私が異世界物を書く理由

京衛武百十

文字の大きさ
上 下
938 / 1,187
第二幕

それにさ、『身嗜みを整える』って話にしたって、<TPO>ってのをわきまえなきゃダメでしょ。お弁当とか作る工場で、長さ五センチくらいあるような

しおりを挟む
それにさ、『身嗜みを整える』って話にしたって、<TPO>ってのをわきまえなきゃダメでしょ。

お弁当とか作る工場で、長さ五センチくらいあるような付け爪をした上にジャラジャラしたアクセサリーを付けまくったのが素手でおかずを詰めてたらどう思う? 付け爪が取れたり、ネイルに付けた石が外れて混入したらどうすんの? そんな人のことを、一緒に働いてる人らはどういう目で見ると思う?

『他人の目を気にする』

ってんなら、そういう場合だって気にしなきゃおかしいでしょうが。

<見た目>

ってのも、いろんな意味の見た目があるんだよ。いくら街中でたまたますれ違った人から『いい♡』みたいに思われる見た目でも、いつ何時でもそれが通じるわけじゃないって、そんな当たり前の現実と向き合えないのなら、意味がないんだよ。

眉を整える手間で、髪の毛の一本まできっちりと帽子の中に収めて、愛想もクソもない衛生面機能面のみを重視した作業服にきっちりと身を包んで、しっかりと衛生用手袋をはめて、細心の注意を払って作業するのが、食品工場における<まともな人>の条件だよね。

そこで<個性>をアピールすんのは違うでしょ。なんでそういうところについては無視すんの?

その人の生き方において、

<注力するべき部分>

と、

<そうじゃない部分>

ってのは確かにあんの。それについてまったく条件の異なる生き方をしてる人がとやかく言うのは、

<眉を顰められる行い>

ってもんでしょうが。なんでそういう現実を無視するかな?

<眉を整えることに注力しない生き方>

ってのもあって構わないんだよ。その人が自分でそういう生き方を選んでるなら他人があれこれ口出しすんのは<余計なお世話>だっての。

ただその一方で、自分でそういう生き方を選んでおいて周りからあれこれ言われたからって卑屈になったりってのも、確かに違うけどね。

まあこれは、

『五センチくらいある付け爪をした状態で食品を扱おうとして人がそれを理由に出禁くらっても文句言う筋合いじゃない』

という意味にもなるけどさ。自分でそれを選んだんだから、それが招いた結果についてごちゃごちゃ言うのは違うでしょ?

てか、『他人の目を気にする』ってんのなら、そんな格好で食品工場に来ようとすること自体がどうかしてると思うけどね。

で、

『そんな仕事、底辺の奴らがやることだからw』

みたいに嘲ったりするなら、その振る舞いそのものがまた、

『他人の目を気にしてない』

『自分の振る舞いが他人からどう思われるか考えてない』

って話になるっての。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

髪を切った俺が芸能界デビューした結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 妹の策略で『読者モデル』の表紙を飾った主人公が、昔諦めた夢を叶えるため、髪を切って芸能界で頑張るお話。

未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十
ファンタジー
俺の名は錬是(れんぜ)。開拓や開発に適した惑星を探す惑星ハンターだ。 だが、宇宙船の故障である未開の惑星に不時着。宇宙船の頭脳体でもあるメイトギアのエレクシアYM10と共にサバイバル生活をすることになった。 と言っても、メイトギアのエレクシアYM10がいれば身の回りの世話は完璧にしてくれるし食料だってエレクシアが確保してくれるしで、存外、快適な生活をしてる。 しかもこの惑星、どうやらかつて人間がいたらしく、その成れの果てなのか何なのか、やけに人間っぽいクリーチャーが多数生息してたんだ。 地球人以外の知的生命体、しかも人類らしいものがいた惑星となれば歴史に残る大発見なんだが、いかんせん帰る当てもない俺は、そこのクリーチャー達と仲良くなることで残りの人生を楽しむことにしたのだった。     筆者より。 なろうで連載中の「未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます」に若干の手直しを加えたVer.02として連載します。 なお、連載も長くなりましたが、第五章の「幸せ」までで錬是を主人公とした物語自体はいったん完結しています。それ以降は<錬是視点の別の物語>と捉えていただいても間違いではないでしょう。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...