私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

ま、私がどんなにこんなこと言ってたって信じない人は信じないだろうし、『子供が駄々をこねるのは当たり前のこと』だって言い張る人は言い張るだろう

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ま、私がどんなにこんなこと言ってたって信じない人は信じないだろうし、

『子供が駄々をこねるのは当たり前のこと』

だって言い張る人は言い張るだろうね。

別にいいんだよ。私はそこを敢えて疑ったから腑に落ちる答を見付けられたってだけだしさ。

でもね、おかげで子供を何人育てても何回育てても大丈夫っていう自信はついた。どこに気を付ければいいのか分かったからさ。

ただしこれは決して、

『優秀な人材を育てられる』

って意味じゃないんだ。あくまで、

『どこかの誰かを平然と傷付けられるような人間にはならずに済む』

というだけだし。でもね、私としてはそれで十分なんだよ。だってこの世で生きてく上では私も力を貸すから、そんな立派な人にならなくても、食うにも困るようなほど追い詰められた状態で放っておかないし、子供ができた時にはそれこそ力になる。学費だって出したげる。美田は残さないけど、人脈は残したげる。

互いに力を合わせてこの世の中を乗り切っていけるような人間関係は残したげる。

でもまあ、最大の懸念は私の実の両親と兄のことだから、万が一の場合には私が防波堤にならなきゃねとも思うかな。私の子供達に対してはあの人達はそれこそ一ミリもなにもしてくれてないからね? 一円だってもらってないし、お年玉さえもらってない。

そもそも、私に子供ができたこと自体、あの人達は知らないからさ。てか、あの人達にとって私の存在はそれこそなかったことになってるみたいなんだよね~。

優秀な兄貴が性欲処理に困って他所の娘さんに手を出すくらいなら私をあてがっておけばいいとか考えてたみたいだけど、その辺は、見た目だけは悪くない上にお金も持ってたから女性の方から寄ってきてくれたみたいだしさ~。

でもその女性からも、一部、二股三股してたことについてはなんか訴訟も起こされてたみたい。

ただこれ自体は、相手の女性もちょっとアレな人だったらしくて、なんと兄貴の側が勝訴したみたいで。<名誉棄損>ってことでさ。

何と言うか、こういう部分も、

『類は友を呼ぶ』

ってことなんだろうなあって思ったり。

そんな人達が私の子供達に関わってくるなんてのはそれこそ真っ平ごめんだから、万が一の際にはダンナの側に子供達を預けて出国してもらう準備も整えてる。さすがに外国にまで追ってこられるほどの力はあの人達にはないし。

でもさあ、そこまで考えて用意しておかなきゃいけないってのがもう情けないことこの上ないよね。

人としてどうなの? としか思わないんだ。

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