私が異世界物を書く理由

第三幕

もちろん親が＜窃盗犯＞だったからって子供も同じように窃盗犯になるとは言わないよ。どこかでそれを＜よくないこと＞と腑に落ちる経験ができれば親と

もちろん親が＜窃盗犯＞だったからって子供も同じように窃盗犯になるとは言わないよ。どこかでそれを＜よくないこと＞と腑に落ちる経験ができれば親とは別の生き方ができるようにもなると思う。でもさ、その一方で私の兄のように、父親がやってたことをそのまま受け継いじゃうのも確かにいるんだよね。

私の父親はパワハラで部下を自殺未遂にまで追い込んでも、

『そのくらいで自殺するような奴が悪い』

と本気で思ってるような人で、兄もそんな父親の考え方をまんま受け継いじゃったんだよね。しかもそのことが原因で刑事告訴されても有罪が確定しても自分が悪かったとは微塵も思わないんだ。そういう事例も現にあるんだよ。

それはたぶん、『そうじゃない』っていうのを納得できる形で諭してくれる人と出会えなかったからかな。

私の場合は＜小説＞だったけど、その小説で説かれてたものを自分の中に落とし込めたのはやっぱり＜人との出会い＞があったからだと思う。