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「私はやっぱり人形の服は買ってほしいかなって思いますね」
沙奈子ちゃんの体調のことを相談してくれてから翌々日の昼休み。いつものように彼の前に座ったら、今度は、
「沙奈子が着せ替え人形に興味があるようだったから買ってあげたんだけど、服とかも買い揃えてあげた方がいいのかな?」
って訊いてきてくれた。それがまた嬉しくて、玲那が『人形の服は買ってほしいかな』って間髪入れず答えてた。ただ、その時彼が、
「自分で、紙を切って人形の服を作ってるんだ。だからそうやって自分で創作したいっていうことなら、そっちを尊重した方がいいのかなとも思ってしまって……」
とも言ったから私は、
「私は、自分で作ってるんなら、そうやって作ることも楽しんでるんじゃないかっていう気はします」
って答えてた。実は私は、一時期、自分でドール用の服を手作りしてて、それをフリマサイトで売ったりして大学の学費に充てたりしてたこともあったから、自分で作るのには慣れてるし、自分で作ることの楽しさも知ってたんだ。だから、
「確かに人形の服を買ってもらえたら嬉しいと思いますけど、工夫する楽しみっていうのもあると思うんですよ」
と、正直な意見として言わせてもらった。でも、玲那は、
「そうかもしれないけど、沙奈子ちゃんの性格からしたら本当は欲しいけど遠慮してるっていうのもあるんじゃないかな?。遠慮してくれてるのをいいことに我慢させるっていうのもちょっと違う気がする」
だって。そう言われるとそんな気もする。確かに沙奈子ちゃんなら遠慮しそうとも思った。だけど。
「そうかなあ。私は沙奈子ちゃんって、割と絵を描いたり何か作ったりするの好きそうかなって思ったんだけどな」
それは、山下さんが話してくれる沙奈子ちゃんから感じた素直な印象だった。続けて、
「他の子が持ってるのをすごく羨ましそうにしてたりっていうんだったらちょっと可哀想って感じはしても、まずは沙奈子ちゃんがどう思ってるか確認してみないと」
って言うと、玲那も負けじと言ってくる。だからそこから先はちょっと言い合いみたいになってしまった。
「だから、気持ちを聞いたらきっと欲しいって言うと思う。それを自分からは言えないのが沙奈子ちゃんなんだよ」
と玲那が言えば私も、
「正直言ったら買ってほしいっていうのは誰でもあるって。でも問題はそこじゃなくて、沙奈子ちゃんにとってどっちが楽しいかってことじゃないかな」
って感じで。すると山下さんが、
「ありがとう。沙奈子のことをよく見て決めるよ」
と、その場を収めようとするかのように言ったのだった。
沙奈子ちゃんの体調のことを相談してくれてから翌々日の昼休み。いつものように彼の前に座ったら、今度は、
「沙奈子が着せ替え人形に興味があるようだったから買ってあげたんだけど、服とかも買い揃えてあげた方がいいのかな?」
って訊いてきてくれた。それがまた嬉しくて、玲那が『人形の服は買ってほしいかな』って間髪入れず答えてた。ただ、その時彼が、
「自分で、紙を切って人形の服を作ってるんだ。だからそうやって自分で創作したいっていうことなら、そっちを尊重した方がいいのかなとも思ってしまって……」
とも言ったから私は、
「私は、自分で作ってるんなら、そうやって作ることも楽しんでるんじゃないかっていう気はします」
って答えてた。実は私は、一時期、自分でドール用の服を手作りしてて、それをフリマサイトで売ったりして大学の学費に充てたりしてたこともあったから、自分で作るのには慣れてるし、自分で作ることの楽しさも知ってたんだ。だから、
「確かに人形の服を買ってもらえたら嬉しいと思いますけど、工夫する楽しみっていうのもあると思うんですよ」
と、正直な意見として言わせてもらった。でも、玲那は、
「そうかもしれないけど、沙奈子ちゃんの性格からしたら本当は欲しいけど遠慮してるっていうのもあるんじゃないかな?。遠慮してくれてるのをいいことに我慢させるっていうのもちょっと違う気がする」
だって。そう言われるとそんな気もする。確かに沙奈子ちゃんなら遠慮しそうとも思った。だけど。
「そうかなあ。私は沙奈子ちゃんって、割と絵を描いたり何か作ったりするの好きそうかなって思ったんだけどな」
それは、山下さんが話してくれる沙奈子ちゃんから感じた素直な印象だった。続けて、
「他の子が持ってるのをすごく羨ましそうにしてたりっていうんだったらちょっと可哀想って感じはしても、まずは沙奈子ちゃんがどう思ってるか確認してみないと」
って言うと、玲那も負けじと言ってくる。だからそこから先はちょっと言い合いみたいになってしまった。
「だから、気持ちを聞いたらきっと欲しいって言うと思う。それを自分からは言えないのが沙奈子ちゃんなんだよ」
と玲那が言えば私も、
「正直言ったら買ってほしいっていうのは誰でもあるって。でも問題はそこじゃなくて、沙奈子ちゃんにとってどっちが楽しいかってことじゃないかな」
って感じで。すると山下さんが、
「ありがとう。沙奈子のことをよく見て決めるよ」
と、その場を収めようとするかのように言ったのだった。
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