私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

『殴ってもらえたからこそ今の自分がある』個人的にそう思ってるだけなら別に好きにすればいいと思うんだよ。そう思わせてもらえる相手に出会えたのは

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『殴ってもらえたからこそ今の自分がある』

個人的にそう思ってるだけなら別に好きにすればいいと思うんだよ。そう思わせてもらえる相手に出会えたのはよかったと思う。素晴らしいことだと思う。

だけどさ、それを理由に自分が他の誰かを殴っていいって話にしようとするのはおかしいって言ってんの。

私とあなたは同じ人間? 私が思ってること感じてることは、あなたと同じ? 違うよね? 私の言ってることのすべてが納得できるわけじゃないよね? 私と同じ考え方ができるわけじゃないよね?

だったら同じように殴られて、まったく同じ印象を受けると思う? ましてや、あなたを殴ってくれた人とあなたは別人でしょ? あなたを殴ってくれた人とまったく同じことがあなたにできるの? その人があなたを殴ってくれた時の状況を心情を、すべて完璧に再現できるっての? そんなオカルトが現実に存在すると本気で思うの?

私がこう考えているのを、あなたは考えてたの?

お互いに<人間>であることは確かに事実だよ。でもね、まったく同じ考え方や感じ方をするという意味での<同じ人間>は、現実には存在しないんだよ。どうしてそんな当たり前の事実さえ理解できないの?

体罰なんてものを信奉する人は、その現実を理解してない。誰に対しても同じようにすれば同じ結果が出るのが当たり前だと思ってる。同じ結果にならなければそれは<相手の所為>であって自分には何の落ち度もないと思ってる。

それがそもそも間違ってるって言ってんの。

子供や警察官や後輩や若手や弟子に対して横柄に振る舞うような人に『何の落ち度もない』なんてことが有り得ると本気で思ってんの? どんだけ思い上がれんの? びっくりだよ。

私はこれだけいろいろ語ってても、全然、私の伝えたいことが間違いなく相手に伝わるなんてことがないってのを思い知らされてる。

『私の伝えたいことを理解してくれない奴が悪い!』

なんて思い上がれない。伝わらないのならそれは私の伝え方の問題だ。私が未熟だからだよ。だけどたぶん、一生かかっても納得のいく自分にはなれないだろうなって実感してる。

だけど、だからこそ、どこまでも努力を続ける私の姿を子供達に見てもらえるんだと感じてる。そして、

<完璧な自分にはなれないという現実との向き合い方>

についても、私自身の姿で示すことはできる。

ホントにさ、

<弱い相手にイキがりたいだけの自分>

ってものと向き合う勇気を持ったらどうなの? たったその程度の勇気さえ持てないような人の振る舞いに説得力があると思い上がるのは、ただの<裸の王様>ってもんじゃないのかなあ。

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