私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

大企業のトップだって政治家だって、どうせどっちも人間だもん。弱いところもあればダメな所だってある。心が弱ればオカルトに逃げ込みたくなることだ

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大企業のトップだって政治家だって、どうせどっちも人間だもん。弱いところもあればダメな所だってある。心が弱ればオカルトに逃げ込みたくなることだってあるでしょうよ。だから私は、誰かのことを一から十まで何一つ疑わずに信じるということはしないんだ。

ダンナのことさえ、まるっきり無批判に盲信しているわけじゃないよ。

何しろ盲信というのは、相手の人格を蔑ろにしてるのと同じだからね。

だってそうじゃん。相手は自分とは別の存在だよ? それなのに、『何もかもが自分にとって都合のいいことしかしない』とか考えてるなんて、相手を何だと思ってんの? 仏様や神様だって自分に何もかも都合良くいてくれるわけじゃないよ? 

ましてや自分と同じように人格を持った存在だったら、自分とは噛み合わない部分、都合が良いとは言えない部分があって当たり前じゃん。そういう部分を認めないと言ってるのと同じだよ?

普通にひどくない?

私はダンナのことを自分の道具みたいに思いたくないから、何もかもが私に都合よくいてくれるはずがないっていうのを認めなきゃいけないって思ってるんだよ。

相手が何もかも自分に合わせてくれるのが当たり前と考える人って、何を思ってそんな風に考えられるんだろうね。

自分は他の誰かに何もかもを合わせるということはできないでしょ? それなのに他の人が自分に合わせてくれるのは当たり前だと思ってる。以前からずっと考えてるけど、やっぱりまったく意味が分からない。

以前にも言ったけど私が何度も同じことをこうやって記すのは、以前に同じような事を考えていた時と比べて経験を重ねたことで何か変化が生じているかどうかを自分自身で確かめるという意味もあるんだ。

そうすることで自分の考えの<穴>を見付けられたりもするしね。

加えて、他の人の考えにも触れたりして、自分の考えとすり合わせてみて、修正していったり補足していったりもする。

それが『成長する』ということだと思うけど?

自分が決して完璧じゃないと思うからこそ、自分を成長させなきゃとも思うんだよ。そしてそれはダンナも同じ。ダンナも自分を完璧じゃないと理解しているからこそ自分自身を省みるし、成長するために努力も続ける。

『自分は完璧だ』

『自分は何も間違わない』

そんな風に思ってたら、上手くいってる間はいいけど、上手くいかなくなってきたらもうどうにもならなくなるよね。だって『自分は完璧だ。何も間違ってない』って思ってるんだから、直すところなんてないはずだしさ。

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