私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

他所様を口汚く罵ってるのってさ、結局は、『悪いのはすべて相手。自分は何も悪くない』って考えてるからそんなことできるんでしょ? だったら、自分

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他所様を口汚く罵ってるのってさ、結局は、

『悪いのはすべて相手。自分は何も悪くない』

って考えてるからそんなことできるんでしょ? だったら、自分の子供が他所様を口汚く罵ってるのを、

『悪いのはすべて子供、自分は何も悪くない』

って考えて見て見ぬふりする親と同じことをしてるとは思わない? 私には本質的に同じことにしか思えないんだけどな。

そういう意味でも、

『子供は親を見て育つ』

ということだよねって思うんだけど? 望むと望まないとに関わらず、親は自分の子供に対して大変な影響を与えるんだよ。生まれてから誰よりも長い時間関わってくる<最も身近な大人>が子供に影響を与えないわけないじゃん。

『影響を与えるわけない』

なんてのがもうただの<オカルト>だよ。

<そうであってほしいという願望>

に過ぎないよね。自分が子供を育ててみて自分がどれだけ子供達に影響を与えてるか思い知らされることの多い私からしたら、そうとしか思えない。

現実を見なよ。大人なんでしょ? 子供を生んで育てられるような年齢ってことはさあ。

未成年のうちに子供を生んでって人ももちろんいるだろうけど、それだって少なくとも自分の子供よりは先に<成人>を迎えるわけだよね? <人生経験>については自分の子供よりも多く積んできてるよね?

それなのに現実と向き合うこともできないとか、情けないとは思わない? 私は思うよ。思うからなるべく現実と向き合わなきゃと考えてる。それが子供達への手本になると思ってる。

だから子供達の前で誰かを口汚く罵ることは避けなきゃと思ってる。

だけど同時に、仕事モードの時は、相手がさくらだとついついタガが外れちゃうんだよね。てか、

『甘えちゃう』

んだ。彼女が私の感情も本音も受け止めてくれるから。で、乱暴な言葉遣いになっちゃったりもする。

そういう<悪い見本>も、実際に子供達に示しちゃってるんだよね。だったらさ、ぞんな自分を<完璧な親>だとか思うのはおかしいって話でしょ。

だったら少なくとも、そうやってさくら相手に乱暴な言葉遣いをしてたりすることを正当化しようとも思わないし。それをさくらの所為にしようとも思わないんだ。そんな形で自分を正当化しようとしてる親の姿を子供達に見せたいとも思わない。

親なんて結局は、

<子供にとっての生きた見本>

でしかないんだよ。親の普段の振る舞いそのものが、言動そのものが、

<人間として生きていくための手本>

なんだからさ。

『親を見て子供は育つ』

まさにその通りだよ。

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