私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

いくら自分じゃ身嗜みをわきまえてるつもりでも、実際に周囲からどういう目で見られてるのかっていうのを考えられない限りは、『身嗜みをわきまえてる

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いくら自分じゃ身嗜みをわきまえてるつもりでも、実際に周囲からどういう目で見られてるのかっていうのを考えられない限りは、『身嗜みをわきまえてる』とは言えないと思うけど? それって結局、ただの自己満足だよね?

ファッションというもの自体は本質的に自己満足が根底にあるだろうから、別に好きにすればいいと思う。でもね、

<身嗜み>

はファッションじゃないから。

<身嗜み>と<ファッション>は完全に同一のものじゃないから。流行りの格好をすることは必ずしも身嗜みにはならないんだよ。

それを混同するから分かりにくいことになる。 

食品工場に流行りのファッションでバッチリと固めていって、それを注意されたら、

『個人の自由だろ!』

とか逆ギレしちゃったりする。

あのね? <食品工場で働く上での身嗜み>としては適切じゃないから注意されてんの。それだけの話。

これだけでも、

『身嗜みとファッションは完全に同一のものじゃない』

ことくらい分かるんじゃないの? 

それこそ極端に言うと、

『ファッションは自己満足』

で、

『身嗜みは周囲への気遣い』

って感じかな。もちろんこれはあくまで『極端に言うと』だから、細かい部分じゃいろいろあるだろうけど、基本的にはそれほど間違ってもないと思う。

それなのに、なんでファッションを他の誰かにまで強要しようとするかなあ。

しかも、ファッションなんて<好み>によってもぜんぜん別物になっちゃうでしょうが。本質的には自己満足なんだから。

自分が好むファッションについて他人にあれこれ口出しされたくないなら、他人の好むファッションについても口出しするのはやめたら? 

見た目をいじるかどうかは個人の自由。食品工場じゃ眉を顰められるようなファッションでも、それが不具合にならない場所でなら好きにすればいいじゃん。それこそ五センチくらいありそうな付け爪とか、私はやらないけど、したい当人がそれで満足できるならやればいいと思ってる。

でも、<身嗜み>は別。

だいたい、衛生用作業服をきちんとばっちり着込んだら、いくら気合入れて見た目をいじっててもほとんど関係なくなるからね。

それにさあ、女性でも、『必要ないな』と思ったら、自分の見た目をいじるのとかもサボっちゃうもんなんだよ? 素肌を出さない時期とかだとムダ毛の処理も甘くなるしさ。

『あ~もう、今日はこのくらいでいいや』

って感じで化粧も手抜きしまくっちゃうこともある。

好きでやってる人はその手間を惜しまなくても、そうじゃない人は手間を惜しみたいんだよ。

勉強はできた方がいろいろと役に立つのに、好きじゃないから真面目にやらない人だっているじゃん。

そんなもんなんだ。

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