私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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第二幕

あのさあ、『殴られなきゃ痛みを知ることはできない!』とか、ホントそれ、典型的な<認知の歪み>ってヤツだよね。『いやよいやよも好きのうち』と

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あのさあ、

『殴られなきゃ痛みを知ることはできない!』

とか、ホントそれ、典型的な<認知の歪み>ってヤツだよね。

『いやよいやよも好きのうち』

と同類の、一方的な身勝手な歪みだよ。なんで分かんないのかなあ。

だいたいさ、殴られて痛みを知ったはずの人達が他者を見下し蔑み貶めるような振る舞いをしてるのはどうして? 痛みを知ってるならそんなことできないはずだけど? そういう人達のそれは、『痛みを知ってる』んじゃないよ。ただ麻痺してるだけ。

それに、私が散々語ってきた、<体罰の致命的な欠点>に対して一切何の具体的な反証もないしさ。

『自分より弱い相手にしか通用しない』

『自分より強い相手には使えない』

『元々痛みを知ってる相手には意味がない』

『犯罪加害者を庇うために<罰を与えたというアリバイ作り>に利用される』

等々の致命的な欠陥に対する反証がさ。

だから敢えて何度でも言わせてもらうよ?

『体罰なんて、自分より弱い相手にイキがりたいだけの人間が使いたがる安易な逃げだ』

って。

前にも言ったよね? 

『無茶苦茶荒れてた学校に、熱血指導を旨とする教師が赴任してきたことで、状況が劇的に変わった』

なんて事例があったとしても、その熱血教師が赴任してくる以前からそういう学校では体罰が使われてたはずだってさ。

どっちも体罰を使ってたのに荒れて、なのにその熱血教師が赴任してきたら収まったのなら、それは<体罰の効能>のおかげじゃないでしょうが。

ましてや、生徒がやらかした犯罪行為を、教師が一発二発殴っただけで無罪放免にするとか、ただの<犯人隠避>だよね? 甘い甘いと言われてる少年法さえ適用せずに、単なる一介の教師が司法判断を行うとか、越権行為も甚だしいとは思わないの?

どうしてそんなに、自分より弱い相手にイキがりたいの? そういう姿勢を子供達が見倣っちゃうから、体罰が当たり前だった頃に育った世代にも、自分より弱い相手にイキがるのがいるんでしょうが。高齢者施設で、入所者が職員を相手に横柄に振る舞ったりするのはなんで? 職員を自分より(立場的に)弱い相手だと考えてイキってるからじゃないの? それが、

<体罰が当たり前だった世代の正体>

じゃないの?

違うっていうのなら、どうして体罰が当たり前で厳しく躾けられたはずの世代がそんなことをしてるのか、それも、一人二人の例外的な話じゃなくて、多くの高齢者施設で職員が疲弊していたり、モンスターカスタマーが問題にされるほど多く現れてるのか、説明してごらんよ。

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