私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

『自分のことは棚に上げて他人のダメなところを攻撃する』ってのは、まさしく『<気動車>と<電車>を混同してる人に延々とウンチクを語って聞かせる

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『自分のことは棚に上げて他人のダメなところを攻撃する』

ってのは、まさしく、

『<気動車>と<電車>を混同してる人に延々とウンチクを語って聞かせる人を気持ち悪がるクセに、自分は<演出>とか<脚本>とかについて延々と語る』

みたいなのも当てはまるだろうねえ。

ん? 

『お前のやってることも同じだろ!!』

って? いやあ、そう思うんならなんでやるの? って話だよ。あと、私は特定の誰かに対して粘着するつもりもないし、実際にやってないでしょ? 私は。

自分の好みに合わない作品だからって貶したりしないようにしてるし。

<演出>とか<脚本>とか、そんなものについて語れるほど分かってるわけでもないしね。てか、私レベルがそんなことについて偉そうに語ってたらそれこそ噴飯モノでしょ。

それに私は、こうやってあれこれすごく考えてるように見えるかもだけど、本質的には<感覚派>なんだよね。<演出>とか<展開>についてはあんま考えないようにしてんの。<ライブ感>と言うか、<勢い>と言うか、その時に、

『降りてきた』

ものを形にしてるだけだから。その所為でボツを食らうことも多いんだけどさ。しかも、読者が求めてるものじゃなかったらそれこそ跳ねないし。

でも、それが私のスタイルだからそれでいいんだよ。効率が悪くても、他人からは<駄作>の烙印を押されるものが多くても、

『自分の中に降りてきたもの、湧いてきたものを、形にする』

ことこそが私にとっての<楽しみ>なんだから。

その中で<商品>として使えそうなものがあればいいんだよ。そこはさくらをはじめとした編集部側の仕事だし。

農家みたいなものかな。

『収穫した作物を選別選別して売り物になるものを選りすぐって出荷する』

って感じでさ。

で、その選別の際に読み違えて<売れないもの>を商品化してしまったなら、そこは<プロ>としての責任ってもんでしょ。私は一応、OKが出るものをお出ししたんだしさ。

違う?

編集を通して商業誌に掲載されてる時点で、

<単に作者が好き勝手描いたもの>

じゃなくなってるんだよ。編集部側がそれでOK出したんだから、そっちの責任もある。

<仕事>ってそういうものでしょ? それが世に出るまでに関わった人間すべてにそれなりの責任があるんだよ。大きいか小さいかだけの違いで。

私の作品がいい評価をもらえなかったのは私の責任だけど、商品として売れなかったのはそれにOKを出した編集部の責任。

<創作物>を<商品>にするのが出版社の仕事でしょ?

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