私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

だから<非出生主義>を掲げてる人も、あくまで自分自身の考えとして完結してる人と、自分の承認欲求を拗らせて、『自分の考えこそが正しい!』って考

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だから<非出生主義>を掲げてる人も、あくまで自分自身の考えとして完結してる人と、自分の承認欲求を拗らせて、

『自分の考えこそが正しい!』

って考えて押し付けようとしてる人がいるんだろうなって感じてる。大まかに分けてその二種類がね。

『非出生主義って論破できなくね?』

とか言っちゃってる人とかはまさに後者かな。そういうのはね、<論破>なんかする必要はないんだ。自己完結しちゃってる人を論破するなんてのは<野暮の極み>なんだよ。<余計なお世話>なんだ。

だけど、ちゃんと自己完結できないと自分の正しさの根拠が欲しくて他者に認めてもらおうとしちゃうんだろうね。だから押し付けようとする。

これは<非出生主義>に限ったことじゃないんだろうけどさ。<陰謀論>とかでもね。自分の考えてることの正しさに自信がないから逆に誰かに認めてもらうことで正しさを補完したくなるんだろうって気がする。

<信仰>だってそうかもしれない。自分の中にしっかりと根付いた強固なものであれば他の誰かに認めてもらえなくても何の関係もないと思うけど?

私も、私の考えてることは私一人をがっちりと支えてられればそれでいいから他の人らの反応がなくたって別に問題じゃないんだよ。あくまで私自身が何度でも確認するために言語化するだけで。

だから私自身、かつて非出生主義っぽい考え方をしてたのが実際には支えにはならなかったから今はそれを放棄したってだけの話。

だってダンナと出逢っちゃって彼の子供が欲しいと思っちゃったんだもん。そんな私が非出生主義なんか掲げてたらとんでもない自己矛盾じゃんねえ。

私は私自身の気持ちに素直になっただけだよ。

<『彼の子供が欲しい!』っていう気持ち>

にね。で、そんな自分の気持ちに素直になるためには、生まれてくる子供達に対してきちんと責任を負わなきゃって思っただけ。

『子供達をこんな世界に送り出してしまったのは私の勝手』

『子供達に生まれる前に承諾をもらった事実は存在しない』

その事実をしっかりと確認して、

『子供達を育ててるのは、私自身の行いに対する贖い』

なんだなってがっちりと腑に落ちたんだ。だったら後は、子供達を受け止めてみんなで一緒にこの世を楽しむだけだよ。

子供達がしっかりとこの世界で生きていけるようにするのが私の役目だし、それができないなら私の命がある限り力になるだけ。それだけのことを私はしでかしたんだ。

『人間を自分の勝手でこの世に送り出す』

っていう、とんでもない<我儘な行い>をね。

そんなこと、生半可な覚悟でしていいわけないでしょ? 本来は。

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