私が異世界物を書く理由

京衛武百十

文字の大きさ
上 下
771 / 1,197
第二幕

ところでさ、どうして世の中には、自分は物事を都合よく解釈してるってのに『他の人は自分と同じように物事をいいように解釈することがない』とか考え

しおりを挟む
ところでさ、どうして世の中には、自分は物事を都合よく解釈してるってのに、

『他の人は自分と同じように物事をいいように解釈することがない』

とか考えられる人がいるんだろうね。

だってそうじゃん? 死刑とかの話にしたって、

『法律でそう決まってるから』

みたいな話をするクセに、自分は誰かを攻撃する時には、

『法律で私刑は禁止されている』

っていう事実は無視するじゃん。おかしいでしょ。一方では法律を根拠にするのに、それを言ったその口で法律で禁止されている私刑を行おうとするんだよ?

なんという酷い矛盾。

なんという酷いダブルスタンダード。

とにかく自分にとってばかり都合のいいように物事を解釈しようとする。

本当にやれやれだよ。

でもまあ、矛盾があること自体は、人間である以上は当然だから仕方がない面については否定しないよ。

けどさ、

<死刑制度そのものが『理由さえあれば人間を殺していい』って解釈をもたらす可能性>

自体を否定する根拠にはならないよねえ。

だってそうじゃん? 『法律でそう決まってるから』ってことで死刑を是認するその口で、自分が直接被害を受けたわけでもない事件の関係者に<法律で禁止されている私刑>を加えようってんだからさあ。

自分自身がもう、

『勝手な解釈を加えて法律に基づかない行いをする輩がいる』

って事実を立証しちゃってるじゃん。

その事実に基づいて懸念を述べることの何が問題?

そもそもすでに、

『死刑になりたいから』

って理由で人を殺そうとするのが出てきてるとか、がっつり悪用されちゃってるじゃん。

私もね、今の時点では法律でそう決まってるなら死刑判決が出るのは仕方ないと思ってるよ。だけどさ、

『法律でそう決まってるから』

ってのを根拠にするなら、

『法律で私刑は禁止されてるからダメ』

というのも徹底しないとおかしいじゃん。違うの? 一方で法律を厳格に適用するべきだと主張しつつもう一方では法律で禁止されている行いを正当化しようとする。

それがおかしいって言ってんの。

ホント、なんでそんなに自分に甘いの? 自分ばっかりが優先されるべきだと考えられんの? そんなことを考えるのがいるから、死刑制度さえ悪用されるなんてことになっちゃうんじゃないの?

『自分じゃ死ねないから人を殺して死刑になろう』

なんて、<甘ったれ>以外の何ものでもないのが出てきちゃったりするんじゃないの?

私はそんなの好ましいとはこれっぽっちも思わないんですけど?

制度を悪用しようとするのが実際に出てきてる以上、懸念を持つのはむしろ当然だと思うけどねえ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十
ファンタジー
俺の名は錬是(れんぜ)。開拓や開発に適した惑星を探す惑星ハンターだ。 だが、宇宙船の故障である未開の惑星に不時着。宇宙船の頭脳体でもあるメイトギアのエレクシアYM10と共にサバイバル生活をすることになった。 と言っても、メイトギアのエレクシアYM10がいれば身の回りの世話は完璧にしてくれるし食料だってエレクシアが確保してくれるしで、存外、快適な生活をしてる。 しかもこの惑星、どうやらかつて人間がいたらしく、その成れの果てなのか何なのか、やけに人間っぽいクリーチャーが多数生息してたんだ。 地球人以外の知的生命体、しかも人類らしいものがいた惑星となれば歴史に残る大発見なんだが、いかんせん帰る当てもない俺は、そこのクリーチャー達と仲良くなることで残りの人生を楽しむことにしたのだった。     筆者より。 なろうで連載中の「未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます」に若干の手直しを加えたVer.02として連載します。 なお、連載も長くなりましたが、第五章の「幸せ」までで錬是を主人公とした物語自体はいったん完結しています。それ以降は<錬是視点の別の物語>と捉えていただいても間違いではないでしょう。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります

京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。 なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。 今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。 しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。 今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。 とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

処理中です...