調に進んで、担任らしい教師の女性が沙奈子ちゃん達を呼びに来た。
沙奈子ちゃんは私達に手を振ってくれて、大希くんと石生蔵さんも、星谷さん達に「いってきま~す!」って元気に手を振りながら、沙奈子ちゃんと一緒に走っていった。その様子に、ちゃんと友達がいるんだなって感じてホッとした。
そうして私達と、星谷さんとその友達らしい女の子が残されて、友達らしい女の子が星谷さんに、
「あれ?。そう言えばピカ、写真とか撮らなくていいの?。うちはお父さんがカメラ持ってくるはずだからいいけど」
って話し掛けるのが聞こえた。すると星谷さんは親指をぐっと突き出してニヤリと笑う感じで応えてた。
「その辺は抜かりありません。プロのカメラマンに依頼済みです。ほら、そこ」
と指さした先には、すごい望遠レンズを付けたカメラを構えた男の人が立っていた。
…はい……?。
その人のことは目立ってたから気付いてたけど、あんまりにも本格的な感じだったからきっと学校が依頼したカメラマンなんだろうな~って思ってた。それが星谷さんが個人的に依頼したプロのカメラマンって、マジ……?。
「個人で、自分の家族じゃない子の写真を撮るためにプロのカメラマンに依頼するって、彼女、何者でしょう?」
つい山下さんにそんな風に尋ねてしまった。でも彼も、「さあ…?」って感じで戸惑ってるだけだった。
う~ん。身なりもひょっとしたらブランドもの?って感じの服装だし、ひょっとしてすごいセレブだとか……?。
なんてとりとめのない思考が頭の中をぐるぐるしてると、
「まあ、いいんじゃないかな。僕たちは沙奈子を見に来ただけだから、気にしない方向で」
って山下さんが。だから私も玲那も、
「そうですね。沙奈子ちゃんを見てればいいですよね」
と応えるしかなかったのだった。
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