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裏方
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月曜日。また今日から仕事が始まる。また山下さんに会える。正直、それを目当てに会社に行ってるのは否めなかった。もちろん仕事もちゃんとするけど。
玲那は朝からご機嫌だった。山下さんの家にお邪魔できたことがよっぽど嬉しかったんだろうな。まあ、私もだけど。
あの、少し寒々しい感じさえする生活感の乏しい部屋で二人で暮らしてるんだろうなと思うと、胸が締め付けられる気もする。食事はちゃんととってるとは聞いてたけど、栄養のバランス的な点ではどうなんだろう。と思う以上に、二人にできたての温かい食事を食べてもらいたいという気持ちがすごく湧き上がってた。
玲那も、料理はいくらかはできるけど、あまり得意とは言えなかった。そもそも好きじゃない。両親に奴隷のように使われて用意させられていたことで仕方なく身に付けたものだったこともあって、彼女にとっては家事自体が辛い思い出だったから。
それに対して、私は決して家事は嫌いじゃなかった。むしろ綺麗に片付いていくのを見るのは好きだ。だから時々、玲那の部屋を掃除したりもする。行くたびに目茶目茶になってる部屋を片付けるのも、楽しみでさえあった。
だからもし、玲那が山下さんと結婚するようなことがあっても、私が家事を手伝いに行こうと思ってた。新婚のお宅にお邪魔するのは野暮だとしても、そこは二人にデートにでも行ってもらって、その間に私は沙奈子ちゃんと一緒にお片付けごっこで遊ぶとかいう感じで。
なんてことを夢想してたのに、どうやらそれはまだ先のことになりそうかな。玲那が彼とお付き合いしたり結婚したりっていう気がないって言うんじゃ、ね。
……じゃあ、私が山下さんと結婚すればいいじゃん。
そんな考えが頭をよぎるけれど、その結論を出すのはまだ早い。玲那と彼が実際にどうなって行くのかもまだ分からないし。
私はただ、玲那や沙奈子ちゃんに幸せになってほしいだけ。その為のお手伝いをしたいだけ。山下さんのことは確かに好きだけど、男性として好きだっていうのは自覚してしまったけど、でも、大丈夫。私は<主役>になりたいんじゃない。私は、脇役でいい。ううん、<黒子>でいい。<裏方>でいい。玲那と沙奈子ちゃんと山下さんの幸せな暮らしを陰で支える、家政婦みたいな存在でいいの。
だいたい、<主役>なんて私には似合わない。本当の私はこんなに地味だし、ドール大好きな根暗女だし……。
って、そんなこと考えてても仕方ない!。今は仕事仕事!。お昼にはまた彼に会えるんだからね。
それまではちゃんと自分の役目を果たさなきゃ。
玲那は朝からご機嫌だった。山下さんの家にお邪魔できたことがよっぽど嬉しかったんだろうな。まあ、私もだけど。
あの、少し寒々しい感じさえする生活感の乏しい部屋で二人で暮らしてるんだろうなと思うと、胸が締め付けられる気もする。食事はちゃんととってるとは聞いてたけど、栄養のバランス的な点ではどうなんだろう。と思う以上に、二人にできたての温かい食事を食べてもらいたいという気持ちがすごく湧き上がってた。
玲那も、料理はいくらかはできるけど、あまり得意とは言えなかった。そもそも好きじゃない。両親に奴隷のように使われて用意させられていたことで仕方なく身に付けたものだったこともあって、彼女にとっては家事自体が辛い思い出だったから。
それに対して、私は決して家事は嫌いじゃなかった。むしろ綺麗に片付いていくのを見るのは好きだ。だから時々、玲那の部屋を掃除したりもする。行くたびに目茶目茶になってる部屋を片付けるのも、楽しみでさえあった。
だからもし、玲那が山下さんと結婚するようなことがあっても、私が家事を手伝いに行こうと思ってた。新婚のお宅にお邪魔するのは野暮だとしても、そこは二人にデートにでも行ってもらって、その間に私は沙奈子ちゃんと一緒にお片付けごっこで遊ぶとかいう感じで。
なんてことを夢想してたのに、どうやらそれはまだ先のことになりそうかな。玲那が彼とお付き合いしたり結婚したりっていう気がないって言うんじゃ、ね。
……じゃあ、私が山下さんと結婚すればいいじゃん。
そんな考えが頭をよぎるけれど、その結論を出すのはまだ早い。玲那と彼が実際にどうなって行くのかもまだ分からないし。
私はただ、玲那や沙奈子ちゃんに幸せになってほしいだけ。その為のお手伝いをしたいだけ。山下さんのことは確かに好きだけど、男性として好きだっていうのは自覚してしまったけど、でも、大丈夫。私は<主役>になりたいんじゃない。私は、脇役でいい。ううん、<黒子>でいい。<裏方>でいい。玲那と沙奈子ちゃんと山下さんの幸せな暮らしを陰で支える、家政婦みたいな存在でいいの。
だいたい、<主役>なんて私には似合わない。本当の私はこんなに地味だし、ドール大好きな根暗女だし……。
って、そんなこと考えてても仕方ない!。今は仕事仕事!。お昼にはまた彼に会えるんだからね。
それまではちゃんと自分の役目を果たさなきゃ。
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