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第二幕

<大きな声を出したり叩いて相手を従わせようとするやり方>ってのを学ばせなかったら、そんなやり方、実践しようもないんだよ。たったそれだけの話

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<大きな声を出したり叩いて相手を従わせようとするやり方>

ってのを学ばせなかったら、そんなやり方、実践しようもないんだよ。たったそれだけの話。

それを自分が楽したいからって、親が実践してるんだから、始末に負えない。

んでもって自分のそういうやり方を子供が真似をしたら、

『子供が言うことを聞いてくれない』

と被害者ぶる。いやはやなんというマッチポンプ。

まあでもね、例えば父親が育児に関わろうとしないどころか、

<手のかかる大きな子供>

だったりしたらそのストレスでついつい。ってこともあったりするのは、想像できるよ。私のダンナは<手のかかる大きな子供>どころか私にとっては彼こそが<親>みたいな感じだからね。ものすごく頼りになる存在なんだ。私が精神的にアレな時でもがっつり受け止めてくれて支えてくれたしさ。家事とかもやってくれるからそれこそまともな親と同居してるレベルで助かってる。

そんなダンナがもし、<手のかかる大きな子供>だったりしたら、私は正気を保ってることもできなかった気はする。まあそもそも彼がもしそんなだったら、一緒にはいないだろうけどさ。少なくとも彼が自分のことは自分でできるってのが分かってたから一緒に暮らすこともできた。彼を選んだのは間違いじゃなかったって感じてるんだよ。

だけどさ、そんな彼に甘えてばっかりってわけにはいかないじゃん。家事とかは甘えちゃってるけど、だから私は自分を<ちゃんとした母親>だなんてこれっぽっちも思わないけど、少なくとも私の勝手でこの世界に来てもらった子供達に対してはさ、安心してもらいたかったわけよ。

満足に動くこともできない、自分じゃ自分を守ることさえままならない、自分で食事をすることもできない、コミュニケーションも満足に図れない巨大で凶暴な怪物みたいなのに取り囲まれた状態で生殺与奪の権も完全に握られた状態で突然この世に放り出されたあの子達にとって安全安心な環境を提供したかったんだよ。

だから怒鳴ったり叩いたりなんてのは、それこそ論外。大きな声を上げて自分に従わせようなんてのも有り得ない。

満足に動くこともできない、自分じゃ自分を守ることさえままならない、自分で食事をすることもできない、コミュニケーションも満足に図れない巨大で凶暴な怪物みたいなのに取り囲まれた状態で生殺与奪の権も完全に握られた状態で突然この世に放り出されたあの子達に信頼してもらうにはどうすればいいのか? ってのを考えてるだけ。

自分がもしそんな形で異世界に放り出されたらってのを想像したとしてどうしてほしいか?ってのを考えてるだけなんだよ。

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