229 / 255
あなたと出会えて
しおりを挟む
『香保理さんの、事故…?』
達さんにそう言ってもらえて、私は言葉を続けることができた。
「…香保理のことがあった時、私、わけが分からなくなってしまって、本当に無茶苦茶でした。だから、きっと玲那も辛かったはずなのに私が先におかしくなってしまったからか、彼女は逆に冷静になってしまったみたいで…。彼女はずっと私の傍にいてくれて、慰めてくれて、それでつい…、私、彼女のことを求めてしまって…」
そこまで言った時、別にそのことは関係ないからと話さずにおこうと思ってたことを口にしてしまったのに気付いて、顔がカアッと熱くなるのが分かった。
だけど言ってしまったことは取り消せない。それに、その時の彼も別に気にしてる風でもなかった。たぶん、私と玲那がどういう関係だったかなんて、何となく気付いてたんだろうな。それを察した上で、達さんは私達を受け入れてくれたんだと思う。そういう彼だからこそ、私も好きになれたんだ。
「え…、と…、まあその辺は置いといて…」
何とか気を取り直してさらに話を続ける。
「でもそのおかげで私も落ち着いて、玲那の提案もあって香保理に似せたメイクを二人でするようになって、志緒里のことも迎えてまた三人で一緒にいるみたいになれて、何とか持ち堪えることができたんです。
…って、なんだか私の話になっちゃってますね」
確かに、玲那の話をしてた筈なのに、私の話になっちゃってた。だから、
「とにかく!」
って声を上げて改めて仕切り直す。
「とにかく玲那もきっとまた達さんの知ってる玲那に戻ります。だから達さんも待っててあげてほしいんです。彼女がまた笑えるようになるまで…!」
そう、私がこれが言いたかったんだ。彼女は、『どぶの中から世の中を恨めしそうに睨み付けてる目をした女の子』だったのが、明るく朗らかに笑える子になれたんだ。だから今回だって、きっと時間が経てば元に戻れる筈なんだ。私と達さんが見捨てたりさえしなければ。
そこまで話した私を真っ直ぐに見詰めてた達さんの表情が、ふわっと柔らかくなる。そして、落ち着いた声で言ってくれたんだ。
「もちろん、待つよ。いつまででも。沙奈子のことも待てたんだ。玲那のことだって待てるよ。絵里奈と一緒だよ」
その言葉を聞いた途端、もう駄目だった。自分の顔がくしゃくしゃってってなるのが分かったのに、止められなかった。涙も、そして溢れてくる気持ちも。
「達さん…、達さん…!。大好きです!、愛してます!、私、あなたと出逢えて本当に良かった…!」
達さんにそう言ってもらえて、私は言葉を続けることができた。
「…香保理のことがあった時、私、わけが分からなくなってしまって、本当に無茶苦茶でした。だから、きっと玲那も辛かったはずなのに私が先におかしくなってしまったからか、彼女は逆に冷静になってしまったみたいで…。彼女はずっと私の傍にいてくれて、慰めてくれて、それでつい…、私、彼女のことを求めてしまって…」
そこまで言った時、別にそのことは関係ないからと話さずにおこうと思ってたことを口にしてしまったのに気付いて、顔がカアッと熱くなるのが分かった。
だけど言ってしまったことは取り消せない。それに、その時の彼も別に気にしてる風でもなかった。たぶん、私と玲那がどういう関係だったかなんて、何となく気付いてたんだろうな。それを察した上で、達さんは私達を受け入れてくれたんだと思う。そういう彼だからこそ、私も好きになれたんだ。
「え…、と…、まあその辺は置いといて…」
何とか気を取り直してさらに話を続ける。
「でもそのおかげで私も落ち着いて、玲那の提案もあって香保理に似せたメイクを二人でするようになって、志緒里のことも迎えてまた三人で一緒にいるみたいになれて、何とか持ち堪えることができたんです。
…って、なんだか私の話になっちゃってますね」
確かに、玲那の話をしてた筈なのに、私の話になっちゃってた。だから、
「とにかく!」
って声を上げて改めて仕切り直す。
「とにかく玲那もきっとまた達さんの知ってる玲那に戻ります。だから達さんも待っててあげてほしいんです。彼女がまた笑えるようになるまで…!」
そう、私がこれが言いたかったんだ。彼女は、『どぶの中から世の中を恨めしそうに睨み付けてる目をした女の子』だったのが、明るく朗らかに笑える子になれたんだ。だから今回だって、きっと時間が経てば元に戻れる筈なんだ。私と達さんが見捨てたりさえしなければ。
そこまで話した私を真っ直ぐに見詰めてた達さんの表情が、ふわっと柔らかくなる。そして、落ち着いた声で言ってくれたんだ。
「もちろん、待つよ。いつまででも。沙奈子のことも待てたんだ。玲那のことだって待てるよ。絵里奈と一緒だよ」
その言葉を聞いた途端、もう駄目だった。自分の顔がくしゃくしゃってってなるのが分かったのに、止められなかった。涙も、そして溢れてくる気持ちも。
「達さん…、達さん…!。大好きです!、愛してます!、私、あなたと出逢えて本当に良かった…!」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる