私が異世界物を書く理由

第二幕

それにしても、なんか、＜理解のある彼くん＞みたいなのをバカにするような風潮があるみたいだね。私にとってのダンナも、言ってしまえば、＜理解の

それにしても、なんか、＜理解のある彼くん＞みたいなのをバカにするような風潮があるみたいだね。私にとってのダンナも、言ってしまえば、＜理解のある彼くん＞の一種なのかな？　それをバカにしてる人らにとってはさ。

だけどさあ、男性だって散々、

＜自分のことを理解してくれる女性＞

ってのを妄想してそれを垂れ流してきたよねえ？　自分らがやってきたことを棚に上げて何言ってくれちゃってんの？

自分の趣味とか、自分の味の好みとか、自分の仕事とか、自分の弱い部分とか、そういうのを理解してくれる女性と付き合いたいみたいな妄想をさんざっぱら垂れ流してきたじゃん。

ねえ？　なんでそれをなかったことにしてんの？　自分はそういう妄想を垂れ流すことは許されて、他の誰かが同じことをするのは許さないとか、何様のつもり？

自分が不幸だったら他所様の幸せとか幸せそうにしてるとかが許せなかったりするのかもだけど、いやいや、あなたが不幸かどうかは、他所様には何の関係もない話だからね？

てか、私の子供達がもしそんな風にして自分が不幸なのを言い訳にして他所様を妬んで難癖をつけてたりしたら、情けなくて泣けてくるよ。

まあでも、私の場合は、子供達がそんな不幸な気分のままで他所様を妬まずにいられなくなるまで放っておいたりしないけどさ。

私が勝手にこの世に来てもらった子供達がそんなことになってて無視なんてできないよ。てことはさ、他所様に難癖付けずにいられないほどの精神状態にある我が子をほったらかしにしてる親がいるってことだよねえ？

私はそういうのも情けなくて仕方ない。

親だよ？　自分が勝手にその子をこの世に送り出したんだよ？　いわば召喚したんだよ？　本人に承諾も得ずに。一方的に。何の準備もできないままに。一人じゃ生きてることもできないような状態で。

そんな酷いことをしておいて自分の思った通りに育たなかったからって『自分には責任はない』って言って、自分の子供が他所様に難癖をつけずにいられないような精神状態になってるのを放っておける親って、ホント何なの？

謎過ぎ。

しかも、

『子供がどんな人間に育つかは生まれた時に決まってる』

とかトンデモ理論を振りかざしてまで責任逃れしようとするとか、まったく理解できない。決まってるならそれを勝手にこの世に送り出した自分の責任でしょうが。何言ってんの？

そんな風に責任逃れしようとする親を見て育ったら、そりゃ子供だってそれを学び取るってもんでしょうが。

それが親の責任でないなら、何だってのさ？