私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

そりゃね、大きなことを成し遂げる人って大変な危機を乗り越えた人だったりするかもしれないけどさ、だからって何もわざわざ死にそうな目に遭わせる

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そりゃね、大きなことを成し遂げる人って大変な危機を乗り越えた人だったりするかもしれないけどさ、だからって何もわざわざ死にそうな目に遭わせる必要はないし、意図的に過剰な試練を与えたりするのってただの虐待だよね。

それに、これまでにも何度も言ってきたけど、この世界に生きる人全員が世界そのものを大きく動かすようなタイプってわけじゃないでしょ? 上に立てるような器の人間ばかりしかいない世界って、それってむしろ『健全じゃない』と言うか<異常>だと思うんだけど? 

<上に立つタイプ>の人もいれば、<あくまで縁の下の力持ちに徹するタイプ>の人もいて、それで人間社会ってものは成り立ってるはずだけどなあ。

<縁の下の力持ちとして働く人>全員が、

<上を目指したけど途中で挫折した人>

ばかりってわけじゃないでしょ? てか、上に立とうなんて意識が強い人が、他の人に蹴落とされて挫折してそれでおとなしく<使われる側>に甘んじててくれると本気で思うの? 本気でそんな風に思ってるんだったら、それ、ただの<脳内お花畑><ご都合主義>ってもんだと思うけど?

『自分にとって都合の悪い状況についてもきちんと想定する』

ことこそが、

『ちゃんと考えてる』

ってことじゃないの?

私は、

『自分の子供達が<私にとって都合のいい人>に育ってくれるとは限らない』

と想定するからこそ、なるべくそうならないようにするためにはどうすればいいのか?ってのをいつも考えてるんだけどなあ。

『勝手にこんな世界に生み出しやがって !』

とか、

『自分がこんなダメな人間に育ったのはお前の遺伝子の所為だ!』

とか言われることがあるかもしれないってのは、あらかじめ想定してるけど? 想定して、もしそんな風に言われた時にはどうすればいいのか、自分はどう対処するべきか、なるべくならそうならないようにするためにはどうすればいいのか、考えてるんだけどなあ。

しかもそれを考えてても、そういう不安や心配事に囚われすぎないようにするということについても考えてるけど?

『自分の頭でちゃんと考えてる』

って人らは、そういう<自分にとって都合の悪い展開>みたいなことについてどう想定し、どう対処すればいいのかを思案し、どう心構えを作っていけばいいのかを考えてんの? それを考えてないってんなら、『ちゃんと考えてる』とかドヤれるとは思えないんだけどなあ。

そこんところホントどうなの? ちゃんと考えてるってんなら、答えられるよね? 焦る必要もないよね? うろたえる必要もないよね? キレる必要もないよね?

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