私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

私の言ってることのほとんどは、今現在の科学技術でも十分に裏が取れることだと思うんだけどね。『子供を生む時に事前に承諾なんか取ってない』なんて

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私の言ってることのほとんどは、今現在の科学技術でも十分に裏が取れることだと思うんだけどね。

『子供を生む時に事前に承諾なんか取ってない』

なんてそれこそ、余裕で科学的事実じゃん。むしろどうやってそれを否定するつもり?

まさかここで、

『結婚相手には承諾を取った!』

とか言わないよね? いくらなんでもそんな悪質な論点逸らしはしないよね? もしそれをしようと思ってるなら、そういうのこそが<悪辣な狡さ>だっての。

そんな形で話を逸らしてうやむやにしようだなんて、大人がそんなことをしていて子供が真似しないとでも思ってんの?

ましてや自分の子供の前で親がそんなことをしてたりなんて、

『自分に都合の悪いことはこうやって誤魔化せばいい』

と教えてるのと同じだとは思わないの? 違うと言うなら、じゃあ子供がどうやって人間としての生き方を誰から学ぶのか、説明してごらんよ。

まさか『学校で教わる』とか言わないよね?

だったら、<学校>というものができる以前は、人間は人間じゃなかったっての? いや、それこそ科学全否定だよね? <ホモ・サピエンス・サピエンス>そのものを真っ向から否定してるじゃん。

おかしいでしょ?

で、結局それの根拠にしようとしてるのはオカルトでしょ?

オカルトなんてどうとでも好きなように言えるから根拠になんかならないっての。

検証すらできないし。

何度でも言うよ? 私は子供達を生む前に子供達自身にそのことについて確認したという事実は存在しないと理解してるし、子供達自身からそれを承諾してもらったという事実は存在しないと理解してる。そして私の子供達には、私とは別の人格が備わってる。

この本当に分かりきった当たり前の現実を、私は認めるようにした。認められるようになった。たったそれだけの話。

私みたいなダメ人間でもできるたったそれだけのことをなぜできないのかが理解できない。

それを認めたところで私の子供達は私を蔑んだりしないし、なんでもかんでも私にやらせようとして我儘放題になったりもしない。

そりゃそうだよ。親である私が現実を認めるようにしてるんだから、子供達だって、

<なんでもかんでもが自分の思い通りになるわけじゃないという現実>

と向き合えるようになってきたってだけなんだから。私の真似をしてくれてんの。

<現実を現実として向き合うことができないずるい大人の姿>

を見て育ったら、<現実を現実として向き合うことができない大人の在り方>しか学べないでしょうが。

<現実に存在するものを認めることができない大人>

なんてのがどうして生まれるのか、そう考えたら説明がついちゃうと思わない?

思いたくないなら思いたくないで別にいいんだけどさ、だったら、自分の子供が自分の姿を見て現実と向き合えない大人に育ったとしても、それを子供の所為にするのはおかしいよね。

そもそも親である自分が現実と向き合えていないんだからさ。

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