私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

まあそれはそれとして、私は自分が凡人だから実感あるけどさ、凡人がいくら天才を真似ようとしても参考にしようとしても、真似ることも参考にすること

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まあそれはそれとして、私は自分が凡人だから実感あるけどさ、凡人がいくら天才を真似ようとしても参考にしようとしても、真似ることも参考にすることもできないってのは感じるよ。それよりはやっぱ人生経験かな。頼りになるのは。

だって、自分の子育ての経験を詳細に書くだけでも、そっから派生していろんな話に広げていくことができるんだよ? 自分の経験を基に連想していって繋げていってさ。

天才はその途中をすっ飛ばして結果を導き出すこともできるのかもしれないけど、凡人はそうじゃないから。だから人生経験を積むことも、凡人の場合は無駄にならないと思うよ。てか、私の場合は経験そのものが引き出しになってるからね。妄想部分はあくまでとっかかりとか味付けって感じかな。

そこを、自分の才能を過信して、

『経験なんかなくても自分なら描ける!』

とか思ってたら、たぶん、どうにもならなくなって筆を折ってたと思う。

後は、<人間観察>ってヤツかな。これも嫌われたり気持ち悪がられたりするけどさ、やっぱキャラ作りには大事だと思うんだよ。で、人間ってものをよく見てるとさ、まあ偉そうなことを言ってる人がちょっと裏を返せばダメダメのグダグダだったりするってのがよく分かるんだよね。

そうしたらさ、

『口先だけでいくら偉そうにしてたって子供には届かないよねえ』

っていう実感しかないんだ。だから、実際に大人自身が<手本>を見せる必要があるって感じるんだよ。<人間観察>の要領で子供達を見るんだ。そしたらさ、口先であれこれ言ってることよりも、私自身が自ら振る舞いとして示してることを子供達がいかに参考にしてるかが見て取れた。

私が、

『大人が手本を示すことが大事』

ってのをしつこく言ってるのもこれなんだよ。口先だけで言ってることが実感としてそのまま伝わるなら、誰も苦労はしないって。

なにしろ私がここまで言葉を重ねても、理解しようと思えてる人なんてどれだけいる? 言葉だけで伝わるんならそれこそたくさんの人に伝わってるでしょ。

だけど実際はそうじゃない。ちらっと見ただけで読む気が失せてもう見ないっていう人の方がずっと多いはずだよね? 言葉なんてそういう程度なんだよ。しかも、目を惹く言葉を使おうとすると、キャッチ―なばっかりで本質が伝わらなかったりもする。

それじゃ意味ないじゃん。

私は言葉を使う仕事をしてるけど、だからこそ言葉というものの限界もすごく感じさせられてんの。

いや、マジで。

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